ISと無気力な救世主   作:憲彦

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さてと。さっさと最終章に入らないとな。と、言うわけで、今日からはうp主がキャラを作っていく時に持っていたイメージ?や設定等を後書きか前書きで紹介したいと思います。主要キャラ限定ですけどね。

今日は恐らく1番キャラが変わっている草加の紹介になります。


最期編
結婚式


「では、挙式はここで挙げさせて貰います。書類は後でこちらから提出しますので、預からせて頂きます」

 

結婚式のスタッフらしき人と会場を決めた村上。結構な経費を使うことになったが、1番良い教会を選ぶことが出来たようだ。一夏が結婚式を挙げると聞いて、張り切っている。と言うか、結婚する一夏と本音よりも、周りが滅茶苦茶張り切っているのだ。

 

一夏と本音の結婚式となれば、当然スマートブレイン関係者の人数が多くなる。だが、スマートブレイン内での一夏の評価はお世辞にも良いとは言えない。愛想が無かったり口が悪かったり、乱暴な所があったりデリカシーの無いところがあったり。ハッキリ言って、結婚できないと思っていたからな。それは村上も同様。その為か、会社を挙げての準備となったのだ。しかも祭りのように全員盛り上がっている。

 

会場の下見を終わらせると、村上は急いでドレスをあわせている本音の元へと向かっていく。当然その後に一夏の元にも向かうがな。法定速度を越えるギリギリの速度で車を走らせ、場所に着いたら着いたで、走って中へと入っていく。

 

「はぁ……間に合いましたか」

 

「いらっしゃいませ。村上さん」

 

「お久し振りです。松駒社長。本音さんのドレスはどうでした?」

 

「えぇ。実によく似合ってましたよ。ほら」

 

そう言うと、試着室的な場所のカーテンが開き、そこからドレスを着た本音と着付けを担当していた人が出てきた。松駒の言うように、ドレスは本音にとても似合っており、1週間後の式が待ち遠しくなるレベルだった。

 

「あの、村上さん。どうです?」

 

「えぇ。似合ってますよ。式が楽しみです」

 

本音に聞かれると、落ち着いた声でゆっくりと感想を伝えた。表情は穏やかだが、本当に式を楽しみに待っているのが伝わってくる。

 

「いやぁ~、本当にお似合いですね。……お嬢さん、おじさんと電話番号を交換しませんか?携帯番号を交換してくれたら、おじさんがお小遣いをあげよう!」

 

松駒が急に訳の分からん事を言い始めた。……ちょっと裏で話をしようか?

 

「ハハハ。……貴方がここの社長じゃなかったら張り倒していた所ですよ?」

 

「ご冗談を。では私はこれで」

 

急いで松駒は部屋から出ていく。何かに恐怖を感じたのかな?さてと……松駒、welcome(アイアンクローをして別室へ連行)

 

まぁそんなジーさんの事はさて置き、本音も見たので次は一夏の所へと向かう。結果から言おう。仕事直前の殺し屋か?と言うのが感想だ。無愛想な事もあるし、体格や目付きが相まって良い子は見ちゃいけません状態になっている。

 

「何故そんな不機嫌そうに?」

 

「何十着も似たような服を延々と着せ変えられて、決定したにも関わらずまた着せられる。この気持ちが分かるか?髪型も弄られたんだぞ?」

 

確かに、何故かオールバックになっている。他にも何か弄られたのだろうか、現在進行形で物凄く不機嫌そうだった。と言うか嫌なら断れよ。まぁせっかく奨めてくれるのに、断るのは忍びない気もする。その気持ちは分かる。だが、いつものお前なら断るだろ。

 

「1週間後の式。どうですか?」

 

「不安が多いな。俺がアイツを守れるのか、家庭を持ってからしっかり支えられるのか、アイツを幸せに出来るのか、そんな不安が頭を支配していくよ」

 

「そうですか。ま、当然ですね。私も結婚当時はそうでしたから。ですが、私は1つ貴方に教え忘れた事があります」

 

「ん?なんだ?」

 

村上はそう言うと、ゆっくりと一夏に歩み寄っていき、肩に手を乗せる。そして教え忘れた事と言うのを言い始めた。

 

「誰かと過ごすと言うことは、1人が支えて守ると言う事ではありません。隣に立ち、共に歩み、共に進んで行くものです。貴方と本音さんなら、それが出来ます。不安にならずドンと構えてください」

 

リアル既婚者に励まされた。まさかこんなことを言われるとはと、一夏は驚いている。が、村上に言われたことを考えると気持ちが軽くなったのか、表情がいつも通りの物に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで1週間後。もっと期間を考えて余裕を持って組めよ?全員テンションマックスでそんなこと考えられなかったわ。お祭り騒ぎだったんだぞ?無理に決まってんだろ笑

 

