ISと無気力な救世主 作:憲彦
『教えて!憲八先生!!』
今日の質問はただの通りすがりさんからです。
「モンハンやったことあります?」
3DSシリーズからですけど、現在もプレイしています。今は主にダブルクロスを。まぁ、ランク上げを目的にしていなかったので、ハンターランクは56と低めです。装備は全身牙狼。武器も牙狼剣。そしてレベルは最大にしています。
因みに、性別は女を使っています。装備の数やデザインが優遇されて、しかも男性よりも装備にかかる費用が安いので。……何でここに差を付けちゃったかな~?
いつもと変わらない朝。いつもと変わらないSHRの始まる少し前の時間。この時間は既に全生徒が教室の席について、それぞれ読書をしていたり携帯を弄っていたりと、それなりに自由な時間を過ごしている。
だが、一音の所属する2年4組は少し違った。何故か妙にピリピリしており、殺気が少し充満している。そして机の引き出しの中には、何故かガスブローバックハンドガンやその他各種銃が入っている。一音の机の中も同様だ。
形的にM1911。日本で使われる通称はコルト・ガバメント。1911年にアメリカ軍に正式採用された軍用拳銃。1985年にベレッタ92Fが正式採用されるまでの70年間正式に採用されていた拳銃だ。その後も、特殊部隊や海軍で改良を加えた物と、一部新品パーツに交換した物が使われている。使用年数を加算すると、100年を超える。その一部は配備されてから90年~100年以上使用されているものもある。エアガンでも人気の高いモデルと言えるだろう。装弾数は実銃でマガジンに7発。銃に1発の計8発。
良いセンスだな。まぁここにあるのはガスガン。マガジンには25~26発程度だろう。しかし何故こんな物が入っているんだ?他の生徒もそれぞれ自分の好みの銃を持っている。既に安全装置は外しており、いつでも撃てるように引き金に指をかけた状態で持っている。
そして教室に教師らしき者が入ってくると、全員机から銃を取り出して構えた。……なんか黄色いタコの様な姿だな。
「起立!気を付け!撃て!!」
日直の号令の直後、構えていた銃の引き金を引いて、教師に撃ち始めた。
「おはようございます皆さん。早速ですが、このまま出席を取ります。阿部さん」
「はい!」
「すみません。銃声が大きいので、もっと大きな声で返事をしてください。阿部さん?」
「はい!!」
雨の様に降ってくるBB弾を全て避けながら、全員の出席を取っている。教室を縦横無尽に動き回り、1発も弾が当たらない。当たっているように見えるが、それは残像だ。
「ん~。今日も欠席なし。素晴らしいですね~。ですが、今日も1発も当てることが出来ませんでしたね」
「何で当たらないんだ……」
「先生当たってるのに我慢してるんじゃない?これBB弾だし」
「そう思われるのも仕方無いですが、これは私が作った特殊弾です」
触手を伸ばして銃を1人の生徒から受け取ると、自分の触手に撃った。すると着弾した場所が弾け飛び、触手が床に落ちた。これなら着弾を誤魔化すことは絶対に出来ないな。
「何で当たんないかな~?」
「にゅや~。例えば琢磨くん。貴方の射撃は非常に正確です。ですが、弾道が素直ですから、簡単に着弾点を予想できます。少し遊びを入れてみると良いかもしれませんね。皆さんもそうです。相手の動きを先読みしつつ、適度に遊びを入れて射撃をすれば、命中する確率は確実に上がります。では、1時間目の準備をしてくださいね」
そう言いながら出席簿に記入を済ませると、1時間目は自分の授業では無いため教室から出ていった。
「ISとかライダーズギア使えば当てられるか?」
「無理だろ。忘れたのか?アイツの最高速度はマッハ20だぞ?ISやライダーズギア使った所で勝つのは無理だろうな」
生身では無理と思ったのか、琢磨がそうボヤく。だが、一音の放ったその一言でISとライダーズギアでも可能性が低いと言うことが分かった。それが分かると、今は考えるのを止めて1時間目の準備をした。そこに、さっき出ていったタコが戻ってきた。
