ISと無気力な救世主 作:憲彦
……………………ちょっと遅れているようですね。まだ到着していない様ですが……あ!来ました。
「えぇ、本日はお忙しい中、えぇ、お集まり頂き、ありがとうございます。えぇ、この度の、無気力な救世主の失態に付きまして、あぁ、関係者を代表しまして、主人公の友人の私、坂田銀時が、えぇ謝罪と釈明会見を行いたいと思います。えぇ、まずはあの、完結しなくて、すみませんでした!!」
※フラッシュの点滅にご注意下さい。
では坂田銀時さん。どうぞご着席下さい。これより質疑応答に入ります。ご質問のある方は挙手をお願いします。
「質問よろしいでしょうか?」
「あ、はい。どうぞ」
「あの、まずは今回の事態に至った経緯をお教え下さ―」
「ワァァァァァァァ!!」
「おおぃ!泣くのはえーよ!まだ何も聞いてねーよ!」
※フラッシュの点滅にご注意下さい
「ウワァ!私は!お気に入り登録が400を越えるなんて読者の皆様には、本当にね!感謝の気持ちで一杯でウオワハァァァ!!でもまだ!リクエストや、書ききれてないエピソードがあり、そうかと思ったら!いつの間にかネクサスとのクロスオーバーが始まってたし!作者に至っては!慣れないもの書いたせいでテンション可笑しくなってね!!でもね!皆さんに何が分かるって言うんです!作者の何が分かるって言うんですか!!?」
「何言ってるかよくわかんねーんだけど!?」
「ウェですから!私がこの場で!皆様に伝えたいことは、こんな感じでぉぉぉお!!……今謝ったんで、無気力な救世主、再開しま~す」
「ふざけんな!!」
『Exceed Charge』
「クシャトリアッ!!!」
草加が夢の中でかつての仲間を救っていたとき、木場と一夏の2人も似たような事になっていた。木場が見ていたのは何処かは分からないが、管理の行き届いた公園の様な場所。そこに立っていたのは木場だった。
「ここは……何処かで見たような……」
何処かでと言われても、ここは木場と海堂、長田の3人が中学の時によく来ていた場所だ。まぁ、中学を出てからの長い間来ていなかったのだ。忘れていて当然だろう。そこに、怪我をした女性が走ってきて、木の影に隠れるように膝を付いた。
「結花……って言うことは、海堂と同じでここは夢の中……か」
少し残念に思うが、また過去の親友に会うことが出来て嬉しく思えている。だが、彼女の負っている怪我を見てそんな感情はすぐに無くなった。手当てをするために急いで結花に近付こうとしたが、別の女性が先に結花へと歩いていった。雰囲気的に、助けるようには見えない。
「何を話してるんだ?」
何かを話しているのは確かだが、木場の居る位置からではイマイチ聞き取れない。話の内容が気になっていると。先程現れた女性が灰色の化け物に変身した。頭部を見ると、海老の様になっているため、恐らく海老を模した化け物だろう。手にはサーベルの様な物を持っている。そして、そのサーベルを構えながらジリジリと結花へと近付く。
「っ!……!?変身できない……!?」
「オルフェノクへ変身する力を失った様ね」
結花も変身しようとしたのだろう。顔に一瞬何かの模様が浮き出て体が光ったが、すぐにそれは無くなった。勝てないと悟ったのか、そこから立ち上がった。逃げるつもりなのかもしれないが、手負いの為それは不可能。相手はサーベルを振り上げて、下ろそうとした。
「危ない!!」
降り下ろされた直後、木場は走り出して攻撃から結花を守った。
「木場さん?」
「木場勇治……!何故ここに!?まぁ良い。裏切り者のオルフェノクを、ここで始末する!!」
「結花……ここから早く逃げろ」
「え?でも……」
「早くするんだ!俺は、もう君が目の前で死ぬのを見たくない」
それを聞くと、怪我を庇いながらその場から逃げていった。
「っ!待ちなさい!」
「行かせるわけ無いだろ。俺はもう、仲間を失いたくない。守りきって見せる!」
「そう。なら、守ってみせなさい。守れるならね。早くオルフェノクに変身したら?」
夢の中で、自分の知らない化け物『オルフェノク』。ここが自分の知る世界でないことは容易に想像が出来る。彼女の知る木場勇治はオルフェノクなのだろう。しかし今目の前に居る木場勇治はオルフェノクではない。
「悪いけど、俺はオルフェノクじゃない」
「ッ!?そのベルトは一体!?」
『000 ENTER』
