訓練機にすると、主人公のチート加減が出るかもだし、専用機だと多分最強だし。
困った。
「ーーーですので、ISには注意が必要なんです」
山田先生の話しを聞きながら、いや、正確には流し聞きしながら、
「(やべぇ!何言ってるのか、全く持って分かんねぇ!てか、今何処やってんだ?!)」
パラパラと自分の教科書を、めくりながら、山田先生が今、何処の話しをやっているのか探すが、全然見つからない。
「それじゃあ皆さん、分からないところがあったら挙手して質問してくださいね~」
不意に、山田先生のそう言っているのが聞こえ、恐る恐る手を挙げる。
「あの、先生」
「はい!織斑くん!」
「全部分かりません!」
「はい!‥‥へっ?え、ええぇぇぇ!!??」
ガタタタタ!!!
俺の言葉に、ワンテンポ遅れて驚く山田先生と、机から転げ落ちる女子達。
え?其処まで?
「え、えっと……。他に分からない人はどれくらい居ますか……?」
「「「「「‥‥‥‥」」」」」
山田先生が、少し涙目で、他の皆んなに聞くが、誰も手を挙げる気配は無い。勿論、双刃さんもだ。
マジで?
「……織斑、入学前の参考書は読んだのか?」
呆れた感じの千冬姉が、聞いてくる。
参考書‥‥‥?あ、もしかして、あのめちゃくちゃ、分厚いやつか。確か、あれなら。
「タウンページと間違えて、捨てましたヘブッ!?」
真面目に答えたら、出席簿を振り下ろして来た。理不尽だ。
「予備を渡す。一週間で、覚えろ」
「いや、流石にあの量を一週間では‥‥」
「やれと言っている」
「‥‥はい」
千冬姉の言葉に、渋々ながらも頷き、山田先生にやっているページを聞いて、また授業を再開してもらう。
はぁ、先行きが不安過ぎて、着いて行けない。
一限目の授業を終え、教室を開いて行こうとした織斑先生を呼び止める。
「あ、織斑先生。話したい事が有ります」
「ん?なんだ鉄?」
織斑先生を呼び止めた事で、背後から、視線が痛いほど感じるが、無視して要件を伝える。
「普通教科とかある訳ですよね?」
「そうだな」
「IS関連の授業は出ますので、普通教科は出なくて良いですか?」
ガタッ!と後ろで音が聞こえる。
自己紹介にも言ったが、俺はお前らよりも3歳年上なんだよ。
「‥‥確かに、貴様なら問題無いだろうが、私一人では、決めかねる。学園長と話して置くから、今日はちゃんと出ろ」
「分かりました」
そう言って、織斑先生と別れて、自分の席に着くと、一夏が話しかけて来た。
「あ、あの、サボっても大丈夫なんですか?」
「おう、大丈夫大丈夫。だって、俺高校卒業してるからさ」
「あ、そういや3歳年上でしたね」
「序でに言うと、大学に合格してた」
「あの、なんか、ドンマイです」
「言うなや一夏」
哀れみの目を向けてくる一夏を軽く叱って、次の授業が始まるのを待っていると、誰かが近づいてくるのが、分かった。
「ちょっと、宜しくて?」
どうやら、今日は面倒くさくなりそうだ。