俺の許嫁と幼馴染が同じバンドメンバーの件について 作:羽沢珈琲店
結果はまぁお察しの通りウェディングりみは来ませんでした。巴も同様にね。
だが!前イベの丸山彩ちゃん星4が来たことにより、落ち込み度が一気に解消されました!欲を言えば前イベの時に来て欲しかった!
そんなガルバ報告から第四話です、どうぞ。
前回までのあらすじ。
クマとM男が邂逅した。
「いや大雑把すぎね!?しかも俺はMじゃねぇ!!」
〇〇〇〇〇
「みーちゃん?」
久方ぶりに幼馴染との再会を果たした俺は体が固まってしまった。確かに、みーちゃんとは再会したかったけど、こんな形で出会うなんて……。でも、この感動を今ぶつけ……、
「ミ、ミッシェルの頭が取れたわ!!どうしましょ!」
「ミッシェル!死なないでー!」
「あぁ何故こんなにも世界とは無慈悲なんだ……」
「み、みんな……落ち着いて……!」
感動をぶつけたいのにこころ含むよくわからん三人組が騒がしくて邪魔をする。俺の感動を返せこの野郎!
「……まず、こころたちを落ち着かせてから話そっか」
みーちゃんはまたクマのぬいぐるみの頭を被り、ミッシェルは死んでないことを長々と説明し、俺を襲った謎の黒服さんに手伝ってもらわれながらみーちゃん本人がやって来た。
「改めて自己紹介します。ミッシェルの中の人の
「ミッシェルの中の人?何言ってるのよ美咲。貴方はキグルミの人でしょ?」
「あーそうですね。キグルミの人です」
「……何と無く察しまっしたが、大変ですね貴方も」
「花音さん以外にも理解者がいてくれるだけでもありがたいです」
こころにミッシェル=美咲ではないと断言され、言葉を返すのも疲れたようにげんなりする。
「ていうか、早く俺の縄を解いてくれよ!もう縛られてる必要なくね!?」
「あぁ忘れてた」
「俺たち親友だろ!?」
「いつ親友になったといつも言ってるんだが……。まぁいいや、ほい」
海は何処からともなく現れた黒服さんからハサミを貰い、縄を切る。最早、何処から現れたのか突っ込むこともなく翼を自由にさせた途端、翼は奥沢美咲を見つめそのまま突っ込んだ。
「みーちゃん!会いたかっ……ゴフッ」
何をしでかそうとしたのか聞く前にもう一度闇の彼方へと葬り去った海。
「ふえぇ!?だ、大丈夫なんですか……?」
「大丈夫だろ」
「大丈夫だよ花音さん。翼ってこう見えて頑丈だから」
「ほ、本当に……?」
「大丈夫さ先輩!」
「ふえぇ!?」
「急に起きるな」
急に目覚めた翼に花音が驚き、三度海の手刀で意識を失わせる。だが、三度目の正直という言葉があるように翼が意識を失うことはなかった。最早、二人とも人間ではない。
「ふふふ。海、お前の攻撃はもう俺には効かん!」
「あ、そう。なら、奥沢美咲さんでしたっけ?」
「美咲でいいし、敬語でもいいよ」
「なら俺のことも海と。それでこいつにバカか死ねと言ってください」
「なんて事を言って……!」
「翼のバカ」
「ぐはっ!!」
何故か血を吐きそのままぶっ倒れた翼。こいつ、本当にバカだな。
「えっと……薫先輩。私たちって何を見せられているんでしょう?」
「シェイクスピアにこんな言葉がある。見て見ぬふりも時には重要だ、と」
「成る程!」
軽く現実逃避を決めた二人だった。
〇〇〇〇〇
謎の血を吐いてそのままぶっ倒れた翼をそのまま放置したまま話を戻す。
「本題に戻って。美咲は翼の幼馴染でいいのか?」
「うん。幼馴染って言っても小さい頃に会ってただけだけど」
「なら、こころと美咲は知り合いだったのか?」
「いいえ。美咲とは初めて知り合ったわ」
「私もまさかこころと翼が知り合いだったなんて……思いもしませんでしたけど」
なら、翼が美咲を好きになったのはその頃からということか。許嫁だから昔からこころとは付き合いがあったはず。なのに、美咲のことを知らないとなると、内緒で会ってたのか?
「じゃあ美咲はこころが翼の何なのかも知らないわけか」
「え……それってどういう」
「翼はね、私の許嫁?というものなのよ!」
「はっ?許嫁?」
ん?今、明らかに動揺したように見えたが気のせいか?
「そうよ!ママとパパが大人になっても、翼とずっと一緒だと言っていたもの」
笑顔で答える彼女に許嫁の意味を知らせなくていいのかと一人悩んでいた海だったが、美咲の様子がおかしいことに気づく。
「どうした美咲?思いつめたような顔をして」
「えっ?あ、いや、何でもないよ。翼に許嫁がいたのかってことに驚いてただけだよ」
美咲は苦笑いになりながら会話を終わらせる。まぁ幼馴染に許嫁がいたらそれは驚くのも無理はないか。俺だって蘭に許嫁がいたら嫌だし。
「でも見た限りこころは許嫁の意味を理解してなさそうだよね」
「あぁ。さっき聞いたら分かってなさそうだった。翼も乗り気じゃなさそうだし、こころには悪いが多分実らなさそうだな」
「あ、そうなんだ」
(あれ?何で今、私安心したんだろ……)
こころが翼の許嫁と分かってから胸の奥にもやもやしたものが現れていたのだが、翼が本気ではないと分かった瞬間、ストンと気分が晴れたのだ。
「さて、日も沈んできたしそろそろ解散でいいですか?」
「えぇいいわよ。そうだわ!良かったらみんな、うちの車を使いなさい。住所さえ言ってくれれば黒服の人達がひとっ飛びで送ってくれるわ!」
「いや、家はこの近所だから歩いて帰る。はぐみとひまりは俺と同じ方向だよな?先輩方と美咲はどうする?」
「私も歩いて帰れるよ」
「花音と同じく」
「私も二人と同じかな」
「あらそう。翼は如何するのかしら?」
こころの一言で翼がいたことを思い出した。そう言えばいたな、一人のバカが。
「このバカはこのまま放っておくのもありだが、折角だからこころの家に泊まらせてやってくれ」
「それはいい案ね!黒服の人達お願いね!」
「はい。既に乗せております」
横を見れば既に翼の姿はなかった。本当に手際が良すぎて今後軽はずみな発言を控えようかと思った。
「じゃあ翼は任せた」
「えぇ!任されたわ!」
こころがリムジン車の後部座席に座ったのを確認すると、黒服の人達が運転席に移動し、猛スピードで帰って行った。
(ま、翼には悪いが俺を巻き込んだ罰としてこれくらいは許してくれるだろう。それに、翼にとってちょっとした朗報を手に入れたかもしれないからな)
俺の視線の先には、未だに姿の見えないリムジン車を見つめる美咲の姿があった。
美咲とこころの修羅場はまだ少し先になりそうですね。ここからムフフな展開にしていきたいと思います。ムフフ……。
因みにガルバでは『ハーメルンで投稿中』というまるっきり宣伝っぽい名前でやっていますので見かけたら蘭のスタンプなど押してもらえれば。感想で言ってくれてもいいですが。
空想劇さん、ギフト1さん、評価ありがとうございます。