「すみません。1時間目に授業変更があったのをスッカリ忘れていました。1時間目は日本史ではなく現文です。皆さん準備をして下さい」
どこか間の抜けている教師だ。そんな大事なこと何故伝えなかった?自分の授業だから良いものの、他の教師の授業だったらアウトだぞ。
因みに、授業中は攻撃禁止だ。授業が遅れるからな。そこをちゃんと気にする辺り、教師としての仕事は問題なくやっているだろう。
授業は滞りなく行われた。教え方が上手すぎる。動きが速いタコであることを除けば、本当に普通の教師だ。恐らく、中学で頭の悪かった生徒でも、点数が40点程アップするだろう。気持ち悪。そしてスムーズに授業が終わる。そしてそのタイミングで、誰かが机と椅子をぶん投げた。
「にゅっ!にゅや~!!?」
「ジェイ!?」
投げ飛ばしたのは筋骨隆々のアメリカから来た黒人青年。名前は長くて面倒なので、皆親しみを込めてMr.ジェイと呼んでいる。これがこの上なくシックリ来ているのだ。その為本人も気に入っている。
「ふん!」
「おわっおわ!?おわっと!!」
その巨体から放たれる攻撃は、人間の場合は当たればただでは済まないだろう。しかも攻撃のスピードも速い。その巨体からは想像できない程にだ。突然来た派手な攻撃に、タコはかなり驚いている。
「はぁ……危なかった……まさか、こんな派手な攻撃をしてくるとは。この様な攻撃は油断している相手にとっては1番の驚異になります。勿論どんな手練れにでもです。ですが、ジェイさん。貴方の戦いは全く自分の身の事を考えていませんね?」
「?」
「貴方の攻撃力やスピード、防御力はこのクラスの誰よりも高い。ですが、貴方はそれを過信しすぎている。私は皆さんに攻撃はしません。ですが、もし生徒でも容赦なく攻撃をしてくる相手には、その戦い方では身を滅ぼすだけです。攻撃を受けると言うことは、それだけでも体力を持っていかれますからね」
その言葉を聞くと、自分の戦い方を振り返り考えてみた。確かに、防御を度外視した戦い方をしている。自覚はしてなかったが、この言葉で自覚したようだ。
「皆さんも、この様に近接格闘をする場合は自分の身もしっかり守りましょう。では……ぬ?ぬゅやぁぁ!!」
教室のすみにいた黒い物を見付けると、悲鳴を上げて一音の後ろに隠れた。
「い、いい一音くん!Gです!Gが出ました!!は、はははは早く始末して下さい!!!」
ゴキブリか。驚くなよそんなに。
「私あれは無理なんです!絶対無理なんでぅぅ!!!」
「……俺のお前への感心を返せぇぇぇ!!!」
「ハッ!?……夢か」
夢かよ。まぁ枕元に某暗殺教室の単行本の1巻が置かれているから、夢に出てきてしまったのだろう。しかしダイレクトに出てくるとはな。
「たく……あんなのが俺達の担任になったら色々と嫌だな……」
まぁ、確かにあのキャラは流石に一緒にいて疲れる。そう言えば、今日は新任の教師が来るとか連絡があった筈だな。いい加減着替えてさっさと行かないとキツいぞ?
「あ、もうこんな時間か……さっさと飯を食うか」
制服に着替えて学食を食べに行く。今日は朝から全校で集まりがあるので、全員早くから食堂に来て食べている。この後に行われた集会は特に何が起きるわけではなく、新しく来た教師の紹介だけで終わった。問題はこの後だ。
「はじめまして皆さん。今日からこのクラスの担任になりました。前の学校ではあだ名で呼ばれていたので、皆さんもそれで呼んでください。昔は殺せんせーと呼ばれていました」
(これ何てデジャブだ?)
「早速ですが、皆さんにこれを渡します。どれでも好きな物を持ってください」
渡されたのは大量のガスガンとBB弾。
(何て言うデジャブなんだ本当に)
しかも受け取ったのはコルト・ガバメント。本当に何て言うデジャブ?新しく来たのがタコと言うこと以外、大体夢で見た内容と変わらない。これからこの教室はどうなるのやら。
と言う作者の夢落ちでした。……と言う落ちでは無いですよ笑
次回もお楽しみに!感想と評価、ストーリーリクエストと憲八先生の活動報告もよろしくお願いします!!