ISと無気力な救世主   作:憲彦

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最近海行ってないな~。かれこれ7年ぐらい。

※短いです。


一夏は意外にも海が好きです

現在、週が開けての月曜日。1年生達は大型のバスに揺られながら海を目指している。今日から2泊3日の臨海学校だからだ。

 

バスの中では、暇を潰すために音楽を聴いたり、複数でトランプをやったり、チェスをしたり、将棋をしたり、モンストしたり、ジグソーパズルをしたりと盛り上がっていた。……うん。バスの中でやる遊びでは無いな。

 

だが1番多いのはやはり、海で何をやるかの話である。高校生でも「海」と言う単語は、テンションが上がるようだ。そんな中、一夏と本音はと言うと、

 

「グー……zzz」

 

「スースーzzz」

 

爆睡してた。本音は一夏の肩に頭を乗せて、一夏は乗せられた本音の頭に自分の頭を寄り掛からせて寝ていた。

 

その光景に、鬱陶しい嫉妬の念を飛ばしてくるヤツと、微笑ましそうに眺める者がいた。千冬は相変わらず写真を撮っている。しかも高そうな一眼レフで。アルバムにでも入れるのだろうか?態々自分の席と一夏達の席を近くにしたのは、このためのようだ。

 

しばらくすると、景色が変り海が見えるようになると、誰かが「海だ!」と口にし、他の生徒も一斉に窓の外に目を向けた。多少バスの中が騒がしくなったが、一夏と本音は起きることなくスヤスヤと寝ている。

 

数分後、バスが目的地に到着した。だが一夏達が起きる気配がないので、千冬が起こしてくれた。

 

「ここが今日から3日間お世話になる花月荘だ。全員、従業員の仕事を増やさないように注意しろ。」

 

「「「よろしくお願いしまーす」」」

 

千冬の言葉の後に、全員で挨拶をした。この旅館には毎年お世話になっているようだ。

 

「はい。こちらこそ。今年の1年生の元気があってよろしいですね。」

 

歳は30代くらいだろう。しっかりとした大人の雰囲気を漂わせている。仕事柄、笑顔がたえないからなのか、その容姿は女将と言うには逆に若々しく見えた。

 

「あら、こちらが噂の?」

 

「織斑一夏です。よろしくお願いします。」

 

目があったので、取り敢えず挨拶をしておいた。

 

「ええ、まぁ。今年は1人男子が居るせいで浴場分けが難しくなってしまい、申し訳ありません。」

 

「いえいえ、そんな。それに、良い男の子じゃあありませんか。しっかりしてそうな感じを受けますよ。」

 

「そうですか。」

 

そのあとは、全員指定された部屋へと向い、夕食までの自由行動を言われた。

 

「ねー、おりむ~。おりむーの部屋ってどこ?後で遊びに行きたいんだけど。」

 

「いや。俺も知らん。別に野宿でも構わんがな。」

 

流石に寒いと思うぞ。海辺だし。

 

「織斑。お前の部屋はこっちだ。」

 

千冬から呼ばれた。待たせるわけにも行かないので、本音に「またな」と伝え、千冬の元へ向かった。

 

「ここがお前の部屋だ。少し狭いだろうが我慢しろ。」

 

千冬に連れてこられた部屋には「教員部屋」と書かれたプラカードがぶら下がっていた。

 

まぁ、実際色々な面から考えても、ここ以上に適している部屋は無いだろう。

 

「着替えたらとっとと海へ行け。」

 

「ああ。」

 

千冬に言われた通り、とっとと着替えると海に向かっていったが、途中で変な物を見つけた。岩に突き刺さったウサギの耳だ。

 

「……無視するか。」

 

なんか面倒な予感がしたので、触れずに無視して海水浴場に向かった。

 

「さーてと、泳ぐか。」

 

泳げる場所に到着したので、泳ぐための準備をしていた。その時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「あっ!おりむー!」

 

本音だ。

 

「本当に着ぐるみで来たか……。」

 

「おお~!その水着似合ってるね~」

 

「そうか。お前の水着は個性的だな。溺れないかが心配だ。」

 

「大丈夫だよ~。慣れてるから。」

 

以前にもこの様な格好で泳いだことがあるかの様な発言に、少し一夏は驚いている。

 

そんな感じに雑談をしていると、鈴がやって来た。

 

「一夏来るの早いわね~。もっとのんびり来るのかと思ってたのに。」

 

「海はけっこう好きだからな。潜れば魚や海草が採れるし、海水は蒸発させれば塩が採れるからな。食料に困らない。」

 

確かに一夏は海が好きだが、あくまで食材としてだ。100%間違ってる楽しみ方だと思う。

 

「取り敢えず、海は食材って言う考えを辞めようか。」

 

鈴にそんなことを言われたが、一夏の見方は変わらないだろう。だが、ここには海水浴に来ている。流石に食材確保は行わないだろう。いくら一夏でも。

 

その後は普通に泳いだり(普通ではない。)、千冬達を交えてのビーチバレー(色々と危ない)をしたりと、自由時間を楽しんだ。ビーチバレーに関しては、ボールが3個程お釈迦になってしまったがな。

 

「一夏、アンタら姉弟はどんな力でバレーやってんのよ?」

 

「おりむーやりすぎだよ。ボールがいくつあっても足りないよ。」

 

「むしろ何故怪我人が出なかったのかが不思議なんだけど……。」

 

一夏と千冬のスパイクを正面から受けた生徒には、素直に同情するしかない。怪我はしなかったけどな。

 

この姉弟にスポーツをやらせてはいけないと、1年生全員が思ったそうだ。体育祭等ではどうなるかは分からないがな。




『教えて!憲八先生!!』

はーい。ペンネーム「orotida」さんからの質問です。「作者は何党ですか?」はい。ズバリお答えしましょう。作者は甘党です。……嘘です。そうですね。作者は真耶か本音派ですかね。この2人となら普通に友達になれそうな気がしたので。

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