~始まりの国・謁見の間~
王様「大臣、話があるのじゃが」
大臣「なんでしょうか」
王様「ワシらは5時間前、
兵士長「…何を言っているのですか王様。」
大臣「壁ぶっ壊し系漫画でも見ました?」
兵士(盛大な茶番の予感しかしない)
王様「ワシ『ら』の目的の為には、大臣に大人しく寝ててもらいたいだけなんじゃ。」オレーガー
兵士長(ワシ『ら』…?)
兵士(今さらっと嘘ついたな)
大臣「兵士よ」コソコソ
兵士「はい……アッハイ…わかりました」ダッシュ
王様「じゃが…そうする必要は無くなった…大臣…お主が見逃してくれるなら、ワシらはもう、
大臣「王様…おま 貴方は…疲れてるんですよ…」
兵士長(今おまえって言いかけましたな絶対)
兵士「アチチ…持って来ました。」
大臣「ご苦労、下がっていろ。」
兵士(すげー普通にわしづかんで…あ、砕いた)
王様「もうワシには…何が正しいことなのかわからん…ただ…ワシがすべきことは…王として、最後まで責任を果すことだ!!」ガバッ!
兵士長「王様…やるんですね!?今…!!ここで!!」
王様「あぁ…!勝負は今!ここで決める!!」ダッシュ
大臣「そぉい!!」ベシャァッ
兵士「えっ、そういう使い方?」
王様「熱っ顔!あっつ!くっついてとれあっついなんじゃこりゃぁぁぁ!!!!」ゴロゴロ
大臣「蒸かした芋ですけど?」
兵士「段々手口がエグくなってません?」
大臣「王へ心臓を捧げた身ゆえ」ビシッ
兵士長「大臣様、そちらは右です」
~隣村・宿屋裏~
僧侶「はぁ…」
戦士「勇者の状態はどんな感じだ?」
僧侶「…敵なのに変な事聞くんですね、火魔さん」
戦士「なんだ、気づいてたのか。」
僧侶「水魔と言いかけましたし、あれほどの魔力を持った上であの無駄に熱い性格は貴方しかいませんからね。」
戦士「ははっ!そりゃ確かにそうだな!俺ほど熱いやつはいねぇ!わかってんじゃねぇか!」
僧侶「遠まわしに暑苦しいって言ったんですけど。」
戦士「それで?どうなんだ?」
僧侶「…あの小さい身体です、始まりの国から半日ほどでここまで来た疲労と、先程の一件の後で緊張の糸が切れたのでしょう。今はよく眠っていますよ。」
戦士「そうか、大事にならなくてよかったな。」
僧侶「…先程の件については礼をいいます。」
戦士「いやなに、俺が勝手にやっただけだ、気にすんな。」
僧侶「ただし勇者様を手にかけようというのであれば話は別です、数百年前の決着を今ここで着けましょうか。」
僧侶の周りにいくつもの水の槍があらわれる!
戦士「僧侶なんてやってるくせに物騒だなおい。」
僧侶「戯言を…構えなさい。」
戦士「お前さっきの話もう忘れたのか?気が変わったって言ったろ?」
僧侶「信用しろと?」
戦士「俺が寝首をかくような卑怯な真似をすると?」
僧侶「…いえ、死んでもしないでしょうね。」
戦士「わかって貰えて何よりだ。」
僧侶「それで、気が変わったなら早々に立ち去って頂きたいのですが。」
戦士「そう邪険にすんなよ、同じ四天王の仲間だろ?」
僧侶「『元』四天王です。」
戦士「はっはっは!確かに元だったな!」
僧侶「…あなたがここにいるという事は」
戦士「とっくに側近や魔王様にばれてる、俺が戻ってもいずれはまた違う四天王が来るだろうな。」
僧侶「…はぁ」
戦士「俺は勇者の事が気に入ったから手を出さなかった。それにもし戦ったとしてもお前さんには勝てなかっただろうな。」
僧侶「当然です、何度返り討ちにしたと思ってるんですか?」
戦士「ははっ!昔の話は忘れちまったぜ!」
僧侶「都合のいい頭ですね。」
戦士「ただよぉ、お前の苦手な土魔だったら話は別だ。」
僧侶「…先遣隊があなたでよかったと思ってますよ。」
戦士「へっ、惚れんなよ?火傷じゃすまねぇぜ?」
僧侶「勇者様が人類を滅ぼすくらいの確率でありえないです、ご心配なく。」
戦士「お前ほんとに思考が危ねぇよ。」
戦士「これからどうするんだ?」
僧侶「どうも何も、勇者様についていくだけです。」
戦士「それで魔王様を倒すってか?」
僧侶「そうなるでしょうね、勇者様の使命ですから。」
戦士「…出来んのか?長年付き従った魔王様だぞ?」
僧侶「…」
戦士「出来んのかって聞いてるんだよ。」
僧侶「…」
戦士「だんまりか?」
僧侶「…」
戦士「魔王様の件は置いておくとして、さっきの野郎みたいな事があったらどうすんだ?」
僧侶「もう二度と起こさせません。」
戦士「あのなぁ…」
僧侶「命に代えても守ります。」
僧侶(こんなにも可愛い…ハァアァァン…勇者様を失うわけにはいきませんので…!)
