ISと無気力な救世主   作:憲彦

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教えて!憲八先生!!

今日の質問は俺、参上!さんからです。

「オリジナル仮面ライダーとオリジナルスーパー戦隊(隊員)とオリジナルウルトラマンとか考えてたりするんですか?あとオリジナル創るのって憧れません?」

オリジナルの仮面ライダーやスーパー戦隊、ウルトラマンは考えません。変身方法、決め台詞、姿、そう言ったものを考えるのは1人では無理なので。それに完全オリジナルでそう言ったヒーローを作るとなると、敵キャラや目的、世界観を作り出すのは時間がかかります。

オリジナル小説に関しては、来年1日から早々に1つ出そうと思っています。例の死神君のヤツ。

提供 orotidaさん


無気力、語る

「あ?姉貴と草加の話?」

 

「あぁ。出来れば今後の参考にしたくて、教官と雅人さんの話を聞きたいのだ」

 

「いや……だったら直接聞けば良いだろ?姉貴暇だろうし」

 

「それが、昨日聞きに行ったのだが、恥ずかしがって余り話してくれなくて……休暇も後3日しか無いし、明日はパトリックと観光地を回りたいしで、もう一夏しか頼れないんだ」

 

今日は一夏の営む食堂、お食事処織斑には珍しくラウラが来ていた。どうやら一夏に草加と千冬の事を聞きにきた様だ。今後の参考にと。

 

……周りにもっとマシなカップルが一杯いると思うのだが、何故敢えてその2人を見習おうと思ったのだろう。それが疑問でならない。

 

「別に構わんが、木場とかでも良かったんじゃないか?」

 

「私も最初はそう思って、こっちに来てすぐに行ったのだが、何故か2人とも性別が変わっていて、勇治さんのお腹には子供が居た……流石に何か不味いと思って、取り敢えず持ってきたドイツのお土産を、祝いと言うことであげてきた」

 

「は?」

 

は?木場が妊娠?何故……ちょっとうp主にもよく分からないぞ……

 

「まぁとなると、参考に出来るのは教官とお前しかいなくなるわけだが、パトリックはどちらかと言えば雅人さんタイプな訳だから、一夏達は参考に出来ないと思ってな」

 

なら何故最初に木場の所に行った?パトリックは木場と言うタイプでもない……あぁ~。真耶か。いやおかしくね?自分で書いてて思ってるけど、おかしくね?

 

「まぁ良いか。で?どこから聞きたいんだ?」

 

「じゃあ交際を始めた切っ掛けから」

 

ラウラに尋ねながら、カウンターからコーヒーを出し、ラウラに差し出した。今日はラウラ以外客は来る様な気配はない。土砂降りの雨だからな。その為ゆっくりと話すことが出来る。自分の分のコーヒーも淹れて、2人の事を話し始めた。

 

「付き合った切っ掛けは、草加のあの一言だな」

 

そう言うと取り出したのはボイスレコーダー。かなり年期が入っていて、少し色褪せている。型も大分古いタイプだ。

 

「何が録音されてるんだ?」

 

「まぁ聞いてみろ」

 

そう言いながら再生ボタンを押す。そして流れた音声と言うのが、皆さんも印象に残っているであろうあの言葉が大音量で流れた。

 

『俺は、惚れた人には幸せになって欲しい。こんなところで、血塗れになって戦ってる俺には無理な話だが、普通でも、小さくても良い。誰かと結婚して、普通に子供産んで幸せになって欲しい。ただ、それだけだ。変身!!』

 

「当時、俺はスマートブレイン系列の学童保育の事務所に預かって貰ってたんだが、姉貴は草加の事を想ってたが言い出せず、草加も草加で何かに遠慮して、姉貴の事を好きだったにも関わらず、縁談を申し込んだ相手がテロ組織の頭だと分かるまで、何も言わなかったからな」

 

「縁談相手がテロリスト?」

 

「あぁ。しかもスマートブレインが追っかけた連中だ」

 

「じゃあ、さっきの台詞は?」

 

「ソイツに向かって言った言葉だ。他にも、とある姉弟のお陰で欲が出たとも言っていたな。これをテロ組織ぶっ潰して倒れた草加が運び込まれた病室で流した。姉貴が近くにいる状態でな」

 

今思うと、こんな恥ずかしい台詞を大音量で流すのは鬼畜でドSの域だと思う。

 

「そこから、お互いに本心を知り合えたから、仲良く交際を始めた訳だが」

 

「成る程……その様な事があったのか」

 

「まぁ、今でもあの縁談をぶち壊してくれた事は、それなりに感謝しているつもりだ。何せ、結婚できると言っても、当時の姉貴はその年齢ギリギリだったし、相手は30代後半。壊してくれて本当に助かったよ」

