ISと無気力な救世主 作:憲彦
今日の質問は、俺、参上!さんからです。
「ハリケンジャーで好きな超忍法は何ですか?あとハリケンジャーのクロス作品とか考えたりしますか?」
好きな超忍法ですか~。オーソドックスだけど、空駆けですかね。うp主はハリケンジャー見てないので、特にクロスとかは考えてないです。と言うか、座談会後は無気力な救世主を書きながら、1回オリジナル(笑)を書くので、まだ今後のクロスは考えてないですね。
何があったのだろう……。ISの戦闘訓練や試合などで使われるアリーナには沢山のクレーターが出来ている。破壊の具合はISの試合よりも酷い。観客席で見ている生徒逹は口を開けて固まり、視線は1つの場所に向かっている。
状況を知らない者がこの光景を見ると、100%この言葉を言うだろう。「戦場か……?ここ」とな。ミサイルでも放たれた時の様に土煙が巻い、着弾したような巨大なクレーターが数え切れないほどある。更には大砲の砲弾を撃ち込まれたように地面が抉れ、土の色が変わる辺りまで見えている。
その中を縦横無尽に飛び回る球体の様な何か。あまりのスピードに目視で確認することが出来ない。途中途中破裂音の様な物も聞こえる。
そして、それから数分後、土煙の晴れたアリーナの中には、腰にライダーズギアを巻いた男が4人倒れていた。土煙が晴れたお陰でよく分かる。現在のアリーナの状況が。修復までに2週間と言うか所だろうか?外壁までぶち壊れているからな。
何故こんなことがあったのか。それは、今日の朝のSHRまでさかのぼる。
「と言うわけで、明後日は1学年クラス別ドッジボール対抗戦を行う。それに当たって、今日は6時間目に特別講師を呼んで、ドッジボールのエキジビションマッチをする。ドッジボールその物を忘れてる生徒も居るだろうから、しっかり見ておけよ」
ドッジボール大会。この学園では1年生限定で行われている学年行事だ。まぁ、1年以外は別の事をやっているので、優勝しても特に賞品とかは無い。強いて言えば、鬱陶しい授業をやらずに済むと言う事だろう。
「高校生になってもドッジか~……」
「何か今更って感じだよね~」
「しかもその為に特別講師って……」
このイベントは、毎年こんな感じだ。一夏でなくともテンションが下がる。確かに、高校生でドッジボールは少しばかし子供っぽい感じもする。が、ドッジボールには普通に国際ルールも国際大会も存在するため、強ち子供っぽいとは言えない。
まぁ、クラス対抗戦当日になってしまえば、全員自然とテンションが上がってくる。それなりに練習をして迎えるからだ。単純な連中だな。
「この学園……無駄な行事が多いな……」
「そうかな~?楽しくて良いと思うけど?」
「いっその事、生徒会長にでもなって、学園の行事全部見直すか……?」
一夏がボヤき、本音がフォローを入れる。いつも通りの光景ではあるが、今回に関しては一夏が一瞬生徒会長になることを考えてしまうレベルでヤバかった。
「いっち~が生徒会長か~。案外似合ってるかもね!」
この学園のシステム上、生徒会長には1年生でもなることが出来る。……なんだよ学園で1番強いヤツが生徒会長になるって。狂ってんのか?そもそもそんなシステムなら、学園全体での最強はブリュンヒルデである織斑千冬になってしまうだろ。生徒会長だからそれはあり得ないがな。普通は立候補して選挙で決められるだろ。
「と言うか、今の生徒会長って誰なんだ?」
「ん~っと……この人!」
スマホを取り出し、画像フォルダから今の生徒会長の写真を表示して一夏に見せた。見覚えのある顔の様で、苦虫を噛み潰した様な顔をしている。
「ん?知ってるの?」
「あぁ。バジンがぶっ壊れる原因を作ったヤツだ」
正確にはどっかの整備課の生徒が弄って調子が悪くなった所に、部屋に不法侵入されて仕掛けられた盗聴器と盗撮カメラの撤去をして、完全にシステムがイカれただけだ。