『Standingby』
「変身!」
『Complete』
「その姿は何!?」
この世界の木場勇治はオルフェノクなのかもしれない、しかし、ここにいる木場勇治は仮面ライダーだ。
『Reaey』
ミッションメモリーをオーガストランザーに差し込んで大剣モードにした。
「ハァ!!」
「くっ!セィ!」
木場の攻撃をオルフェノクは受け止めるが、サーベルの様な細身の剣では、オーガの攻撃を完全に受け止めることが出来ない。だが、彼女も負けじとサーベルを振り、もう片方の腕で打撃を加える。だが、
「ッ!?嘘……なんてパワー……」
「ハァア!!!」
「ウワァア!!」
オーガストランザーに斬撃を止められ、鉄塊をも容易に砕く拳を受け止められ、更には投げ飛ばされた。その底知れぬ強さには恐怖を覚えてしまう。
「俺の親友は!殺させない!」
『ENTER』
『Exceed Charge』
「ハァァァァ!!!ハァア!!」
「ウアアアアアアア!!……グッ!……」
オーガストラッシュを受けて倒れてしまうが、サーベルを使い、自分へのダメージを最小限にしたようだ。まだ意識はあるし立ち上がる事も出来る。だが、それでも受けたダメージは相当の物。それでも立てると言うことは、彼女がそれほどの力を持っていると言う証拠だろう。戦うことが出来なくなった為、人間の姿に戻って逃げていった。
「二度も見ずに済んで良かった……」
変身を解くと、草加の時と同様に、その場所から消えていった。
木場がかつての仲間を助けていたとき、一夏も夢の中で妙な場所に来ていた。何処かの闘技場の様な場所。周りは相当な熱気に包まれており、まともと言える状況ではなかった。そして、ここに居る者が見ている先。そこには目を疑うような光景が広がってた。オーガとファイズが戦っていたのだ。
「「「「オーガ!オーガ!オーガ!オーガ!」」」」
「何で……何で木場さんが……」
「ようやく分かったよ。俺が生きていく方法は1つしか無い。俺はオルフェノクとして生きていく!!」
木場のこの言葉に、観客は歓声を上げて熱気が更に高まった。そして闘技場では、アサルトライフルを持った男が数名、女の人を追いかけている。ファイズがそっちに気を取られるが、視線をオーガに戻すと自分のすぐ近くに立っていた。
「ウワァ!」
胸の装甲に拳がめり込む程の威力。その拳を受けて客席まで飛ばされた。オーガもそれを追って客席へ乗り込み、ファイズと戦い続けている。
「木場!おい!グワァ!!」
呼び掛けるが、意味がなく攻撃を受けるだけだった。そして再び闘技場の中心に殴り飛ばすと、ファイズはダメージの限界が来たのか変身が解除された。ファイズに変身していた人には一夏も見覚えがある。草加の部屋に飾ってあった写真の乾巧だ。倒れている巧にオーガストランザーを振り上げた。
「トドメだ!」
仕留めようとした。だが、巧の顔に模様が浮かび上がり、立ち上がると狼の様なオルフェノクへと姿を変えた。
「なに!?」
木場は驚いているが、驚いているのは木場だけではなく、周りに居る観客もそうだ。さっきまでうるさいほどに聞こえていたオーガーコールも鳴り止んだ。するとスピードで翻弄しながらオーガと戦った。巧の重たい一撃をベルトに受け、オーガの変身が解除される。すると、木場もケンタウルスの様なオルフェノクへと姿を変え、巧と戦い始めた。
「木場!お前本気か!?本当に理想を捨てたのか!?」
「そうだ!その証拠に、俺はお前を倒す!例えお前がオルフェノクであっても!」
「良いぜ。お前のやりたかったことは俺がやる!俺がお前の理想を継ぐ!」
全力で走り、お互いの距離を詰めると、2人のオルフェノクとしての姿、人間としての姿、そして、仮面ライダーとしての姿が現れ、2人がぶつかると、仮面ライダーの姿になっていた。
しかし、ファイズとオーガのスペックの差は明らか。巧が一方的にやられるだけだった。殴り飛ばされると、仰向けになって動かなくなってしまった。
「なぁ真里……真里!!」
この声に、うるさかった歓声が鳴り止んだ。
「なんだっけか~。救世主は何をするんだ?闇を切り裂き?」
「……光を……もたらす……」
「聞こえねーよ!」
酷く弱々しい声だった為か、それに渇を入れるように大声で聞こえないと言った。
「闇を切り裂き!光をもたらすのよ!!」
「きっついな~。お前の期待に応えるのは」
