正義のあり方―僕の正義を貫くために   作:マーグ

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かなり久しぶりのような気がするバトル回です。
一応題名の通り題材は正義なんですけど、
もう完結してから題名変えた方が良い気がしてきた…
こんな後先考えず題名つける作者の駄文を最後まで見てくれると嬉しいです~


7話―僕が色々試す話

今日は少し珍しく、ダースが家まで迎えに来ていた。

「今何か用事がある?」

「転入の時のいざこざで今まで忘れてたが、以前言った棒持ってきてくれるか?」

「ああ、あの棒ね。僕も忘れてたや」

家の中に置いてある、以前渡して欲しいと言っていた物を持ってきて、ダースに渡した。

「ありがとう、特殊課に置いて来るから一旦待っててくれ!」

1分ほど経つとクリスさんを連れて戻ってきた。

 

「すまない、あの2人(咲さんと笹山さん)に説明するのに時間がかかってな」

あれで時間がかかったのか?と陸は内心思う

 

「で、なんでクリスさんが来てるんですか?」

「ダースと一緒に登校した方が色々楽だから」

そのまま一同は学校へと歩き始めた。

 

 

ドンガラガッシャーン

「命だけは助けてくれ!他は何でもやるから!」

 

裏路地で男は道の奥にワニ型リーチャーに追い詰められていた。

 

「・・・」

 

ワニ型は無機質な眼を浮かべて少しずつ男に近づいていく。男の肩を強く持ち、頭を口元に運んでゆくと、口に含んで首を千切った。

男の断末魔が付近に響き渡る。

 

「何だ!?誰かの叫び声が聞こえたが…?」

「あっちの方ね…行きましょ!」

 

陸たちは断末魔の方向へ向かった。

 

「うわっ、何この臭い・・・」

「クリス、しばらくの間やつを引き付けてくれないか?」

ダースがクリスに言う

「分かったけど…何かするの?」

「特に何もしないさ・・・」

「そう…さぁリーチャー!こっちへ来なさい!」

 

クリスがその場を去った後、2人は奥の死体を見つめていた。

「偶然クリスの所から見えない位置だったけど、見えていたらクリスは一体何をしたんだろうか」

ダースは陸に答えの返ってくるはずの無い疑問を問いかける

ダースは頭の無い死体の簡易的な頭を作り、ワープをする。

「先にクリスのとこに行っといてくれ、俺はこいつを特殊課に持っていく」

言い終わった瞬間にダースは特殊課へワープしていた。

 

「こんな事が今まで日本で繰り広げられていたのか…」

陸は今まで海がリーチャーに襲われてない事に安堵し、同時に自分に怒りを感じていた。

「(何で僕は海があの人の様になってなくて良かったと思ってるんだ!)」

人が一人死んだのに悲しみではなく安堵を浮かべた自分に対して

 

「おっと早く行かないとな」

陸の目は怒りを灯してワニ型の方へ走っていった…

 

眼前に迫っていた鉤爪を間一髪で避ける

「(もしもの時用にスピードアップシューズ履いてきててよかったぁ)」

クリスは心からそう思っていた。

 

「クリスさ~ん、大丈夫ですか~?」

「陸、遅い!」

「ごめ~ん、試したいことがあるから1分くらいそのままで居てくます?」

「出来るだけ早く!」

「(確かドライバーをソケットレンチの取っ手に挿してそれから…よしできた!)」

 

陸はシクレガンを全て合体させて剣を作っていた。

 

「これ以上は無理だよ陸!」

「クリスさん!避けて!」

 

声がした方向に一瞬振り返り、クリスは避けた。

 

「タァ!」

 

陸は飛びながらワニ型に向かって剣を振り降ろす。ワニ型の肩の部分に刺さると、痛々しい見た目になっていた。

 

「うわぁ…」

「陸、あいつが悶えてるうちに分離させて銃にして!」

「分かった!・・・はいよ!」

「ありがと!」

 