「さてと。結婚式当日ですね。皆さん、今日はお集まり頂きありがとうございます。今日は予定していた司会者がインフルエンザで倒れてしまい、入院中ですので代わりに村上峽児が行います。では、新郎新婦の入場です」

 

本来なら教壇の前に新郎と神父がいて、バージンロードを本音と父親が歩いてくる筈だが、何故か今回は新郎新婦が腕を組んで2人で入ってきた。その型破りな登場に一瞬ざわついた物の、すぐに拍手喝采に変わっていく。

 

「では、私の方から2人の事を軽くではありますが、ご紹介させて頂きます。まず最初に新郎の織斑一夏。彼は我々スマートブレインの仲間で……えぇ……失礼。彼の事を話そうと思えばいくらでも話せるのですが、言いたいことがありすぎて言葉に出来ないので、ここは省略させて貰います。申し訳ございません。次に布仏本音さんてす。彼女はIS学園で一夏くんと出会い、交流を重ねていき、いつも一夏くんの隣で支えながら一緒に歩んできた方です。きっと、幸せな家庭を彼と築き上げてくれるでしょう。軽くと言ったので、この辺にして次のプログラムに参りましょう」

 

確かに、一夏に関しては言おうと思えばいくらでも言える。だが、この場で一夏に付いて語るのは少々足りない。それは全員分かっている。だが、この扱いに会場は爆笑の渦に包まれる。一夏本人も頭を抱えている始末だ。その後、なんの滞りもなくプログラムは進行していき、草加のスピーチへと入っていった。昨日までは木場がやるつもりだったのだが、何故か声帯が潰れてしまったので、急遽草加になった。……ドタキャンの変更が多くないか?

 

「皆さん、本日は弟の一夏の結婚式に来てくださり、ありがとうございます」

 

(まだ弟になってねーよ)

 

深々と頭を下げる草加に心の中でツッコミを入れる。

 

「あんなに小さくて、可愛い笑顔を向けながらお兄ちゃんお兄ちゃんと言っていた一夏が、ついに結婚と言うことで、兄としては、大変嬉しく思います」

 

(なに泣いてんだよ。つーか見せてねーし言ってねーだろ)

 

((((あぁ。思い出補正入ってるな~))))

 

なんと言うか、感動の涙を流しながらスピーチ?をしている草加だが、相変わらず一夏はツッコミを入れてるし、会場の人も思い出補正が入ってることに気付いている。全く知らない人は驚いているがな。

 

「これから……新しい生活を送ると言うことで、何かと苦労することがあると思いますが、俺は兄としてこれからも……」

 

(あぁ~。ハリセン欲しい~)

 

『Standingby』

 

「いっちー落ち着いて。早くそれしまって?」

 

ついついファイズに変身して草加をブッ飛ばしたくなったようだ。無意識にコードを入力していた。本音に指摘されてようやく気付いたのか、取り消しを行ってポケットにしまう。ついでにベルトは牧師に預けた。

 

「ん?……了解しました。では、順序は色々とアレですが、そう言った苦情はうp主に後で言ってください。そろそろ一夏くんがキレそうなので、誓いの言葉に入りましょう」

 

参加していた鈴が村上に駆け寄って、何かを伝えたらプログラムが変更され、誓いの言葉に入っていった。どうせそろそろ一夏がキレて結婚式が終わる。とか言ったんだろうな。

 

「……あ、えっと……な、汝織斑一夏は、この女布仏本音を妻とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」

 

「ぎこちないな……誓うさ」

 

ぎこちないのは仕方ないだろ。急にベルト渡されたんだから。入るまでの流れも流れだし。

 

「汝布仏本音は、この男織斑一夏を夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」

 

「誓います!」

 

「よろしい。皆さん、お二人の上に神の祝福を願い、結婚の絆によって結ばれたこのお二人を神が慈しみ深く守り、助けてくださるよう祈りましょう。宇宙万物の造り主である父よ、あなたはご自分にかたどって人を造り、夫婦の愛を祝福してくださいました。今日結婚の誓いをかわした二人の上に、満ちあふれる祝福を注いでください。二人が愛に生き、健全な家庭を造りますように。喜びにつけ悲しみにつけ信頼と感謝を忘れず、あなたに支えられて仕事に励み、困難にあっては慰めを見いだすことができますように。また多くの友に恵まれ、結婚がもたらす恵みによって成長し、実り豊かな生活を送ることができますように。わたしたちの主イエス・キリストによって」

 

牧師による長い誓いの言葉が終わり、ここにいる全員が期待しているであろう物に入る。

 

「それでは、誓いのキスを」

 

(視線が鬱陶しい……イラッ)

 

はいはい表情怖いから元に戻そうね~。本音の顔を覆ってるベールを上にめくり顔を出す。それを見ると、悪魔みたいな顔がいつも通りの穏やかな物に戻る。

 

「……///」

 

「照れるなよ……///」

 

人に言えるかよ……お前だって顔真っ赤じゃねーか。

 

「チュッ」

 

しばしの沈黙の後、大人しく顔を近付けて軽いリップ音が響く。小さい音の筈だが、静まり返ってる会場ではやたらと大きな音で響き渡った。

 

「「「「「…………」」」」」

 

カシャカシャ!カシャッ!

