「ああ、忘れていた。鉄。自己紹介しろ」
「あ、はい」
織斑姉弟のコントを傍観していたら、織斑先生に自己紹介する様に言われたので、席を立つ。
おおう。この好奇の視線の筵にされるのは、流石に慣れないな。まぁ、こんな事で狼狽えるぐらいでは、個性的過ぎた俺の高校は、生き残れないぜ!
「えーと、鉄双刃です。年は、18歳で君達の3歳上です。特技は、瞬間記憶。三年間居れるか、分からないが、よろしくな」
「「「「「はい!」」」」」
俺の自己紹介の後に、元気な声で、返事を返してくれる。うん、元気な子は嫌いじゃないぜ。
「いいか、織斑。自己紹介とは、こうやるのだ」
「そんな事いってもよ。千冬姉ヘブゥッ!」
「織斑先生だ!何度言えば分かるのだ貴様は?」
うわぁ、痛そうだな。
ううん、俺としては余り好ましく無いけど、何かを言うより、一夏が名前で言うのを辞めさせれば、問題は無くなるな。
「さてと、席に着け鉄。さあ、
「「「「「はい!」」」」」
横暴とも言える織斑先生の言葉に、何の疑問を考えていないだろう女子達は、俺の時よりも大きな声で、大声を挙げて返事を返す。
うーん、個人的に物事を強制されるのは好きじゃ無いけど、一応、この人なりの考え何だろうけどな。
ただ一つ言わせてくれ。此処は軍隊か?
「〜〜♪」
「あ、あの、ちょっと良いですか?」
「ん?」
SHRが終わり、鼻歌混じりに次の授業の準備をしていたら、ファーストの一夏から声をかけられた。
「おお、一夏くんだね?何か、俺にようか?」
「えと、男子は俺と双刃さんだけなので、仲良くしたいかなって」
「ああ、良いよ。まぁ、確かにこんな状況だもんな」
そう言って、周りを見渡すと腐海の波を感じたので、即座に頭の中から、振り払う。
そっち系の事には、理解は出来るけど、自分に向けられるのは絶対に嫌だからな。
「其れで、何か俺に聞きたい事でも有るのか?」
「い、いえ、挨拶した方が、良いかなって」
「うん、良い心構えだな」
挨拶は大事だ。
年上の人でも、年下でも挨拶から始めるのが大事だ。
まぁ、年下でしない奴は、それ相応の対応をするがな。
「ちょっと、良いですか?」
「ん?」
「あ、箒」
一夏と話をしていたら、ポニーテールの女の子が、俺らの話の輪に入って来た。
「ちょっと、一夏を借りて良いですか?」
「ん?ああ、良いよ。それじゃあ、一夏を宜しくな」
「はい。行くぞ、一夏」
「お、おい!待てって!箒!」
箒?と呼ばれた少女に、腕を引っ張られて、教室を出て行った一夏を見送った後、次の準備を手早く終えて、自分の腕を枕に俺は、眠りに着いた。
『歯ぁ!食いしばれぇ!!!!』
「はっ!」
バシッ!
「目は覚めたか?鉄」
「ええ、バッチリと」
寝ていたら、夢に出て来た俺の友人の言葉に、ハッとなって顔を上げて、迫っている出席簿を真剣白刃取りをする。
受けた後、俺の前には、我らが担任の織斑先生が、出席簿を振り下ろした状態で、立っていた。
さ、流石は
「言い訳良いですか?」
「聞くだけ聞こう」
そう言っても、未だに出席簿にチカラを込める織斑先生。いや、どんだけ人の頭を叩きたいんですか、言っときますけど、何が何でもやらせませんぜ。
「昨日、少し徹夜してまして、其れで殆んど寝てないんですよね」
「ほう?では、徹夜してまで何をしていた?」
「勉強ですよ。動かした所為で、行く筈だった大学に行けなかったんですから」
「そうか。なら、次からは気をつけるんだな」
そう言って、出席簿に加える力を止めて、前へと戻って行く。
あ、授業は山田先生がやるんですね。
はぁ、何か疲れたなー。
前書きの続き
チートのレベルを言うと、織斑先生並みの身体能力に高さです。