IS〜愛しき貴女へ捧げる我が人生〜   作:TENC

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episode. 8

「ふぅ、初日からハードだったなー」

 

 授業を全て終え、山田先生から貰った、寮の鍵を持って、寮の廊下を歩きながら、今日1日を振り返る。

 

 自分と、一夏以外の男子は居らず、360°女子に囲まれ、好奇の視線に晒される。

 そして、面白さだけで、面倒な事に立候補させられ、そしたら、オルコットがキレて、余計面倒な事になる。

 

「てか、1日に詰め込み過ぎじゃね?」

 

 何だろうか。あの二人と一緒に居て、多少の事では、疲れないつもりだったが、人生侮る無かれ。まさか、あのバカ共と一緒にいるよりも濃い1日をするだなんて、思って無かったなぁー。流石は、IS学園。ある意味、世界一濃い学園だな。

 

「さてと、俺の部屋は‥‥‥‥此処だな」

 

 取り敢えず、考え事をやめて、自分の部屋を探す。

 部屋番号は、1059で、真ん中辺りなんだが、いかんせん周りの女子からの視線がキツい。

 俺は、上野のパンダかよ

 

 そんなこんなで、自分の部屋を見つけて、取り敢えずノックをする。

 一応、此処は女子校の様なもんだ。もしかしたら、同室の奴が、一夏じゃ無いかも知れないからな。

 

「反応無し。一応、もしもの時も考えて、構えとくか」

 

 ノックを数回したが、部屋からは声が聞こえて来ないので、多分大丈夫だろうと思いつつも、もしもの時の為に、構えをしたまま扉を開ける。

 

「人が居る気配は無し。まぁ、当たりかな?」

 

 山田先生から、鍵を貰った時に確か、俺か一夏の何方かが一人部屋って言ってたからな。

 一人部屋が良いと思ってたら、本当に一人部屋だった。

 一夏よ。強く生きるんだぞ。

 

「ん?メールと不在着信?誰からだ?」

 

 荷物を軽く纏めて、スマホの電源を入れると、メールと不在着信の通知が来て居た。

 はて、今日は何かあったっけ?

 

「取り敢えず、不在着信の人は‥‥‥来夏先生?何で?」

 

 来夏先生とは、俺が行く筈だった学院の教授の一人で、俺の目標の為に必要な事を教えてくれたり、一緒し考えてくれたりしてくれた人だ。

 IS学園に強制入学する事になった時に、頭下げて謝ったら、笑顔で許してくれた。本当に良い人だよ。

 

『あ、もしもし、双刃くん?』

 

「はい。そうです。あの、来夏先生。俺に何か用ですか?」

 

『そうだよ。IS学園に行っちゃったから、勉強に困るだろうから、教科書とか、君が見たがってた医学論文のコピーを送ったんだけど、貰ったかなって』

 

「え!マジですか!?あ、そう言えば!」

 

 来夏先生と電話で話しをしながら、終わりのSHR終わりに貰ったでっかいカバンを開くと、『神経外科』『神経内科』を始めとする様々な医学教科書が、入って居た。

 

『どうやら、届いていたみたいだね。それじゃあ、頑張ってね。それで、もし分からない所があったなら、メールなり電話なりで聞いてくださいね』

 

「ありがとうございまーす!」

 

 来夏先生との通話を終えて、スマホと貰った教科書を駆使して、勉強を始める。

 俺が、普通教科をサボって良いかと聞いた理由。それは、俺が行き学ぶ筈だった医学の勉強の為だ。

 

 

 そして、次の日の朝、織斑先生から了承を得た俺は、実技の時とIS理論の授業以外は、サボり、来夏先生から貰った教科書や医療論文のコピーを使って、勉強を始めた。

 

 そして、来週末には、メールの送り主で、かなり有名な病院の医師の人の所に行って、技術指導だ。

 よし、頑張りますかね。

 

 それと、勉強中に、廊下ぎ騒がしくなってたが、そんな事気にせず、俺は勉強を進めた。

 あれ?なんか、一夏の声が聞こえるな。

 まぁ。気の所為だろ。

 




来夏先生。本名佐崎来夏。医学界の天才。チートキャラの一人。
医者の癖して、ドライビングテクニックが半端ない。頭文字Dと湾岸の主人公を足して二乗したぐらい。

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