IS〜愛しき貴女へ捧げる我が人生〜   作:TENC

7 / 58
episode. 7

「あ"あ"あ"あ"ぁぁぁ!!!!づがれだぁぁ〜〜」

 

 クラス代表決めの騒動を、何とか丸く収めた俺は、昼休み屋上で、寝っ転がって居た。

 なんか、そんな緊張感なかった筈なのに、身体がだるいわ〜。昨日、徹夜し過ぎたが?

 

「さて、当日は何をしようかな」

 

 俺が、織斑先生に提案したのは、俺と一夏とオルコットとの三人での、代表決定戦だ。

 投票じゃあ、オルコットが納得しないのは目に見えている。なら、戦えば問題無い。

 勿論、俺と一夏が、勝つことなんて頭に入れて居ない。クラス代表に、オルコットをさせる為だけに、決定戦を提案した。

 

「勝っても、一夏に任せれば良いし。負けたら、負けたで、マッドサイエンティストに頼んで、ISに反応する遺伝子を取り除けば大丈夫だろな」

 

 そしたら、俺は本来通りの大学に進む事が出来る。何て、すっぱらしいのでだろうか。

 

 因みに、オルコットの事は、出来る限り、障害無いように先生に提案した。

 織斑先生、一夏達にはバレて無かったが、殺気が漏れてたしな。

 けど、あの人外野郎と一緒に居た俺からすれば、感じ取れる量の殺気だった。

 

「にしても、一週間か‥‥‥」

 

 決定戦の日時は、来週の今日。つまり、月曜日となった。

 期限は、一週間。けど、訓練機を借りて、練習しようにも予約で一杯らしく、使う事は不可。

 まぁ、一夏には専用機が貰えるらしい。うらやま。

 

「けど、なんか、きな臭いな。世界に476個しか無いISコアを、最強の弟とは言え、素人に渡すなんてな。裏があるとしか思えないな」

 

 身体を起こしながら、どんな事があるか考える。

 考えた中で、一番可能性が大きいのは、一夏の生体データだろうな。

 なんせ、世界に二つしか無い生体データの片方だ。得ようとしない時点で、可笑しい。

 

「さてと、おい。其処で、隠れてる扇子持った水色髪の二年生。ストーカーとは、余り、穏やかじゃ無いなー」

 

「な、何でそうなるのよ!其れより、何で其処まで知ってるのよ!?」

 

 屋上に繋がるドアの影の方を向いて、そう問いかけると、『驚愕!』と書いた扇子を広げ、本当に驚いている二年生が出てきた。

 バレバレだ。

 

「内緒さ。其れに一年とは、言え年上だぜ?」

 

「あら、私は生徒会長ですよ?」

 

「なら、尚更、言葉には気をつけろよな会長さん」

 

 自分の事を生徒会長と言う彼女の笑顔に、俺は違和感を感じた。

 誰にでもよく捉えられるだろう、当たり障りない笑顔。だが、何処かは知らないが、違和感の感じる。

 

「さてと、茶番を終わっといて俺に何か用かい?会長さん」

 

「‥‥‥単刀直入に言うわ。貴方何者?」

 

 俺の問いに、さっきまでの人当たりの良い笑顔から、鋭いナイフ切っ先の様な視線を送る会長さん。

 なるほど、違和感の正体は此れか。

 

「何者?はて、俺は鉄双刃以外の何者でも無いぜ?」

 

「そう」

 

「聞く事が無いなら、俺は降りさせて貰うぜ。授業は、残ってるからな」

 

「そうですね」

 

 そう言って、後ろに手を振りながら、俺は屋上を去って行く。

 けど、何で会長の奴は、俺にあんな事を聞いたんだ?俺の経歴は、別段珍しく無かった筈、何方かと言えばあの二人‥‥‥

 

博斗(はくと)の野郎の仕業か。あの野郎、面白さだけで、人の経歴隠蔽すんなよ‥‥」

 

 その後、博斗の奴に電話を掛けて文句を言うと、ケラケラと笑いながら「なかなかじゃ無いか?年上の経歴不明の青年ってさ」と言われた。

 彼奴のやってきた事、バラしてやろうか?

 

 




博斗とは、双刃の悪友の一人です。
因みに、チートキャラの一人。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。