ISと無気力な救世主 作:憲彦
ただし、3話4話で終ります。時間系列とか気にしないで下さいね。きりが無いので。
草加と千冬の結婚。その前に
「ん~……どうするか……。この花にするべきか……それともこっちか……」
現在、一夏の店のカウンター席。そこには、大量の資料を広げて陣取っている草加が居た。
「これ!いやこっちも……!いやでも!!」
「いい加減にしろ!!人の店で何時間悩んでるつもりだ!!」
「グバァ!!」
訳の分からんエンドレスに陥って悩んでいる草加に、いい加減痺れを切らした一夏が、草加の顔面に1発決めた。
「おいコラ草加。朝7時に開店して今午後2時。何が言いたいか分かるか?」
「あ、イヤ。済まん。弟の店でこんなに悩んでしまって……」
「そこじゃねーよ。お前を気味悪がって客が減ってんだよ。営業妨害もいい加減にしろよ。」
開店してから7時間。この間、草加はコーヒーを飲みながらずっと悩んでいたのだ。
何に悩んでいるのか、それは
「仕方無いだろ……。ブーケの種類と花が決まらないんだ!!」
「んなもん即決しろ!!」
「一生に一度の晴れ舞台なんだぞ!即決出来る訳が無いだろ!!」
草加の言う事も確かだ。大体の人は一生に一度だけ。細かいものでも自分で決めたいと思うのは当然だ。しかし、店を営む一夏にとって、これ以上の営業妨害は死活問題。もう帰って貰うしか無い。
「はぁ……。ブーケと使う花は俺が決めてやる。もう帰れ。」
「ッ!ほ、本当か!?それはありがたい!!一夏のセンスなら信用できる!!」
『御食事処 織斑、本日臨時休業。』
「で?営業妨害されたくないから引き受けたけど、結局営業妨害されてると……」
「まさかこんな事になるとはな……」
自分の事ではないとは言え、身内の話。しかも血の繋がった姉と、認めたくは無いが、いつも世話になっている草加の結婚式。適当に選ぶわけには行かない。悩みまくった結果、臨時休業である。木場も呆れ気味である。
「そう言えば、草加くんは何を選んでたんだ?」
「キャスケード。青バラとアブローズの」
どちらの花も、最近遺伝子組み換えで完成した青いバラだ。しかも、よりにもよってキャスケードだ。大量の花を使う。1本5000円以上する花を大量に使うのは気が引ける。
「資金いくらあれば足りるのかな?それ。」
「草加に言ったら、「通帳の中には子供が3人出来て、大学や専門学校に入れるし、デカイ家を買っても老後を充実して過ごせる金はある」って言われた。流石にイラッと来たからぶん殴った。」
「まぁ、昔は物欲どこに行った?っ言うくらいの仕事人間だったからね。今思えば、千冬さんと交際してから自分のお金を使うようになったからね。」
しかし、ここまでやっといてだが、木場は1つ気になることを一夏に尋ねた。
「そう言えば、一夏。草加くんと千冬さんって、何で付き合い始めたんだい?接点殆ど無いと思うんだけど……。」
言われてみれば確かにそうだ。一夏が1つのポイントになっているのは間違いない。だが、それだけで千冬は草加と交際を始めただろうか?
少なくとも、シチュエーションや一夏が懐いてると言う理由では絶対に始めないだろう。
「草加と姉貴は最初からお互いを意識してた。だけど、草加は何かに遠慮して、姉貴は何も言わない草加を見限って、良い縁談の話があったからそっちに行った。」
「そこから何で今の関係に?」
「そこは問題じゃない。その後だ。ある事件が切っ掛けで、お互いの思いが通じて今の関係になった」
表には出ていないが、スマートブレインのやった最大の功績。それによって草加と千冬は今の関係になったと一夏は言う。
その話は、一夏がスマートブレイン系列の児童施設に通っていた頃までに遡る。
今回はここまでです。次回から本格的にストーリーがスタートします。草加と千冬が現在の関係に至るまでの理由と、結婚式の内容をお伝えします。
次回もお楽しみに!感想、評価もよろしくお願いします!!
大して面白くないかもだけど、今書いてる方もお願いします!