戦士「とか思ってんじゃねぇだろうな?」ジトー
僧侶(ギクッ)「別に…」
戦士「お前がショタコンなのは今に始まった事じゃねぇけどよ」
僧侶「はっ…はぁっ!?誰がショタコンですか!?にゃに、何を言い出すかと思えば…!ばっかじゃにゃいですか!?」
戦士(思いっきり噛んで動揺して…あ、こいつなかった事にしてんな、アレ)
~150年前・魔王城・水魔の部屋~
水魔「にゅふふふふ…可愛いですねぇ…」
魔族の男の子(魔子)「あ、あの…水魔様…近いです…」
水魔「あらあら、ふふっどうしたのですか~?照れてるんですかぁ?」ハァハァ
魔子「ひっ…あのっ…会議の伝言を頼まれてて他の四天王様達にも…」
水魔「少し遅れても大丈夫ですから。私が責任とりますから、ね?」ハァハァ
魔子「や、あの…」
水魔「ついでにあなたの事も責任を持ってうふふふふふふ」
魔子「…うっ」ジワッ
水魔「いけねっやりすぎた」
ガチャッ
火魔「おーい、みんな集まってん…ぞ…」
水魔「あっ」
魔子「…グスッ」
火魔「…」脳みそフル回転
ベッドの上で押し倒されて涙ぐんでる魔子
↓
顔を紅潮させて押し倒してる水魔
↓
事 案
魔子「火魔様ぁーーー!!うぇぇーーん!!!」ぶわっ
火魔「………ちっ…痴女だァーーーーーー!!!!」ズガーン!
水魔「ちょっ!?…
ガシャーン ドガーン ギャァァー!!
魔王「何事だァーー!!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
戦士(結局バラしたらお前を
僧侶「こほん…今の私は昔の私とは違います。」
戦士(あ、覚えてら)
僧侶「これからの旅、勇者様をお守りする仲間として勇者様のど……道程をお導きするのですからね。」
戦士「お前今何言いかけた?犯罪だよ?わかってる?」
僧侶「なんのことでしょう?」ニッコリ
戦士「まじかよこいつ」ドンビキ
戦士「二人だけで旅すんのか?」
僧侶「そうなりますね、まぁ…いざとなったら仲間でも募ります。」
戦士(それまで勇者と僧侶が二人きり…)
戦士(あれ?もう既に勇者が危機的状況じゃね?)
戦士「…決めた!俺も行くぜ!」
僧侶「却下で。」
戦士「即答かよ!」
僧侶「当たり前です、敵の幹部が勇者様と一緒に旅ですって?ご自分が何を言ってるのかわかってます?恥を知りなさい。」
戦士「刺さってる、お前それ特大ブーメラン刺さってる。」
僧侶「それに勇者様の許可もなく同行するなんて許されるわけがないでしょう。」
戦士「…勇者がいいって言ったらいいんだな?」
僧侶「自分に剣を向けた相手を、同行させると思ってるんですか?」
戦士「いーや、あいつはナリは小さいが熱い男だ。話せばわかるね。」
僧侶「はっ!どうぞご勝手に。」スタスタ
~翌日~
勇者「わーい!せんしさんも、なかまー!せんゆうー!」ビシッ
戦士「つーわけで、よろしくな!『僧侶』!」ビシッ
僧侶「ぬえぇーい!!これだから男って奴は!!」壁殴り ドゴォ
パーティ
勇者Lv2 僧侶Lv? 戦士Lv?
ゆうしゃパーティに あたらしいなかまが くわわった !