クリスは制カバンから水を取り出し、指を突っ込んで銃口に流した。

銃弾はちょうど肩に当たり、少しずつリーチャーは人に戻ってゆく。

 

「痛ッ!!・・・ってなんで私ここに?」

「・・・っと、ちょうど終わったみたいだな」

「え何で急に!?今まで居なかったのに!」

リーチャーから戻された女性の手を握りダースは

 

「超能力、ですよ」

 

と笑って言って女性の肩の傷を治し、そして

 

「忘却」

「消す記憶は…さっきの記憶だけでいっか」

「ちょっと待ってください、今度はなんですか?」

「記憶を消してるだけだよ」

「記憶を消す事を日常のように言わないでください!…て言うかまず機械で消してたんじゃなく超能力で消してたんですね」

ダース達にあってから感覚がおかしくなったのか、陸は新しい超能力の事を聞いてもたいして驚かなかった。

 

「そんな事より今から転移しないと遅刻するぞ」

「本当ですか!?えっと僕の荷物は・・・あった!」

「私の荷物は確かあの裏路地の方に…」

 

クリスが荷物を取りに行ってる間にダースは女性から記憶を消していた。

 

「あれ?私なんでここに…あ!もうこんな時間じゃない!早く行かなきゃ・・・」

 

女性は今まで何も無かったように走りだした。

 

「ああいう風に何も知らない人たちを殺人者に変えてしまう…」

「忌むべき存在だな、大谷博士は・・・」

ダースは女性の走った方に向かってそう呟いていた。

 

「ダース、早くワープして!」

「はいはい、転移」

人気(ひとけ)のないところに転移した後、陸たちはダッシュで校門まで向かった・・・

 

 

陸は授業中も頭の無かった死体のことを考えていた。

 

「(あの人にだって家族は居たんだろうなぁ…両親はいつまでも子供が死んだ事を知らないままで居るんだろうか?)」

「だとしたら、悲しいな」

「授業中に独り言を呟いているのかな?白木陸くん!」

ポン、と原田先生は先生用の教本を丸めたものを頭に叩きつけた。

「授業中は授業に集中しなさい!」

「は~い」

「さて、今日はたしかDNAについてだったな…」

「DNAは分かりやすく解釈するとその人だけが持つ一種の証明書みたいな物だ。」

「…そういえば最近はRウイルスって言うやつがあるらしいな」

「それは塩基配列を別の生物達と人間の中間のような状態にしてあんな風になるらしいぞ」

「(あれ?前咲さんから聞いたウイルスの説明とちょっと違うような…?)」

 

 

―昼食時―

「海ちゃんの弁当可愛いね」

「でしょう?クリスさんのも見せてよ~」

「私のはちょっと・・・」

「そんな事言わずにさあ」

 

陸たちは教室で昼食をとっていた。

女子2人組みは最初のころとは違い、だいぶ仲良くなっていた。

一体何があったのだろうか?

 

「そんな事やってたらクリスのご飯が落ちるぞ・・・って言ったそばからこれだよ」

ダースは呆れたようにため息をこぼす。

「あ、ごめん!クリスさん…」

 

「クリス、これやるよ。」

「え?これダースのパンじゃない…本当にいいの?」

「いいんだよ、おなか空いた時用に余分に買っておいたからさ」

「本当にごめん、全部私が悪いのに…」

「いいのいいの海ちゃん、ダースがこう言ってるんだしさ」

ダースって自覚してないけどかなりイケメンだよな、と陸は意識し始める事となった…

 




今回もかなりの展開を見せたような気がします。
陸はやっと大谷博士達に怒りを覚え始める回でもありましたし、
ダースの8つ目の能力も判明しました。
展開が速すぎますが、現状はこのままで行きたいと思います。
こんな作者の書く次回も読んでくれると、とても嬉しいです~

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