『あははは!!マジ!?こりゃ、傑作だわ!!』
「笑い事じゃねぇーよ。こっちは、大変だったんだぜ?」
『そんな事言っても、僕と統真には関係無いじゃん』
「知ってるわそんな事」
1日の終わり、自室のパソコンから流れる二人分の声と会話を続ける。
気怠げな俺の声とは反対に、画面の向こうに座るアホ二人の声は、面白い物を見つけたように明るい。
画面を通じて会話ししているのは、俺の高校時代での悪友二人。一人は、俺の個人情報を面白そうと言う理由だけで隠蔽したマッドサイエンティストの
そして、人外の
『それで?決定戦は、どうだったのさ?』
「聞くまでも無いだろ?どうせ、モニターハックして観戦したくせに」
『あ、やっぱり知ってた?』
「当たり前だ。お前とは、一番の付き合いだろうが」
『あはは、それもそうだったね』
統真とは、中学の中頃からの付き合いだが、博斗とは幼稚園からの幼馴染だ。
彼奴が、俺の考えることが分かるように、俺も彼奴のやることが分かるのだ。
此奴らは、あれが偶に話す一夏に事とか、一夏ラヴァーズの行動を聞かせば、爆笑して面白がる。
此奴らとしては、自分達の知らない事だから気になるんだろうが、其れを身近に感じている俺個人としては、其処まで面白く無いものだ。
一頻り笑いながら話しながら、時間の潰していたら、博斗の奴がクラス対抗戦の事を切り出した。
『そう言えば、来週辺りにはクラス対抗戦があったよね?』
「ああ、確かな。其れが、どうしたんだ?」
『大した事じゃ無いけど、一つアドバイスしておくよ。空からの光を気をつけな』
『其れじゃあな。また、面白そうな話して期待しておくぜ』
博斗が、珍しく真剣な顔つきで、そう言うと二人は手早くログアウトした。
二人との会話を終えて、椅子にもたれかかって、天井を見上げる。
「バカが。其れは、アドバイスじゃなくて、警告って言うんだよ」
博斗の意味ありげな言葉に、頭を抱えながら俺は、1日を終えた。
「んんーーー」
仄暗い部屋の中で、明るい光を放つパソコンの画面の前に座る人影が一つ。
彼の名前は、海原博斗。天災と謳われる篠ノ之束に負けず劣らずのマッドサイエンティストだ。
「刃の奴、意外と楽しんでたなー。久々に呆れ笑い見たなー」
さっきまで、悪友であり世界で二人目の男性操縦者であり、幼馴染の鉄双刃と二人から人外と呼ばれる武神統真の三人で、ライブチャットをしていた。
「さてと、僕は僕の方で頑張りますかー」
そう言って椅子から立ち上がり、奥の方に行くと其処には薄く発光する球形の機械。
此れから始まるのは、凡人に成し得ない事。