まぁ確かに、完全に壊れる原因を作ったのは間違いないな。それ以降、一夏はその人の事を『変態百出』と呼んでいる。あれ以降会ったことは無いけどな。一夏の話を聞いている本音は、「あぁ~。あの時か」となんか納得している。
そんなこんなで、迎えた6時間目のロングホームルーム。ドッジボールのエキジビションだと言うのに、何故か体育館ではなく、アリーナに呼ばれた。
この時点で察しの良い読者の皆さんは、何故アリーナなのかを予想できただろう。今日招かれている特別講師4人は、体育館でやれば確実に体育館が終わるからだ。
「では講師の紹介だ。知ってる人も居るだろうが、今日試合を見せてくれるのは、スマートブレインの社長の村上さんと、その社員の草加さんと木場さん。後、内のクラスから織斑が出る。しっかりと見ておけよ」
千冬が軽く講師の紹介をすると、全員言葉を失ってしまった。当然だ。大企業のスマートブレインの社長と千冬の恋人の草加、真耶の恋人の木場、お馴染みの一夏と、周りを驚かせるにな十分な面子だからだ。
「それじゃあお願いします」
千冬のその言葉を聞くと、4人はラインの引かれているフィールドの内側に入っていった。4人の顔は、遊ぶと言う顔ではなく、完全に相手を倒すと言う顔をしている。
「久しぶりですね~。4人で球技やるの」
「あぁ。楽しみだ」
「俺は今すぐにでも帰りたいよ……」
「まぁ、せっかくです。楽しみましょう」
とか言ってるが、4人の腰には何故かベルトがしっかり巻かれている。因みにチームだが、一夏&草加、村上&木場だ。この時点で既にヤバいと思う。
「では、試合開始!!」
「フッ!!」
「ッ!!ぉら!!」
試合開始直後、まだ5秒も経っていないのに、両チームとも既に10球ほどラリーが交わされた。生身の状態だが、最早人間の投げるボールではない。一夏、草加、木場の3人は体全体を使って最大限の力で投げ飛ばし、村上は最小限の動きでボールを受け止めて、無駄の無い動きで最大限の威力のボールを投げている。アンタ歳いくつだ?
「んぬっ!?相変わらず重たいな……せい!!」
草加のボールを木場が受け止め、今度は一夏に投げる。手を前に出してボールを受け止めるが、あまりの威力に少し後ろに仰け反った。だが、完全に受け止めることができた。
「これ勝負付きそうにないな」
「まだ始まって時間は経っていませんが、同感ですね」
「俺もだ」
「俺も同じく……」
『555/913/000』
『『『Standingby』』』
「「「「変身!!」」」」
『Standingby』
『『『『Complete』』』』
あ、ヤベ……。一夏はファイズに、草加はカイザに、木場はオーガ、村上はデルタに変身した。
「オリャア!!」
「グッ!ハァア!!」
「ハァァ……ゼイィ!!」
「フッ!ハァ!!」
こここら先は、アリーナが地獄と化した。ボールは大砲の砲弾の様に飛び、受け止めた時は後ろに衝撃波が走り土煙が舞い上がる。地面にバウンドすれば、そこだけ不自然にクレーターが出来上がり、まるで隕石でも落ちたかの様になる。
「ハァ!!」
一夏が飛んできたボールを、空中で止めると、浮いている内に村上と木場目掛けて蹴り落とした。
「チェック」
『Exceed Charge』
一夏の蹴り落としたボールにポインターを付けて勢いを殺すと、木場がそれに合わせて、ポインターに飛び込んでボールを殴り飛ばす。
『ENTER』
『Exceed Charge』
「ハァア!!」
今度は飛んできたボールに、草加がグランインパクトを叩き込み、更に打ち返す。これがいつまでも続いた。そして冒頭につながる訳だ。結局は4人とも倒れたのだ。
「これ、参考になるかな?」
本音の疑問はごもっともだ。多分これは参考にならないだろう。そして迎えたドッジボール対抗戦当日。これほどまでに恐ろしい試合ではなく、全員普通にドッジボールを楽しむことができた。だが、見ている方からしたら、やはり迫力不足に思えたと言う。
次回もお楽しみに!感想と評価、ストーリーリクエストと教えて!憲八先生!!の活動報告もよろしくお願いします!!