「出来るよ!巧なら出来る!だって、巧は巧だから」
その言葉を聞き、フと笑うと立ち上がって、転がっているファイズブラスターにコードを入力した。
『555 ENTER』
『Standingby』
『Awakening』
赤い姿、ブラスターフォームに姿を変えた。ブラスターフォームになり、オーガとのスペック差が無くなり、先程までは攻撃することが出来なかったが、1発1発確実に打ち込む事が出来る様になっていた。
「ハァア!!!」
「グワァァァ!!」
『5532 ENTER』
『Exceed Charge』
脚にファイズポインターをつけて、必殺技のコードを入力、木場もオーガストランザーにメモリーを差し込んでエンターキーを押した。
「はぁ!」
「デリァア!!」
2つの技がぶつかり合うと、フォトンブラッドの波が渦巻き、建物を破壊した。それだけではなく、真里を襲っていた巨大なオルフェノクも吹っ飛ばした。そして徐々にオーガストラッシュのフォトンブラッドで出来た刃が壊れ始め、巧の攻撃が決まった。戦いが終わり、巧が真里に目を向けると、さっき吹っ飛ばした巨大なオルフェノクが、再び真里を襲おうとしていた。
「真里!!」
巧はそれに気付くとすぐに攻撃の準備に、そして、木場も立ち上りオーガストラッシュで真里を助けに入った。
「不味い。変身!」
『Complete』
「木場ァァァァ!!!!」
「は!?」
『Exceed Charge』
オルフェノクに赤い円錐形のポインター。ファイズのだ。クリムゾンスマッシュが入ると、オルフェノクは体勢を崩して倒れた。
「ファイズ……」
「え?何で……巧はあそこに居るのに……」
「何やってんだ俺は……今戦っても、ここで戦っても、この世界には何にもならないってのに……分かってんだよ……ここが実在する世界なら、俺が戦ったってどうにもならないことぐらい……」
ファイズに変身して、木場たちを助けた一夏だが、酷く落胆した様子だった。分かってしまったのだろう。ここで自分がどんなに戦おうと、この世界の未来に影響しないことが。理由は分からないが、直感でそう感じたのかもしれない。
「何を……言ってるんだ?」
「さぁな……自分でも分からねーよ。ただ、お前らが殺し合ってんのを見ると、酷くムシャクシャして、お前らが死にそうになってんのを見ると、酷く悲しくなる。この世界は俺とは関係無い。でも、お前らを助けたくて仕方無い……木場、早くその子を連れて離れろ。もう戦えないだろ」
「何を言って―」
「早くしろ!!」
一夏の様子から、そうするしか無いと判断したのだろう。木場は真里を連れて離れていった。
「ファイズ。ここしか手を貸すことは出来ないが、協力してやる。このデカ物を倒すぞ」
「あぁ」
『『5532 ENTER』』
『『Exceed Charge』』
2人のブラスタークリムゾンスマッシュが叩き込まれ、抗えるはずも無く、巨大なオルフェノクは灰へとなった。変身を解除すると巧は真里を、一夏は木場を支えながら闘技場を出ようとした。だが、見ていた観客、恐らく全員オルフェノクだろう。そいつらが道を塞いだのだ。だが、2人のファイズにはそんなこと関係無い。
「「どけ」」
「そこは」
「そこからは」
「「俺たちの歩く道だ」」
その言葉を聞くと、道を開け渡し、4人はその道を歩いていった。
「なぁ、お前は何者なんだ?」
「俺?知るか。じゃぁな」
「ん?……消えた」
巧が一夏に目を向けたが、そこには既に一夏は居なかった。代わりに横になって眠っている木場が置かれているだけだった。
「あぁ~……よく寝た。だが疲れた。もう二度とこの家では寝たくないな……」
朝目が覚めて早々の悪態。借りといて酷い言いようだ。だが、仕方無いとも言えるだろう。取り敢えず服を着替えて、台所に向かって残った食材で朝食を作ることにした。
前書きから何処かで見たような物をぶち込んでみました。とあるアニメの有名な謝罪会見です。
次回もお楽しみに!感想と評価、『教えて!憲八先生!!』の活動報告、『インフィニット・ネクサス』もよろしくお願いします!!
……今日、久し振りにテレビを見ていたら『科捜研の女』と言うドラマで木場さん(実名は伏せます)が出てて、「え!?」と思ったけど、これ再放送だって気付いてテンション下がりました……。ドラマは普通に面白かったけど……