ISと無気力な救世主   作:憲彦

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変わる未来。狂う計画

時間が来た。ショッカーが町で暴れまわり、破壊活動を開始する時間が。場所は分かっている。そしてベルトも2本自分の元にある。

 

「いつでも来やがれ……」

 

「良いのかい?一音は呼ばなくて」

 

「忘れたのか?アイツがここに居れば殺される。戦力が減ったとしても、アイツを殺すわけには行かない」

 

「……来たぞ」

 

士が呟くと、一夏と海東も士と同じ方向に視線を向ける。言葉通り、大量の戦闘員と怪人が隊列を組んで我が物顔で町を歩いていた。

 

「変身」

 

『Standingby complete』

 

「「変身!」」

 

『KAMEN RAID DECADE!』

 

『KAMEN RAID DIEND!』

 

ショッカーの攻撃開始と同時に、3人も変身してショッカーの団体へと突っ込んでいった。

 

「Fire」

 

『Blaster Mode』

 

「ハァッ!」

 

向かってくる敵の頭を1発1発正確に撃ち抜いて灰に変えていき、ディケイドとディエンドもそれぞれの攻撃で敵を凪ぎ払っていた。

 

「なんだよこの状況は……!?」

 

「夢なら早く覚めて欲しいね」

 

「ようやく来たか。遅いぞ」

 

「連絡した場所がザックリしすぎなんだよ」

 

草加と木場も到着した。事前に一夏が連絡していた様だが、余りにも指定していた場所が大雑把で到着に遅れたようだ。

 

『913 ENTER』

 

『Standingby』

 

「変身!」

 

『complete』

 

『000 ENTER』

 

『Standingby』

 

「変身!」

 

『complete』

 

草加と木場が変身した。これで戦況は一気に変化し、劣勢とは言わないが数に苦戦していた一夏達が優勢に。町の方は一気に片付いてしまった。

 

「おい。なんか可笑しくないか?」

 

「だな」

 

「どうしたんだ?」

 

「敵の数は確かに多かった。でも前程じゃない」

 

「前?」

 

「前はもっと多かったし、しつこかったし、強かった。なのに3度目の今回がこの程度なのは可笑しいんだよ」

 

「3度目?いや、コイツらがここで暴れたのは今回が初めてだろ?」

 

草加と木場はなんの事だか分かっていない様子だが、何があったかを覚えている3人は2人の事を無視して話を進めていった。

 

「何故だ?アイツらも覚えてるのか?」

 

「だとしたら厄介だぞ。こっちが手を打っても、相手が別の方向で攻めてきたら……」

 

「僕達にはどうしようもないね」

 

「待て待て待て!俺達にも分かるように話してくれ!」

 

「話が全く見えないよ」

 

「悪いが詳しく話してやりたい所だが、そんな時間はない。……いや時間はたっぷりあるか。ある意味な」

 

一夏の意味ありげな一言に、2人は困惑するしかなかった。全く見えてこない話をもっと詳しく聞こうとしたのだが、突然全く別の場所から巨大な爆発音と衝撃波が一夏達の元へと飛んできた。

 

「っ!?あの方向は!」

 

デルタギアを取り払い、ファイズに変身。そしてすぐさまアクセルフォームに姿を変えて、爆発のあった方向へと走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだよコイツら!」

 

『2人は下がってろ』

 

一夏達が戦いを終えた直後、本音と一音がショッカーの怪人4匹に家で襲われていた。だが一音と本音には戦う術が無い。バジンが代わりに戦ってくれているが、相手はかなりの強さを持っている。バジン1人では長く持たないかもしれない。

 

「「「「ハァ!」」」」

 

『ッ!?』

 

「バジン!」

 

持ち前のパワーや搭載している武器で応戦していたが、バジンの後ろには本音と一音の2人がいる。どんなにバジンが強かろうが、守りながらでは話が変わってくる。徐々に徐々に店の端へと追いやられ、攻撃も防御も儘ならない距離まで詰められてしまった。

 

「え?ウオッ!?」

 

「うわっ!?」

 

この場所での戦闘は無理と判断したバジンは、2人を抱えて急速離脱。店から脱出することができた。だがその直後に怪人が放った攻撃が爆発し、広範囲が吹っ飛んでしまった。

 

「お、おい!落ちてるぞ!」

 

『爆風に煽られてうまく飛べないんだよ!』

 

「ならプラカードしまってよ~!!」

 

完全なバトルモードの為、口で喋る事はできない。だからプラカードで会話しているのだが、少なからず爆風の影響を受けている。

 

『すまん。もう無理だ。不時着する』

 

「嘘だろ!?」

 

ついに飛行する体勢を維持できなくなり、不時着を決定した。

 

「ウオワワワワワ!!!」

 

「キャアアアアア!!」

 

だが上手くは行かなかったようだ。勢いがありすぎたのか、地面に接触した瞬間バジンが運んでいた2人が投げ出されてしまった。

 

「ナァッ!離せ!」

 

「離して!!」

 

敵の内2匹は本音と一音を捕まえ、1匹はバジンが起き上がれないように踏みつけ、最後の1匹は2人の命を奪おうと両腕を伸ばしてジワジワと2人に近付いていく。

 

「ハアァァァァァア!!!」

 

『Exceed Charge』

 

2人を手にかけようとしていた怪人に大量のポインターが付けられ、瞬きをする一瞬の間に灰へと変えられ、バジンを踏みつけていた怪人は殴り飛ばされた。更に流れるように本音と一音を捕まえていた怪人の背後に回り込み、引き剥がした上でグランインパクトを叩き込んだ。

 

『Time out Reformation』

 

「はぁ……間に合った……」

 

「親父!一体どう言うことだこれ!?」

 

「イッチーまた何かあったの!?」

 

「詳しい話をしている暇はない。さっさとここを離れるぞ」

 

2人を安全な場所に運ぶため、本音の手を掴んで動き出そうとした。だが、手を掴んだ直後、一夏の顔には生暖かい、赤い液体が飛び散った。

 

「本音?……本音!!」

 

絶命したと思っていた怪人だったが、まだ余力があったようだ。最期の力を使い、本音の心臓を貫いき命を奪った。

 

「本音!本音!!本音!!!ウワアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」




次回もお楽しみに!感想や評価、お気に入りもよろしくお願いします!!

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