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此れからも、出来る限り頑張るので、読んでいって下さい。
弾幕の戦場。
今、アリーナで行われている鉄双刃とセシリア・オルコットの戦闘を表すのに、此れほど適した言葉はないだろう。
モニターには映る戦闘を眺めながら、私は、黒方に感嘆の息を漏らした。
私は、前日に楽しませてくれと言った。だが、此れほどの事は、期待しては居なかった。
「特筆すべき点は‥‥」
「鉄くんが、訓練機を使って、専用機を持っているオルコットさんに、有利に戦いを進めている事ですね」
「確かに、そうだが」
隣で、モニターを見ている山田先生が、私の言葉の後に続く様に答える。
確かに、訓練機と言う枷を抱えながら、専用機と言う格上相手に、互角どころか、有利に戦っているのだ。
だが、見るべき点は、其処では無い。
「鉄の戦い方をよく見ろ」
「え?‥‥‥まさかっ!?」
私が、ヒントを与えると、モニターをジッと見る山田先生は、数瞬後に気付いたのか、驚きの声を上げる。
「特筆すべき点は、鉄の技術だ。だが、其れと同時に戦術も入る。鉄は、スタート地点から5m四方の範囲でしか動いて居ない。そして、攻撃の
「た、確かに。そ、そうですね」
鉄は、BT兵器の最初の攻撃のみ後手に回ったが、それ以外は、オルコットが行動を起こすよりも早く、攻撃を繰り出している。
私と彼奴が戦って、何処まで行けるだろうか。負けない事は、無いだろう。いや、彼奴がもし数多ある行動パターンを予測して、
良くて、辛勝。悪くて、引き分けか?いや、もしかしたら負けるかも知れない。
「末恐ろしいな」
「全くです」
こんな戦い慣れした事をするのに、医師にしか興味が無いのだ。勿体無い。
いや、だからこそか。
「そろそろ、決着ですかね」
「ああ、そうだな」
フィールドを映したモニターの横にある、二人のSEを示したモニターには、オルコットのSEが0に近くなっているのに対し、3桁も残っている鉄を映す。
『おい、オルコット。お前は、あの時年上に何が出来ると言ったな?』
オープン・チャネルで、話す鉄の顔は、信じられないくらい感情が無かった。
『コレが、年上に出来る事さ』
『っ!?』
「なにっ?!」
「うそ!?」
そして、次に発せられた言葉と、その後に起きた事に、戦っているオルコットとモニターで、眺めている私と山田先生は、驚きを露わにした。
彼奴が、今手に持っているのは、自動装填式のショットガン。其れは、オルコットの持っている様なスナイパーライフルの様に、狙って撃つよりも散弾して、全体的に攻撃するものだ。
だが、鉄が先程やったのは、散弾では無く一発の弾丸を銃口から打ち出し、展開されて居なかったオルコットの二基のBT兵器を狙い撃ちし、爆散させる。
あり得ない。あり得る訳が無い。
そうとしか言えない光景に、山田先生だけで無く、私も開いた口が塞がら無かった。
『
『っ!!!!』
鉄は、ショットガンをアサルトライフルに帰ると、イギリス語で終わりを意味する言葉を放つと、姿がブレた。
「
「知識としては、教えていましたが、まさかやって遂げるなんて」
私達の呟きを他所に、オルコットの懐に潜り混むと、アサルトライフルの銃口を腹に当てると、引き金を引く。
『チェックメイト』
『きゃあああああぁぁぁ!!!!』
『セシリア・オルコット。シールドエネルギーエンプティー。勝者、鉄双刃』
そして、オルコットの悲鳴と爆発音と共に、鉄の勝利が、告げられた。