薔薇の騎士   作:ヘイ!タクシー!

17 / 28
感想が貯まっていく………
感想を出してくださる皆様方。申し訳ございません。作者、全部を返せそうに無いっす。
励みになったり、皆様がどう言った解釈をしていただいてるのか、とか。創作意欲の手助けをして貰っているのですが、返信に時間が………

感想事態は読ませて頂いてるので、そこだけは安心して下さい。マジ、励みになってます。
これからも応援よろしくお願いします。










選択(ステータス一部更新)

 一度だって、彼女を思わなかったことは無い。

 私は、何時だって貴女の幸せを願っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は生まれた時から忌み子だった。

 

 

 私を生んだ直後に母は息を引き取り、よく分からない知識のせいで大人びていた私を、父はいつも不気味がっていました。

 

 私を恐れてか、父は恐怖を罵倒の言葉に変えて私を罵りました。

 生んだ直後に母が死んでしまったのも原因か。はたまた、そういう下に産まれたのだと父の態度に諦めていた私が原因か。

 彼がすることは、私を無視するか罵るかのどちらかでした。

 

 父は街の傭兵団のトップだったので、世間体を気にして暴力は振ることはありませんでしたけど。

 だからと言って私にとって家は居心地が悪かったのも事実です。

 だから朝早く起きて、河川敷で知識にあった訓練を行い、日が暮れるまで家に帰らない。

 

 

 そんな子供はとても不気味な存在だったでしょう。

 

 

 何度か年上の子供達が話しかけてくれましたが、その時は余計な知識が邪魔をして、フランス語に慣れていなかった私は彼等が何て言ったのかわからなかったのです。元々、父からは罵倒の言葉しか聞いたことが無かったので、それも原因でした。

 話し掛けられても無視する私に、子供達はとうとう私を虐め始めたのです。

 

 いつしか、忌み子としての私の噂が、町中に広まってしまったのは当然の結果なのかもしれないです。

 ドンレミの村は結束力が強かったから。その中で異物の私は邪険にされる。それは仕方なかった。

 幼い頭でそう理解し、諦めるしかありませんでした。

 

 

 だから、いつもの場所で遠くから石をぶつけられながら稽古をしている私に、ジャンヌと知り合ったのも必然だったのでしょう。

 家はお隣さんだったのですが、私はいつも家にいなかったから。だから助けて貰った時、初めて彼女に会ったのです。

 

 虐めっ子達を追い払ったまだ腕白だった頃のジャンヌは、私に向き直ると話し掛けてきました。

 なんて話し掛けたのか、フランス語がわからなかった当時ゆえ、あまり覚えていないけど。それがジャンヌに伝わったのかゆっくりした言葉で何度も根気よく話し掛けてくれたのは懐かしい記憶です。

 まだ幼かったジャンヌが、たどたどしく私に言葉を教えてくれたのは今でも覚えています。

 

 

 それからは毎日一緒で。

 親の代わりにジャンヌが私を姉妹のように愛してくれて。

 彼女が私に愛と言うモノを教えてくれたのです。

 

 一度も愛されることなく放置されて数年育った私は、無意識ながら愛に飢えていたのです。だから私はとにかくジャンヌになつきました。

 そんな私をジャンヌは迷惑がる事もなく、常に優しく接してくれて。

 

 だけど………ジャンヌはとても清い心を持った人だから。不憫な境遇の私に憐れんで助けただけかもしれない。私だけを愛してくれる訳でもない。

 

 でも………それでも構わないのです。

 私は、あの時から。愛と言う感情を感じさせてくれたジャンヌの為になるのだと決めました。

 

 例え報われなくても良い。棘の道でも、苦しい思いをしても構わない。

 私を愛してくれるジャンヌが大好きで。彼女が私の希望だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ____________________

 

 

