ISと無気力な救世主   作:憲彦

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今回の草加が何故あの様な性格になっているのか、そのストーリーは作るつもりが無いので、ここで理由をざっくりとお話します。

この様な草加になった理由、それは、彼に教育をしてきた親と教師の教育の賜物です。

幼い頃から様々な事に才能を発揮してきた草加。しかし、周りと比べてコミュニケーション能力が低かった。別に様々な事をこなせるし、最低限のコミュニケーション能力はあったので、本人も気にしていなかったのですが、親も教師もそれを良しとせず、無理矢理教育を、それこそ警察沙汰ギリギリの教育を施し、草加は人とは距離を置き、誰からも気に入られる人間を作り上げられるようになった。と考えています。親は草加が社会人になったら一切の収入を草加に任せる為、要するにダラケてご近所の票を得るために、教師は自分の票を上げるため。結局は大人の為に利用された。

的な感じに考えています。まぁ、白騎士事件で全て無に還るんですけどね。

因みに、本来の草加を知っている友人は沢山居ますよ。ファイズ本編の流星塾の人達や、啓太郎、巧、海堂、長田さん等が本当の草加を知っていますが、この小説の本編を読んだ方は分かるように、白騎士事件で亡くなっています。


草加雅人の戦い

天気は雨。風が吹き、海は少し荒れている。そんな海の近くの港には、様々な色のコンテナが大量に運ばれていた。

 

作業の全てを見張らせる場所で、作業を眺めながら話をする男たちがいた。

 

「順調に運び込まれていますね。」

 

「はい……。黒崎さん、その……スマートブレインの事は?」

 

「問題ありません。珍しくスマートブレインの重要な人物と関わっている女性に縁談を申し込む事が出来ました。上手く行けば情報が入ります。もしもの時は、その女性を人質にすれば良い。かなり親しい仲の様でしたからね。」

 

この男は、端から千冬の事を道具としか見ていないようだ。草加の勘は当たったようだ。

 

その時、

 

「た!大変です!!す、スマートブレインからの襲撃です!!」

 

「何ですって!!?数は!?」

 

「ひ、1人です!」

 

「!?」

 

襲撃と言われれば、大人数で攻めてくるのが普通だ。だが、今回の襲撃は1人。当然驚くし、何かあると思い焦りも大きくなる。

 

「は、早く逃げて―」

 

逃げると言いたかったのかもしれないが、言いきる前に灰になってしまった。

 

「黒崎だな。兵器の密入・密造、テロの準備……。ここで潰させて貰う。」

 

カイザフォンのフォトンブラスターで黒崎に狙いを付けている草加が居た。

 

「……1人で襲撃とは、誰かと思いましたが、貴方でしたか。草加さん。千冬さんから話は聞いてますよ。しかし、1人で乗り込むとは……随分と命知らずですね。」

 

「……」

 

囲まれていた。当然だ。こんなに堂々と襲撃をかけたのだ。しかも隠れて行動している訳ではない。今、草加の周りには銃を構えた人が10人ほどいる。

 

『913』

 

『ENTER』

 

「変身!」

 

『Complete』

 

いつまでもそこに居たら蜂の巣は確定。その為、そこから飛び降りながら空中でカイザに変身した。

 

そして、ただ落ちている訳じゃない。カイザブレイガンのガンモードを使って周りを破壊しながらだ。破壊したコンテナの中には火薬や科学兵器の入っている物もあり、それらに命中すると大爆発を起こした。

 

「早くヤツを仕留めなさい!大事な商品が無くなってしまいます!!」

 

話している内容から、自分達だけではなく、他の連中にも売り捌くようだ。下手したら日本以外にも被害が行きそうだ。

 

『Readey』

 

「デリャア!!」

 

着地すると、カイザブレイガンにミッションメモリーを装填し、ブレードモードで敵を灰へと変えていく。敵の人数は多いが、このままのペースで行けば数時間後には片付くだろう。とそう思っていた。だが、

 

「グッ!?IS……!」

 

突然ラファールのグレネードによる爆撃を受けた。そして、動きを止めたカイザに、今度は後ろから打鉄が斬り付けてきた。

 

「ッ!?ハァァ!!」

 

倒れそうになったが、無理矢理体勢を保ち、打鉄の操縦者を灰にし、ラファールには射撃で攻撃した。しかし、今度は大量の爆弾を投げ込まれ、草加を中心として5メートル程周りが吹っ飛んだ。

 

「グワァァ!!」

 

爆発によって、ベルトからカイザフォンが外れてしまった。しかし、そこで止まってしまってはここに来た意味がない。変身は解除されたが、爆煙の中からカイザブレイガンのブレードモードを構えた草加が飛び出してきた。

 

「ウオォォ!!」

 

銃弾の雨を避けながら、相手一人ひとりを確実に倒していく。が、

 

ダン!

 

「ガァ!チッ!」

 

脚を撃ち抜かれ、倒れてしまった。だが、それでも立ち上り、脚を引きずりながら目の前の敵を斬り伏せている。しかし、今まともに動かせるのは片足だけ。変身していない生身の状態では、動きが大振りになり隙も生まれてくる。更に銃弾2発を受け、座り込んでしまった。

 

「残念ですよ。草加さん」

 

コンテナの上から高みの見物をしていた黒崎が、座り込んでいる草加に話しかけてきた。

 

「千冬は大切な友人を亡くす事になるのですから。出来れば、貴方達とは仲良くやっていきたかったのですよ。スマートブレインの情報があれば、楽に商売が出来ますからね。その為に貴方と仲の良い者に近付き、縁談まで儲けたと言うのに、こんな事になるとは……。非情に残念な話ですよ。」

 

「端から俺達の情報を掴むために、あの人を利用するつもりだったのかよ」

 

