ISと無気力な救世主   作:憲彦

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最近なにも食べずに空腹を満たす方法を考えている作者です。今やこれが最近のマイブーム。

今回もゆっくりしていってね。


自称幼馴染(迷惑者)とイギリス代表候補生

 授業が終った行間休み、殆どの生徒にとっては勉強と言う地獄から解放される時間だ。

 

 しかし、こんな時間なのに、1組の教室の周りは人でごった返している。理由は1つ。世界初の男性IS操縦者、織斑一夏を見るためだ。「暇なのかお前ら」と言いたくなってくる。

 

 だが、神経が人と比べて図太い一夏は気にする様子はない。関わられるのが面倒なのか、耳にイヤホンを刺し、音楽を聴いている。

 

「ちょっと良いか。」

 

「……。」

 

 声をかけられた気がしたので顔を上げてみたが、そこにはポニーテールの人が居ただけなのでまた顔を下げた。

 

「おい!無視をするな!!」

 

 今度は大声を出しながら耳からイヤホンを抜き取った。

 

「なにしやがる……。」

 

 この行動にはイラッと来たようだ。明らかに不機嫌である。

 

「お前が無視をするからだろ!!まぁ良い。少し付き合え。」

 

 何か話があるようだが、ここでは話しにくい様だ。その為、一夏を連れて教室から出ようとしたようだ。

 

「断る。何で初対面のお前の命令に従わなくちゃいけないんだ。」

 

「な!?初対面だと!?私を覚えていないのか!!」

 

「知らねーよ。お前みたいなヤツ。」

 

「とぼけるな!!お前の幼馴染の篠ノ之箒だ!覚えているだろ!!」

 

 どうやら一夏の幼馴染(自称)の様だ。自分の事を覚えていない一夏に、何がなんでも思い出させようと必死になっている。

 

「知らねーっつてんだろ。鬱陶しいんだよ。お前。」

 

 しつこく絡んでくる箒に突き放す様に言うと、丁度授業開始の呼び鈴がなった。

 

「後でまた来る!」

 

「チッ。休み時間邪魔しやがって。」

 

 その後は授業に入ったが、一夏は休み時間を邪魔してきた篠ノ之箒について考えていた。どっかで聞いたことのある名前だったからだ。

 

(篠ノ之箒……篠ノ之箒……。1人しか知らないな。)

 

 一夏の記憶の中にある篠ノ之箒と言う名前。それは小学校の頃にしつこく付きまとってきた人の名前だ。それくらいしか覚えていない。

 

(事ある毎に付きまとって勝手に人の予定を狂わせてくるあの女か?だったら関わる必要は無いな。)

 

 一夏の中にある彼女の記憶は、彼女への評価と共に散々な様だ。

 

(アイツとは殆んど関わっていなかった筈だが……。何で絡んでくるんだ……。まあ無視しとけばその内どっか行くか。)

 

 彼女は幼馴染と言っていたが、一夏自身は一切馴染んだ記憶がない様だ。むしろ煩わしいと思っている。

 

 キーンコーンカーンコーン。

 

 考え事をしたら授業が終わってしまった様だ。

 

 授業が終わってから早々、一夏は学園の1階まで降りていった。

 

「何で自販機が1階にしか無いんだよ。…………まともな飲み物が無いな。」

 

 自販機のレパートリー

 

 ・どっかの神様のジュース、オレンジ味

 ・どっかの神様のジュース、バナナ味

 ・どっかの神様のジュース、ブドウ味

 ・どっかの神様のジュース、メロン味

 ・どっかの神様のジュース、ドリアン味

 ・どっかの神様のジュース、レモン味

 ・どっかの神様のジュース、モモ味

 ・どっかの神様のジュース、ドラゴンフルーツ味

 

 と、バツゲーム用のジュースが全種類並んでいた。余り評判が良くない理由は、どの味も滅茶苦茶濃いのだ。そして値段が高い。缶ジュースなのに500ミリペットボトルと同じ値段、イヤ、30円ほど高い。

 

「はぁ…………。」

 

 財布を覗いて溜め息を付き、あの中でもまともな物であるメロン味を買った。

 

「まさか缶ジュース1本で180円も使うなんて……。」

 

 この値段の高さもバツゲームのいわれである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 教室に戻り、買ってきたジュースをチビチビ飲んでいた。

 

「やっぱ不味い……。」

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「チッ!何か用か?」

 

「まあ!何ですの!?その口の聞き方は!!わたくしに声をかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度と言うものがあるのでは無いのかしら!?」

 

 一夏はこの様に「女=偉い。男は媚びろ」と、頭のなかでおめでたい方程式が出来上がっている女が苦手である。

 

(またうるせーのが来た。)

 

「知らない相手にやる態度って何だ?お前みたいな人間にはこれくらいで十分だろ。」

 

「知らない!?イギリス代表候補生にして、入試主席のこのわたくしセシリア・オルコットを知らない!?」

 

「あぁ、知らん。興味も無い。」

 

 一夏の言葉に何か色々と大声で喚いていたが、ガン無視を決め込んでいた。

 

 買ってきてたジュースを飲みきるのに必死になっていたらいつの間にか休み時間が終わっていた。

 

「また来ますわ!!逃げないことね!!」

 

 いったいどこに逃げると言うのやら。

 

 その後、なんとかジュースを飲み干し授業の準備を行った。




取り敢えず今日はここまで。台本形式の方が楽だな……。

次回はオルコットの演説と宣戦布告かな。

どっかの神様シリーズは察しの良い方は何が元になったのかお気付きでは無いのでしょうか?良かったら感想欄に答えを載せてみてください。

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。

活動報告のタイトル募集もよろしくお願いします。

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