 私の目の前に愛したジャンヌがいる。

 キラキラと輝く彼女の髪を靡かせて、フランスの旗を掲げる彼女の姿。汚ならしい私と違って、どんな時も純情で、可憐な彼女がいる。

 ただ私が敵対していることに気が動転しているのか、いつもより魂の輝きが薄く、儚い印象が目立つ。

 彼女が何かに悩んでいる時はその光が僅に鈍る。

 

 ジャンヌの光が鈍っているのなら、私が傍に寄り添うことで支える事ができると言うのに。

 私はそれを行動に移すことが出来ないでいる。

 

 そして、そんな彼女の隣に、いつもいるはずのローズリィ()がいなくて。ぽっと出のような私の知らない人達が彼女の傍に立って、支えている。

 まるで、もうその場所(ジャンヌの傍)にいる資格が私には無いのだと告げているようだ。

 

「ハッ、ハハ………」

 

 これは私が見せる悪夢なのか。はたまた、罪を重ねた私への罰なのか。

 

「アハッ………ハハハ………」

 

「リィル………」

 

 護るべき、愛すべきジャンヌが。彼女のために世界に復讐しようとする私に、再び神の傀儡となって私の行いを正そうと立ちはだかっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」

 

 私は笑った。恥も外聞もなく嗤った。惨めに、憐れに、みすぼらしく、情けなく嗤ってやった。嗤うしか無かった。

 

 世界は何処までも私達に残忍で、横暴で、陰惨だ。そんな事をわかっていたから、私は神を、世界を殺そうとしていたのだ。

 

 ああ……それでも………私は世界を甘く見ていたのかもしれない。

 

 こんな………こんな凄惨なことを赦していいのか。こんな惨いことが罷り通って良いのか。

 ここまで侮辱されるとは思わなかった。こんなにも人の尊厳を愚弄するとは思わなかった。

 

 怒りを通り越して嗤ってしまう。

 

「………ぁぁ……ああ、ああッ、ああ! ああ!! ああ!!!

 どこまで……………どこまで私達を馬鹿にすれば気が済むのだ貴様等は!? どれ程ジャンヌを弄べば気が済むのだお前達は!?

 再びジャンヌを玩具にして!! 死後の彼女すら辱しめて!! 信じ続けるジャンヌを! どうしてそこまで蔑ろにできる!? 裏切ることができる!?」

 

 私の怒りに呼応して。黒く、黒く、何処までも黒く醜い感情が、視界を暗黒に染める。

 

 墜ちた堕ちたと思っていたが、ここまでとは。

 何処までも、いつだって、奴等は絶望に私達を叩き落とす。

 

 試練だとか困難だとか、そんな希望染みたモノではない。

 苦痛だとか苦悩だとか、そんな言葉で表せる程甘くもない。

 

 頭が沸騰しそうだ。おかしくなりそうなんだ。

 

「地獄すら生温いこの世界に私の存在が邪魔だというなら、最初から殺しておけば良いのだ! 中途半端に余計な希望を持たせるな!! 今更しゃしゃり出て、貴様等は何がしたいと言うのだ!!

 苦しみを与えたいのなら人を殺せッ!! 絶望を起こしたいのなら世界を壊せッ!!

 ――――これ以上、私の邪魔をするなぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」

 

 

 私は今、二つの選択を迫られている。

 

 目の前の大切な人を殺して、この世界を壊し、ジャンヌを呪縛から救うか。

 大切な人を殺したくないから、復讐を止めて、ジャンヌを世界に縛り付けたままにするのか。

 

 どちらも選べる訳が無い。選べる筈が無いのだ。

 

 ジャンヌを傷つけたくない、殺したくない。散々酷い仕打ちをされてきた彼女に、これ以上の責め苦を彼女に与えたく無いのだ。

 それは出来ない。例えどんなことが在ろうとも、彼女に危害を与えることが出来ない。

 

