「おーい。鈴ー!」
「あら、一夏じゃない。どうしたのよ?」
「いや、双刃さんが買い物に付き合ってくれって。それで、遊びにも行くから鈴も一緒に行こうぜ!」
「いいわよ。丁度、私も暇して居た所だしね」
朝の騒動から逃れる為に、双刃さんの下へ行った後俺は双刃さんの誘いの為、丁度見つけた鈴に声をかけて三人でショッピングモールへと出掛ける。
「それで、何を買うんですか?」
「あー、食材とかだな。勉強してて腹減ったら作るから最近冷蔵庫の中が少ないんだよ。後はノートやら参考書だな」
「あ、そうだ。一夏、あんた水着持ってるの?」
「ん?何で、必要なんだ?」
「忘れたの?そろそろ臨海学校があるからでしょ?」
鈴の声を聞いて最初は訳が分からなかったが、臨海学校と聞いて納得した。
そういえば、そんな事をやるって千冬姉が言ってたな。すっかり忘れてた。
「まぁ、序でに買えばいいだろ?急ぎじゃあ無いんだからな」
「そうね。そうしましょ」
鈴のその言葉の後、臨海学校の話しを一旦終えて本来の目的の双刃さんの買い物に付き合う。
それより、さっきから付けて来ている奴らは誰なんだ?
「はぁー」
「どうしたのよ?いきなり、ため息ついて。らしく無いわね」
「まぁな」
さっきから気づいていたが、害がなかったから放置していたがそろそろウザくなって来たな。
「一夏、鈴。取り敢えず、お前らだけで選んでこい」
「双刃さんは、どうするんですか?」
「少ししたら、合流する」
「分かりました」
取り敢えず、口を出すために二人と別れてさっきから後を付けて来ている連中の下へと赴く。
一夏は、微妙なところだったが鈴は俺が何をしに行くか、何となく気づいているようだ。流石は一年で、候補生になっただけはあるな。
「はぁ、お前らな。隠れるなら、もうちょっとちゃんと隠れろよ。鈴ならまだしも一夏に勘づかれるとかバカじゃねぇの?セシリア?シャル?んで、なんでお前も居るんだよボーデヴィッヒ?」
「ふ、双刃さん?!」
「え、えと、これは、そのー、あは、あはは‥‥」
「この二人に巻き込まれた。成り行きでな」
「「ちょっとラウラ(ラウラさん)!」」
物陰に隠れていたセシリア、シャル、ボーデヴィッヒの三人に後ろから声をかけるとセシリアは驚き、シャルはしどろもどろになり乾いたラウラ笑い声を出し、ボーデヴィッヒは正直に言ってくる。
いや、ほんと何でお前まで居るんだよ。
「はぁ、どうせ朝の騒動からいきなり俺と鈴との三人で出掛けたから、気になって後つけたってのが建前で、本当は一緒に居たいけど朝の事があるから素直になれないってのが本音だろ?」
「「は、はいその通りです(その通りですわ)‥‥」」
「ああ、そうだな」
はぁ、全くこいつらは。朝の事を気にして居るんだったら一夏にちゃんと謝れば済む話だろうに。変にプライドが高いセシリアは兎も角、シャルはそういうのは出来る筈だろうに。
「はぁ、まぁいいや。行くぞ。あっちもなんか変化あったみたいだしな」
そう言って、二人が行った場所を指差すと其処には、二人と織斑先生と山田先生の二人が一緒に居た。
セシリア達がぎこちない歩き方で其処に向かうのを確認してから、俺も向かおうとして、足を止めて振り向きそのまま拳を振り抜いた。
「おいおい、振り向きざまにそのまま正拳突きとか、物騒だな?」
「てめぇ、言われたかねぇよ。統真」
拳を受け止めたところには悪友が、憎たらしい顔で笑って居た。