 

「ん?そう思うって事は、お前はその男について知っていたのか?」

 

「いや。でも、30代後半で独立して貿易会社を営んで社長だなんて、信じられると思うか?それに、俺達は親がいない状態。世間はそれだけでも俺達を避ける。そんなのに、好き好んで縁談を申し込むなんてあり得ないからな」

 

なんちゅう推理力……ヤベーな。ホームズか?いや、ホームズならもっと早くに手を打つか。

 

「で?そこから2人はどうなったんだ?最初から今みたいにベッタリだったのか?」

 

「いや。最初はお互いに初めての経験で、恥ずかしがってあんまりくっかなかった。あの頃は良かったな~」

 

何故か、急に遠い目をし始め、ゆっくりとコーヒーの飲み込んだ。心なしか、目から光が消えたような気がする。

 

「あの2人が……恥ずかしがって?」

 

衝撃的な一言に、ラウラは軽くショックを受けている。まぁ今の2人を見ていたら、恥ずかしがってベッタリじゃなかったと言う言葉には絶対に驚く。

 

「一体……何が切っ掛けであんなことに……?」

 

「あぁ~。その、姉貴が今のIS学園を卒業してから国家代表になるまでに1カ月程の間があったんだが……その時に2人で旅行に行ったんだ……」

 

何故か頭を抱え始めた。しかも何か絶望のオーラを出している。どうやら、2人の関係に異変が起きたのはこの旅行が原因のようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか、ハワイに来るとは……大丈夫何ですか?その、お金とか」

 

「気にするな。どうせ使わずに溜め込んでた金だ。あと少しで千冬は国家代表になるんだ。今くらい思いっきり楽しまないと」

 

とのことで、草加が溜め込んだ貯金を使って、まさかのハワイまで来てしまったのだ。新婚旅行じゃないんだから……。

 

そんなことで空港に到着した後は、ホテルに直行して荷物を整理。近くにビーチがあるので遊びに向かったのだが、ここで1つある事に巻き込まれた。結婚式体験キャンペーンだ。何でも、訪れたカップルや主催者が直観で良いと思った2人に結婚式を体験させるのだ。ドレスやタキシードは向こうが独断と偏見と第一印象で決めてくれる。

 

「結婚式シーズンでも無いのに、こんなイベントをやってるんですね」

 

「確かに珍しいな……やる?」

 

「え?…ッ!い、いえ!い、今はその……まだ///」

 

あらら。草加との結婚式を想像したのか、顔を赤くしてしまった。まぁ、これから数年後に結婚して、結構なサプライズを受けるんだがな。

 

今の自分たちには関係ない。そう思いイベントを素通りしようとしたその時だ。

 

「お!?そこのお二方!ちょいとお待ちを!!」

 

妙に流暢な日本語を話す現地の人が声をかけてきた。見た目はアメリカ人の要素が強いが、所々日本人らしい所もある。格好的に恐らく主催者だろう。西部劇に出てくるようなハットを被って、日本語に少しクセがあるがな。

 

「ん?」

 

「いや~!良い!あっしのイメージ通りでございやす!どうです!?お2人で体験してみあせんか?ウエディング体験を!」

 

「え!?」

 

見事主催者の目に止まったようだ。確かに2人は端から見れば良い感じのカップル。だが、お互いに慣れた様子はなく初々しい感じがある。そこが良かったのだろう。

 

「ささ!体験は無料!そのまま結婚もOK!予行演習にどうぞ!!」

 

そのまま引っ張られて行った。数分後、ステージの前には着付けの終わった草加が立っている。顔からは緊張の色がうかがえる。体も心なしか震えている。

 

「レディース&ジェントルマン!!本日最後のウエディング体験者は!日本から態々遊びに来てくれたこの2人!なんとまだ交際を始めて数ヶ月との事!!では、そんな初々しいお2人に!素敵な結婚式をプレゼントしてあげやしょう!!では!花嫁のご入場!!」

 

この男、毎回そんなことをやっているのか?よくその高いテンションを維持できるな。まぁそんなことはさておき、簡易的に作られたカーテンが開き、向こうから純白のウエディングドレスに身を包んだ千冬がゆっくりと歩いてきた。草加と同じく、緊張している上に少し恥ずかしそうだ。

 

(ヤベー……千冬似合いすぎだろ……今絶対に変な顔になってるし!顔見れない!)

 

(恥ずかしいー!!私絶対変な顔になってるよ……草加さんの顔直視出来ない!!)

