ISと無気力な救世主 作:憲彦
なので、五反田一家については全く分からないので、ストーリー化は難しいので見送ります。はい。そして、スマートブレインの総説経緯は新エネルギーの開発を行うため、主要キャラの過去編は前日の木場編と草加編が全てです。
たくさんのリクエストを頂きましたが、文章化の難しいものや、書けないものについては前書きを利用して、あらかじめお伝えします。ですが、なるべくリクエストは実行するので、今後もよろしくお願いします。
提供 orotidaさんより
素直になりましょう。夫婦でも
今日はスマートブレインの大掃除の日。年に1回行われるこの行事は、とある社員が自分を拾ってくれた村上への恩返しと言うことで、村上には内緒で企画したものだ。それが本社の部署全てに伝わり、今では社員全員を挙げての一大イベントとなったのだ。
因みに、これが会社全体に広がった次の年からは、村上も参加するようになった。その為、今日は業務すべてを停止して掃除の作業に打ち込んでいる。普段は清掃員でも掃除をしないような場所もピカピカにしている。
そして、当然そこには社員である木場と草加、スマートブレインの協力者的な立場にある一夏の3人と、その3人の付き添いとしてやって来た、本音、千冬、真耶の姿もある。
「さてと、俺達は今年どこを掃除すれば良いんだ?」
「そうですね……では今年はこの部屋を頼みます。ただ、長い間使っていなかったので、本来の用途が忘れ去られていますので、ご注意ください」
ご注意って……たかが部屋だろ。何を注意しろと言うのだ。聞いていた6人もそんな感じの反応だ。中に大量の変な道具があるのなら話は別だが、長い間使っていなかっただけの部屋だ。注意する事なんて何もない。
そんなわけで、それぞれ道具を持ってその部屋へと向かった。中に入ると、縦に30メートル、横に25メートル程の普通に運動が出来そうな部屋だった。
「ったく……地下だからってスペース使いすぎだろ。道理で地下2階は使われてない訳だ……」
そう。ここは地下2階。しかし、妙なことにそこは他の階と違って何もないのだ。文字通りに。あるのは、空の段ボールぐらいだろう。そもそも地下はライダーズギアの実験にしか使わないため、ほとんど誰も来ないので疑問に思われないが、改めて見ると結構異常な空間だ。
「な~に?この部屋~」
「本音、深く考えると疲れるぞ」
本音がこの部屋の存在について考えようとするが、千冬がそれを止めた。どうやら千冬は考えるのは諦めたようだ。確かに考えたくないのは分かるが、放棄するなよ。
「もうこの際、この部屋の事は良いから掃除始めよう」
「そうですね。結構広いですし、早く終わらせましょう!」
何故かは分からないが、真耶はやる気満々だ。しかし、ここは天井も高い。広さだけで言えば、スマートブレイン内で言えば1番の広さ。普通に掃除するだけでもかなりの労力を使う。
労力を使うと言っても、ここにはほとんど荷物になるものがない。強いて言えば、医務室にあった今は使われなくなった古いベッドと安物の机、トイレと水場、何故かあった台所と冷蔵庫。そして、ハンガーが数本しか入っていないクローゼットだ。こんなだだっ広い所にそれだけあるのも不自然極まりない……
「ベッドには新しいシーツを敷いて、机は埃を取れば良いか」
「床は箒とモップでゴミを取った後に水拭きだな」
しかし、物が少ないと言うのはありがたい。掃除がしやすいからだ。面白味も少ないが、必要最低限な物だけでも生きていける。それに生活もしやすい。こんなにも掃除のしやすい環境に当たった一夏達は、幸運と言えるだろう。
「しかし広いですね~。こんなに広いと、色々レイアウトしたくなりますね!」
「確かにそうだな……この辺には本棚が欲しいな」
「ここにはテレビかな~。あっ!あそこにはエアコンも欲しいですね!」
こうやって、スペースと言うものは埋まって行くのだろう……人間の欲と言うのは恐ろしい。
(山田先生、ここには住む気なのか?)
(ま~やんここには住むのかな~?)
(木場……ローン組んででも家を買ってやれ……後で千冬の欲しいもの聞くか……)
(不動産行ってこよう……)
何故かこの部屋を快適空間に変えようとしている真耶と千冬。こんな状況を見ると、木場は一刻も早く決断をするべきだろう。そして草加、本棚くらい作ってやれ。
そんな感じで、作業を続けてようやく終わりそうになった。真耶と千冬は風呂場を付けるところまで考えたそうだ。そろそろ本格的に木場は色々と決めなくてはならないだろう……。後は道具を片付けるだけだが、木場が何やら部屋のすみにある赤いボタンに気付いた。
「何だこれ?」
ポチッ!
ガチャン!