 されど、ジャンヌを自由に、幸せにしてあげたい。こんな残酷な世界で、永遠に苦痛を味あわせたくないのだ。

 ジャンヌを見殺しにするなんて、例え彼女が是と言おうが出来ない。本能がそれを許さない。

 

 

 ………これは、ジャンヌを解放するために始めた復讐なのだ。決してジャンヌに危害を加えるために始めたかった訳では無いのだ。

 なのに、現実はいつだって私達に残酷で。何一つ願いが叶うことは無い。大切な人を護ることすらも出来ない。

 何を行おうとも、その人が傷付く未来しか見る事ができない。

 

 願いを叶える為に突き付けられた二つの選択が、私の首を絞める。

 

 私は、どうすればいい。どう行動すれば良いのか、私にはわからない。

 何も、考えたくない。考えれば、私は苦しむことになる。これ以上は無理だ。限界だ。

 

 苦しい。苦しい苦しい苦しい。

 

 私が、私でいられなくなる。壊れてしまう。

 頭が、痛い。心が、悲鳴をあげている。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!」

 

 

 ただ、ジャンヌとの平穏を望んでいただけなのに、どうしてこうなってしまったのか………。

 

 ―――ああ………どうか、教えて欲しい。

 私は、どうすれば良かったのでしょうか。ねぇ、ジャンヌ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ____________________

 

 

 

 

 

 真名:ローズリィ・ゲール

 

 享年:18歳

 

 身長:153cm / 体重:45㎏

 

 出典:史実

 

 地域:フランス

 

 スリーサイズ:B84/W56/H86

 

 性別:女性

 

 イメージカラー:ピンク、洋紅色

 

 特技:ジャンヌ・ダルク、ジャンヌの世話

 

 好きなもの:ジャンヌ・ダルク

 

 苦手なもの:運命、陵辱

 

 天敵:神、世界、強姦男

 

 

 

 アヴェンジャー

 属性 混沌・悪

 筋力 A

 耐久 D

 敏捷 B (A+)

 魔力 A

 幸運 E

 宝具 A

 

 

 ・クラススキル

 

 復讐者:A

 忘却補正:C

 自己回復(魔力):A

 

 

 ・保有スキル

 

 ■■■魔術:EX

 前世の知識より持っていた魔術が憎悪により変質した物。怨嗟の炎は魂をも焼き尽くす。

 

 神殺し:B

 死に際に復讐を誓い、神を呪った伝承がスキルとなった物。

 

 無窮の武練:A

 ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下でも十全の戦闘力を発揮できる。

 

 投擲:A+

 ランクに応じて投擲技の威力が上がる。

 

 

 宝具

 

 聖女に賜りし魔剣(ラ・ピュセル・ガルディアン)

 ランク:C

 《対人宝具》

 ジャンヌから授けられた聖剣が魔剣へと変貌した剣。ローズリィの憎悪により本来のランクより下がっている。

 

 復讐の悪魔(ローズリィ・マカブラ)

 ランク:B

 《対人宝具》

 どんな状況だろうとその時に合わせて武器を奪い取り、敵の血で染まりながら戦場を蹂躙した彼女の伝説が宝具化したもの。

 彼女が手にした武器の主導権を奪う事が出来る。が、ジャンヌを守る為に用いた戦闘方法であり、本来のランクより下がっている為に聖剣•聖槍や神造兵装、またAランク以上の宝具を奪う事が不可能となった。

 

 

 永劫の我が絶望(デゼスプワール・エテルネル)

 ランク:EX

 《対神・対界宝具》

 

 伝承から宝具へと昇華した■■■魔術。

 

 

 

 

 




ジャンヌの前に、先にローズリィの独白を書きました。いい感じにバーサークして、まあ…………心が壊れて来てますね。良心が抉れそうです。

ついでにステータスを一部載っけて見ました。色々ツッコミたい所もあると思いますが多目に見てください。
そろそろ前世の方も関わらせようかなー、なんて考えてますので。
前世に絶望は無いので安心して

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。