やっと出せた。
「「「「「カンパーイ!!!」」」」」
IS学園の食堂で、賑やかにパーティーが開かれているのを、ベランダで眺めながら、俺は医学書を読み耽っていた。
「鉄さーん!」
「ん?おーう」
時々、中の女子達に声を掛けられたら、手を振り返して対応する。そんな事を繰り返していたら、一際賑やかな声が聞こえ、意識を食堂内に向けると、ネクタイの色が周りと違う女子が居た。
確か、あの色の学年は2年か。
二年生が、何の為に来たんだ?まぁ、俺に話し掛けて来なければ、然程如何でもいい事だがな。
「そういや、今週末は予定がなかったなー。久々に彼奴らに会いに行くか」
「双刃さーん!双刃さんに、話しがあるって人がー!」
「おう、分かった」
今週末の予定を決めた俺は、手に持っていた医学書を閉じると、不意に一夏に呼ばれ、賑やかな食堂内へと入って行った。
「ちょっと、来ないだけで物凄く来ていない気持ちになるなー。まぁ、家や学校に次いで居る時間が長かったからな」
一夏がクラス代表となってから、一夏の事が好きな箒とセシリア(パーティー後から、名前呼びになった)の面白煩い言い争いや、実技での織斑先生のスパルタ何かが、あってからの一週間を終えた俺は、とある病院に訪れていた。
“東都総合病院”高校時代(今も高校時代だが)で、家と学校の次に俺の居る時間の多かった場所だ。
懐かしさを感じつつ、俺は病院を中へと入って行く。
「やぁ、お久しぶり双刃くん」
「如何もです。来夏さん。いや、急なお願いだったのに、聞いてくれてありがとうございます」
「いやいや、
「其れは、嬉しいですね」
受付で、手続きを済まして、目的の病室に向かおうとした時に、前に居た人物から声を掛けられる。
その人は、中性的な形をしているが、列記とした男性で、俺の先生でもある
「にしても、こんな所で油売って大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ。午前のオペは、二時間後からだからね」
「そうですか」
来夏さんは、所謂天才の部類で、二十歳足らずで医療免許を取って以来、医療機関のトップをひた走っている凄腕の医者だ。
だから、本来病院でこうして、来夏さんに会うなんて事は殆んど無いが、今日は早めに来た為か、会えた様だ。
その後は、時間のある来夏さんと一緒に目的の病室へ向かう。
「彼奴、個室に移ったんですね‥‥」
「母親のご意向でね。こればっかりは、仕方ないさ‥‥」
来夏さんに、受付で知った事を言うと、不意に奥歯を噛み締め自分の拳を握り締めてしまう。
来夏さんは、慰めの言葉を掛けてくれるが、力を弱める事が出来ずに、病室に前に着いた。
扉に手を掛ける前に、深呼吸して呼吸を整えて、表情を戻して扉を開ける。
「あ!おはよう双刃」
「おう。久しぶりだな
個室にある一つベッドの上に上半身を起こして居た彼女は、扉が開かれて俺が来た事を確認すると、笑顔を向けてくる。
俺が、医者を目指したキッカケであり、俺の目標の原点であり、一目惚れした少女の名だ。
最後が、ちょっとおかしいかもですね。でも、自分的には、此れで良いんです!此れが良いんです!