闇が揺らめく。
それは、それは、心地良く全てを誘う。
だが、それは一筋の光によって消し去られる。
「んあ? 朝か? いや、ここどこだよ。」
見知らぬ森の中に俺は佇んでいた。
「俺は家で寝てたはずだよな?」
首をかしげるが、全く理由もわからない。
「人の気配もしない。獣の気配もなしか。あー、あの時の訓練を思い出すなぁ。」
夜、人気のない山の中で歩き、敵を見つけて撃つという訓練をな。
「それにしても、寝起きの割にはスッキリしてるし、武器は落ちてるしさ。」
俺の周りには、俺が使っていた銃であるコルトピースメーカーと一振りの刀と西洋剣(両方鞘付き)が落ちてた。
「まあ、自衛のために持っておくのはいいけどさ。」
周りを見渡すが、木が生い茂っているため、中々先も見渡せない。
何かの気配がした。
「人の気配」
○斗の拳のように言ってみた。
何でかって?
それは、言ってみたかったからだよ。
近くの茂みから金髪の幼女が現れた。
もう一度言おう。
金髪の幼女が現れた。
「子供?」
突然の出現に驚くしかない。
「あなたは食べてもいい人間?」
「俺は食べれないけど、悪いことをした子は食べていいよ。」
「そーなのかー」
「聞き分けのいい子には飴をあげよう。」
ポケットから飴を取り出し幼女にあげる。
「わーい! ありがとう!」
素直な子だな。
「頼みがあるんだがいいか?」
「ん〜? どうしたの?」
「ここの近くに休める場所はないか?」
「こっちにあるよお兄さん。」
助かる。
正直、日が沈み始めてるし、このままだと夜になって危険だからね。
「あー、案内してくれると助かる。」
「分かった。付いてきてね。」
幼女は歩き出す。
俺は幼女に付いて行く。
(幾ら何でも、この図は犯罪っぽいな。)
幼女の後ろから付いて行くいい大人………うん、世間に見られたら誤解を受けるな。
幼女に連れられて10分くらい歩いた所に小さな小屋があった。
ボロボロでなく、しっかりとした作りだ。
「ここだよお兄さん。」
「随分としっかりとした作りだな。」
「そーなのかー。」
誰かが住んでいそうな気がするけど………。
「幼女よ。この小屋には誰か住んでるのか?」
「誰もいないよ。私が休憩所として使うくらい。」
そうか。
なんか済まないことしたな。
「なんか悪いな。」
俺は幼女の頭を撫でた。
撫でてると何かに引っ掛かり、それが解けてしまった。
その瞬間に体に走る悪寒、そして恐怖、焦燥感。
「お前、本当に幼女か?」
「失礼なこと言うわね。私にはルーミアって名前があるのよ。」
そこには俺の身長より10センチ程低めの美女がいた。
「そりゃ失礼した。ルーミア。それでさっきの幼女は?」
ルーミアは自分自身を指差す。
「は?」
「分からない? さっきまで撫でてたのは私よ。」
「はあぁぁぁぁぁ!!??」
俺の絶叫が森に響いた。
久々の投稿です。
誹謗抽象は勘弁してください