 

2人とも緊張して、ガチガチに固まっている。しかもお互いの顔は見れないが、服装だけでも分かるカッコよさや可愛さに、耳まで赤くしている。それがポイント高かったのか、見に来ていた見物人やスタッフ等は歓声をあげて囃し立てた。

 

「ワァオ!我ながらベストマッチなカップルを選んでしまいやしたね!!では!そんな初々しいお2人には無駄な説教なんてせずに!さっさと誓いのキッスに移らせて貰いやしょう!!」

 

「「え!?」」

 

「ちょっと待て!まさかそこまでやるのか!?」

 

「え?当たり前でござんしょう?ウエディング体験なんですから」

 

「そ、そんな……は、初めてなのにこんな大勢の前でやるなんて///」

 

ベールで顔はよく見えないが、スゴく赤いことだけは確かだ。そして喋る声的にも、恥ずかしさから泣きそうになっていることも伺える。

 

「まぁまぁ。そんなに恥ずかしがらずに。ほら、皆さんも大変ご期待しているんですから!因みにあっしも、お2人のファーストキッスには大変期待しておりやす!さぁ早く!!誓いのキッスを!!」

 

この言葉に、周りもキスコール。やらなくてはいけないような感じになっている。……周りは小学生か?まぁここで逃げるのは草加も千冬も、いらんプライドが傷付くため、腹を決める。

 

「……千冬」

 

「はい///」

 

ベールをあげて、草加が合図をすると、千冬も受け入れるために目を瞑った。そしてそれを見ると、草加も顔を近付けて行く。一瞬の沈黙のあと、会場が一気に沸騰した。

 

「「「「フォォォォォ!!!!」」」」

 

「ワァオ!!よっ!ご両人!!末長くお幸せに!!」

 

「プッシュー!!///」

 

「え!?ちょ!千冬!!?」

 

恥ずかしさからか、千冬が頭から煙を出しながら気を失った。多少古い表現ではあるが、目も渦巻き状になって回っている。そのまま倒れて、しばらくの間横になっていた。ドレスのままで。

 

数時間後、もう日が傾いてきた頃だ。その時になってようやく千冬が目を覚ました。

 

「お?起きやしたか?」

 

「私は一体……」

 

「旦那と誓いのキッスをしたあとに気を失ってしまったんですよ?覚えていやせんか?」

 

「ま、全く……///」

 

だが、キスをした瞬間の草加の顔は思い出したようだ。スゴく綺麗で、あまりにも印象的で、そのシーンだけ頭に焼き付いていた様だ。

 

「あの、草加さんは?」

 

「あぁ、旦那なら外で待ってやすよ。早く着替えて行ってあげてください。あ、ドレスは無理ですけど、ベールなら差し上げられますよ?記念にどうですかい?」

 

「あ、はい!頂きます!!」

 

満面の笑みを浮かべて、ベールを貰った。そして、草加が待っているので急いで着替える。その後は時間的にも海に入るような時間では無かったので、ホテルに戻ることにした。

 

「今日は泳げなかったな~」

 

「すみません。気を失ってしまって」

 

「いや。別に良いんだ。ただ、水着が見たかったな~と思ってな」

 

「な、なら!その、部屋で///」

 

と言うわけで、部屋で水着に着替えた。黒い無地のビキニタイプの水着だ。このあと何があったか。それは、こちらでは書けないので、別の方で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この話を延々と聞かされたんだよな~。当時の俺中学生だぞ?なのにあのバカと来たら……!マジでシバこうかと何度思ったことか……!!」

 

マグカップを持っている手に力が入り、ピキピキと音が鳴っている。これは草加が悪い。中学生にするような話では無い物をしたのだから。

 

「そ、そこから今のような感じになったのか?」

 

「あぁ。そこからベッタリと今の様な感じになった。あれ?コーヒーが何故か甘くなってきたな……」

 

その旅行の一件の後、何故かデートだの何だのに行くと毎度一夏にデート内容の話をする。腹が一杯になるほどにだ。

 

「お前も参考にする分には構わないが、くれぐれもあのバカ2人みたいにはなるなよ。周りのヤツが迷惑だから」

 

「だな。今日はありがとうな。今度はパトリックと一緒に来るよ」

 

「あぁ~、これ持っていけ。ホテルで一緒に食うんだな」

 

料理を作ってラウラに渡すと、そのままラウラは傘を差して泊まっているホテルまで帰っていった。そして一夏は、残ったコーヒーに更に挽いた豆を入れて苦くして飲んでいた。




一夏、頑張れ。

次回もお楽しみに!感想と評価、活動報告とリメイク版のドラえもん のび太の新魔界大冒険~絆の戦士と7人の魔法使い~もよろしくお願いします!!

あ、100話いってしまった……

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