「愛していましたよ。商人は商品を愛でるものです。ただし……道具としてですけどね。本来なら誰も近寄らない様な人に、人並みの幸せを与えようとしたのです。感謝してほしいくらいですよ!」

 

「はぁ、外道とは言わないさ。俺もそうだからな。仕事しか出来なくて、幸せにすることなんか出来ないと思って、分厚い壁を作ってきた。距離を置くために酷いことも沢山言ってきた。挙げ句、やっと人並みの幸せ掴めるって時に、その旦那を殺そうとしてるんだ。酷い話だろ。」

 

「同じ穴の狢と言う所ですか?貴方とは気が合いそうだ。」

 

「そんな大層なもんじゃないさ。」

 

カイザブレイガンを支えにして、再び立ち上がろうとした。自分の思いを言いながら。

 

「ここに来るまでに、あの姉弟に色々と言われてな。自分の感情や欲には鍵をかけたつもりだったが、あの2人のせいで吹っ飛んだよ。お陰で欲が出てきた。」

 

『913』

 

『ENTER』

 

『Standingby』

 

「俺は、惚れた人には幸せになって欲しい。こんなところで、血塗れになって戦ってる俺には無理な話だが、普通でも、小さくても良い。誰かと結婚して、普通に子供産んで幸せになって欲しい。ただ、それだけだ。変身!!」

 

『Complete』

 

「ウワァァァ!!」

 

カイザに変身した草加は、再び走りだした。銃弾の雨をもろともせず、走りだし、敵を倒す。そこに、

 

『Battle Mode』

 

バトルモードのサイドバッシャーが出てきた。

 

「ハッ!食らえ!!」

 

バッシャーに飛び乗ると、ミサイルと光子バルカンで周りの物を全て破壊した。

 

「逃げますよ!」

 

バッシャーを見ると、黒崎は部下を3人連れて逃げた。

 

コンテナを破壊すると、バッシャーから降りて残っている敵を倒しに向かう。

 

『ENTER』

 

『Exceed Charge』

 

カイザブレイガン・ブレードモードの銃口から、黄色のエネルギーネットで自分に向かってくる敵を拘束して、斬り裂いた。

 

次はISに乗った連中が向かってきた。数は3。カイザブレイガンからミッションメモリーを抜いて、カイザショットにはめた。

 

『ENTER』

 

『Exceed Charge』

 

「デリァア!」

 

先頭にいるISに、グランインパクトがヒットすると、そのまま後ろのISも巻き込んで何処かへと飛んでいった。

 

「アイツ……逃がすか!」

 

『Vehicle Mode』

 

バトルモードからビークルモードに戻し、側車部分を外して逃げた黒崎を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く。ここを失うはめになるとは……。まぁ良いでしょう。他にも場所はある。」

 

車で逃げている黒崎は、破壊された港の事は悔しがっていたが、他にも場所があるようで余裕そうだった。しかし、

 

「ッ!?黒崎さん!!」

 

「どうしました?」

 

運転していた男が、進行方向を指差した。そこには、バイクと一緒に草加が立っていた。

 

「な!?」

 

「潰すと言った筈だ」

 

カイザポインターにメモリーを差し込み、右脚のホルスターニセットした。

 

『ENTER』

 

『Exceed Charge』

 

ポインターからは黄色い二重の四角錐状の光が放たれ、車ごと拘束した。

 

「終わりだ。デリャアア!!」

 

中に乗っていた黒崎やその部下も、ゴンドスマッシュによる爆発に巻き込まれ、車と一緒に燃え尽きた。

 

草加は変身を解除するが、体へのダメージが大きく、解除と同時に気を失ってしまった。次に目覚めたのはスマートブレインの病院だった。

 

「起きたか。村上怒ってたぞ。無茶なことしてって。」

 

「一夏くんか。」

 

「そのくん付けの気持ち悪いキャラ止めろ。どっかの姉弟のお陰で、鍵が吹っ飛んだんじゃないのか?」

 

「何でそれを?」

 

誰も聞いていないはずの言葉。強いて言えば黒崎達と自分だけだ。しかし黒崎達は死に、自分は誰にも話していない。なのに一夏は知っていたのだ。

 

「ベルト。村上が使用者の状況を知るために色々と仕込んでたんだと。他にも、」

 

『俺は、惚れた人には幸せになって欲しい。こんなところで、血塗れになって戦ってる俺には無理な話だが、普通でも、小さくても良い。誰かと結婚して、普通に子供産んで幸せになって欲しい。ただ、それだけだ。変身!!』

 

「とかな」

 

「な!今すぐそれを消せ!!」

 

「使えるものを消すかよ。じゃあ俺は退散させて貰う。後は2人で話せ。」

 

デカイあくびをしながら、病室の扉を開けると、外に居た千冬を中へと引っ張り、自分は病室から出ていった。

 

「織斑さん!?」

 

「草加さん……。その、さっきの言葉は……」

 

「…………」

 

今の草加の頭の中では、病室の外で一夏が腹を抱えて笑っている状況が浮かんでいる。

 

(は、ハメられたぁぁぁ!!)

 

「その……惚れた人と言うのは…………。」

 

「……はぁ、言葉の通りだよ。俺は、君に、心底惚れてるよ。」

 

こんな事があったから、2人は交際を始める事になったのだが、後に一夏が頭を抱える事になる。本人達はまだ知らなかったが……




カイザブレイガンは生身でも使える様にしています。

書いてる途中に意識ブラックアウトとは……。夏休みだからってダラケルとヤバイですね。

次回もお楽しみに!感想、評価もよろしくお願いします!!

まだ続きますよ。もう1つの方は……もう少し開きます。

そして、何かすいませんでした。

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