 

全員、無言でカメラを構えてシャッターを切っている。スマホ、デジカメ、フィルムカメラ、一眼レフ、ありとあらゆるカメラの音が聞こえてくる。

 

「お、お前らなんか言えよ!///」

 

カシャカシャ!カシャッ!

 

「カメラで返事すんじゃねー!!」

 

今日も、一夏のツッコミの切れ味は最高である。長らくツッコミをやっていなかったから、錆び付いてると思ったが、そんなことは無かったようだ。

 

その後は指輪の交換や軽い余興が行われた。が、派手なものを計画していた連中は、汚物を見るかの様な視線を向けられた為、止めておいた。ケーキ入刀は、入刀と言うより斬り捨てに近い。何故か2人で1本ずつナイフを持って斬っていた。

 

「では、一通り終わったので、新郎新婦退場―」

 

「少し待て。俺にも話すことはある」

 

退場させようとした村上だが、突然一夏がそれを止めてマイクを取った。プログラムにない行動に、周りは少し驚いている。

 

「本来なら、俺も両親に対して何かを伝える所だが、俺にはそれがいない。保護者と言えば姉貴くらいだろ。だが親ではない。……しかしだ、今この場で、胸を張って親父と呼べる人が1人いる。村上、お前だ」

 

「ッ!?」

 

「奇妙なもんでな。人は縁で出来てる。村上に拾ってもらってから、俺達姉弟はスマートブレインと関わるようになった。そこから草加、木場と知り合い仮面ライダーの存在を知った。お前らとの繋りが無かったら、今みたいな性格にはなってないだろう。多分俺が最も嫌う性格になっていた筈だ。それに、村上は俺達を常に支えてきた。変な方向に歪まなかったのはお前のお陰だ。だからありがとうな。親父」

 

「…………あ、まさかこんなサプライズがあるとは思いもしませんでした。私達が何かを考えていた時は汚物を見るかの様な目をしていたのに、トンでもイベントをやるとは思ってもいませんでした」

 

もう村上が号泣して使い物にならなくなりそうだったので、式はこれで終わった。

 

『賑やかな結婚式だったな』

 

「久し振りにプラカードで喋ったな」

 

『メタいぞ。そこには触れるな。時間軸滅茶苦茶なのは今に始まった事じゃないだろ』

 

「お前もお前でメタいわ」

 

『まぁそれは置いとけ。ほら、俺達ライドメカからの送りもんだ。ありがたく受け取れ』

 

渡された箱を開けると、何かのパーツで作られたようなペアのネックレスだ。両方ともファイズマークだが、微妙に装飾が違う。無駄に手が込んでいるな。まぁこんな感じに、主人公達の結婚式が何と無く終わった。




え?普通だし色々違うだって?今までが異常だっただけです。その程度良いじゃないですか。そして、遅くなってすいませんでした!なんか結婚式書いてるとイラッと来て……

草加雅人。ファイズ本編で2号ライダー、仮面ライダーカイザの変身者として登場したキャラクター。ファイズ本編では、表はスポーツ万能で多才な好青年、裏は卑怯で自己中心的。自分が気に入らない相手には態度が豹変して、どんな策を使ってでも徹底的に排除しようとしていましたね。ヒロインには好意を超えた執着心の様な物を持ち、他の男に惹かれる事を阻止したりと、ヤンデレになってました。

家での扱いは、白騎士事件で木場以外の友人を全て失ってしまいますが、既にスマートブレインに就職して、町を離れていた為詳細は後に知ることになる。親や教師の教育方に問題があり、感情や欲望の全てを押さえ込むように。が、一部の心を許した友人達には普通に接するようになっています。まぁとある事件を切っ掛けに押さえ込んでた感情を出すようになるんですけどね。

本編では、歪んでいたとは言え一途であったことに変わりは無いので、こちらでも一途に。漂白剤に付けて、しっかりとシワを伸ばしておいたので病んではいません。1人の女性だけを愛して、人を大切にする。恐らくファイズ本編より1番かけ離れた存在ですね。

酷い人間であったことは確かですが、それでも1人の女性を最期まで愛した事も確かです。ですので、一途と言うのが、俺の中にある彼のイメージですね。

次回もお楽しみに!感想と評価、リメイク版絆の戦士と7人の魔法使い、インフィニット・デカレンジャー外伝もよろしくお願いします!!

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