「え?」
「ん?」
ボタンを押した瞬間、ドアの鍵が閉まるような音がして、何事かと思った一夏がドアに近付いてノブをひねって見た。
「…………」
「い、一夏……?」
「……閉じ込められた……」
全員、言葉を失った。こんなだだっ広い所に閉じ込められたのだ。失うのは当然な気もする。すると、入り口の上辺りに電工掲示板が現れた。そこには大きく文字が出ている。
「何々?「恋人に思いの丈を素直に伝えないと出られない部屋」……は?」
当然な「は?」と言う反応をする。まぁ確かに突然部屋に閉じ込められた上に、恋人に思いの丈を素直に伝えないと出られない部屋と言われれば、言葉を失うだけではなく気力も失う。
「状況から見て、やらないと出られそうに無いな。木場、お前からやれ」
「なんで!?」
「お前がそもそもの原因だろ。四の五の言わずに始めろ」
渋々ではあるこの流れ。しかし、確かに木場は最近どう言う訳かは分からないが、真耶と自然とくっついた感がある。お互いに楽しく過ごしてはいるが、素直に真耶への思いを伝えたことが無いのかもしれない。
「行きますよ?真耶さん!」
「は、はい!いつでも来てください!」
なにが?と言いたくなる様なやり取りだ。もしかしたら、この2人は無意識の内に今のような関係になったのか?木場の事だからあり得なくはない。
「お、俺は今まで伝えて来ませんでしたが、あ、貴女の事がす、すすす、好きです!///いつも一緒に居て、安心することが出来て、俺の彼女になってくれたことに感謝しています!こ、これからも俺に一緒に居させてください!!///」
「は、はい!わ、私も木場さんの事が大好きです!!ふ、不束者ですが!これからも一緒に居てください!!///」
「「ポンッ///」」
お互いに顔を真っ赤にして倒れた。なんと表現して良いのか、リンゴ?トマト?茹でダコ?みたいに顔が真っ赤だ。なんと言うか、見ているこっちが恥ずかしくなってくる光景だった。
「じゃあ、次は草加と姉貴だな」
「よし!千冬!」
「はい!」
「改めて言うのも照れるが、俺には君しか居ない!君のためなら何だってすることが出来る!!結婚して、お互いに幸せだと俺は思っているが、これからはこれまで以上に君の事を幸せにしたい!!だから、これからも一緒に居てくれ!」
「わ、私も今以上の幸せを2人で掴めるように頑張ります!///な、なのでこれからもよろしくお願いします!!///」
この2人は慣れてるのか、お互いどストレートに思いをぶつけた。千冬はまだ照れくさいのか、顔を赤く染めている。草加はやりきったと言う顔だが、やはり少し恥ずかしいようで、顔を染めている。
「さ、最後は一夏だぞ!早く俺達の様に素直に言ってみろ!!」
「何でキレ気味なんだよ……本音。こっち来て」
「ん?なに?ンッ!?」
本音を近くに呼ぶと、抱き寄せてキスをした。よく人前で出来たものだ。この一夏の突然の行動に、顔を真っ赤にしたが、最愛の人からのキスと言うことで、恥ずかしながらではあるが拒む様子は無い。
「……これが俺の気持ちで、思っていること全てだ。受け入れてくれるか?」
「は、はい///(プシュー」
ガチャ!
電工掲示板に『GAME CLEAR』の文字が出ると、ドアにかかっていた鍵も解錠されて、開けることが出来た。
「さっさと上に行くぞ」
本音を抱え上げて(お姫様抱っこ)部屋から出ていった。そして草加は木場を抱えて、千冬は真耶を抱えて部屋を後にした。
「なんか負けたな……」
これで良いのか?と思う気もするが、電工掲示板には思いの丈を素直に伝えろとしか書かれていない。つまり、別に言葉で伝える必要は無いのだ。ならば行動で示せば良いと、一夏は文字を見た瞬間に気付いてあのようにしたのだ。言葉では伝えきれないと言うことだろう。
その頃社長室では、村上がベルトを作っている支部に電話をかけて、何やら話をしていた。
「えぇ。では、木場さんと山田さんの結婚式までに量産型ギアを100本程お願いします。今後のスマートブレイン関係者の招待もありますので、少し多めにお願いします。……今回は余興に使うだけなので、変身機能だけで大丈夫です。……はい。ではお願いします。あぁ、それと、彼女にも招待状を出すので、当日はサイガギアを持って出席するように伝えて下さい。では」
何やら、木場の結婚式で何かをやるようだ。草加のときの様な、大砲を打ち上げるような物はやめて欲しいが、ベルトを大量に使うようなので、それはない。一体何を企画しているのやら……
最初は訳も分からず変な部屋に閉じ込められた感じにしようかと思ったのですが、「文字が足りん!!」と言うことになり、急遽こうしました。
次回もお楽しみに!感想、評価、活動報告、質問もよろしくお願いします!!
「おのれディケイドぉぉぉ!!」
と言うリクエストはどう書けと……本編の士を使うべきな?