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初めて弾幕を出せた日から数十日が経った。今では簡単に弾幕を出すことができ、能力も思い通りに使いこなせている。藍が言うには短い期間でこんなに上達するなんて凄いと驚いていた。しかしまぁ、退屈だった日常がまさかこんな非日常になってしまうなんて。人生は何が起こるか分からないものなんだな。
「そういえば叶夢はなぜ外の世界に戻りたがらずに幻想郷にいるんだ?親とかは心配しないのか?」
「うーんそうだな。強いて言うなら戻りたくないから、かな。」
「なぜだ?向こうで嫌なことでもされているのか?」
「いや、そうじゃないんだ。向こうでの生活に飽きちゃったんだよね。それと。」
「それと?」
「実は両親とも交通事故で死んでいるんだ。だから心配する人もいないし、多分友達も忘れるだろうし。」
「そうか、すまない嫌な事を思い出させたな。」
「藍が謝ることないよ。親はいなくなっちゃったけど、これで自由に好きなことも出来るし不幸なことはないよ。」
俺と俺の両親は2年前くらいに一緒に買い物へ出掛けたその帰りで事故にあった。俺らが乗っていた乗用車と居眠り運転をしていた大型トラックの衝突事故で乗用車は大破し、トラックは横転した。トラックの人は脚の骨を折ったり横転した時に頭を打って出血をする程度だった。両親は前のシートに座っていたということもあり衝突した時に死んでしまった。俺はというと後ろに座っていたからか死にはしなかったが全治4ヶ月もの大怪我をした。そのうちの1ヶ月は生死の狭間を彷徨っていたらしい。医者は助かったのは奇跡だと言うくらいの相当な怪我だったようだ。
退院後の学校や日常は忙しかったけど時間が経てば皆忘れていった。最初は可哀想だの困ったら助けるだの言ってはくるもののいずれは忘れてしまう。人ってのはそういう生き物だしな。騒ぎの後の日常はとても退屈で何もする事がなかったけど、幻想郷に来れて嬉しいと思っている。こんなにも素晴らしい世界があったなんてなぁ。
「それに幻想郷っていいよね~。自然豊かで気持ちがいい。」
「そうだな、幻想郷は良いところだ。叶夢も気に入ってくれて嬉しいぞ。」
「うん、すぐ気に入ったよ。」
幻想郷は都会と違い高層ビルが無く、森が多い。動物や花などの自然が好きな俺にとっては凄く良いところなのだ。
「それで、俺は次何をやれば良いのかな?」
「ふむ。それじゃ、空を飛ぶ練習をしよう。」
「え、空って飛べるの?霊夢の能力じゃないのに?」
「うむ。私や紫様も飛べるぞ。」
そう言って藍は飛んでみせた。そういえばルーミアも飛んでいたのを思い出す。空を飛ぶのは人の夢だけどとても難しいと思うんだけど、どうやって空を飛ぶのだろうか。
「だけどどうやって飛ぶんだ?俺は生身の人間だし。」
「そうだな、私は妖力で飛んでいるぞ。方法はあまり考えた事がないから分からないが、叶夢は霊力で飛べるんじゃないか?」
「そうか、やってみるよ。」
とは言ったものの方法が分からないんじゃ飛びようがないな。とりあえず霊力を身体に放出して纏ってみるかな。すると俺の体は少し宙に浮き始めた。
「おぉ!すげぇ!浮いてる!!」
「うむ。初めてにしては良い方だな。やるな叶夢。」
「うん。でも藍みたいに高くは出来ないな。もっと練習しなくちゃ。」
「その心意気だぞ。頑張れ。」
「おう!」
霊力を身に纏い浮いてみるけどほんの数センチしか浮かばない。やっぱり難しいなと思っていると風が吹いてきたような気がした。何だったのだろうと思いながら練習を再開すると、また風が吹いてきたと思うと風が俺を中心に吹いているような気がした。風はそのまま俺の周りを吹きながら宙に浮かせた。驚いていたのもあって何もしないでいたら周りの木よりも高く浮かんでいた。俺は驚き戸惑い焦ってバランスを崩したら風が消えて背中から落ちていった。
「え、あ。うわあぁぁぁぁ!!!!!」
ー藍sideー
叶夢は凄いな。こんなに早く弾幕と能力を使いこなしてしまうなんて。それに空を飛ぶことだってすぐに宙に浮かんでいた。本当に人間なのか疑ってしまうほどに上達が早い。しかしやはり空を飛ぶことは難しいようだな。何度も霊力を身に纏って試みてはいるが数センチくらいしか浮かんでいない。どうすれば良いのかこちらも考えていたがいきなり風が吹いたかと思うと消えてしまい、気付くと叶夢を中心に風が吹いていた。
(…おかしいな、私は草を操るとしか聞いていないが。)
第2の能力でも持っているのだろうかと思っていると、叶夢は高く浮かんで行き木の高さを越えていた。だが様子がおかしい。飛んではいるものの叶夢は風の存在に驚いていた。ということはあの風は叶夢の能力ではないのだろうか。色々と考えていると叶夢が体勢を崩し落下し始めた。
「え、あ。うわあぁぁぁぁ!!!!!」
(危ない!!)
言うより先に行動に移し空中で叶夢をキャッチする。
「おっと。」
咄嗟の出来事で抱きかかえたからか叶夢が恥ずかしがっている。ふふ、可愛いな。
「ありがとう、藍。助かったよ。」
「あぁ、どういたしまして。」
地上に降りてあの風について考えていた私は叶夢に聞いていた。
「あの風は何だったんだ?まるで叶夢が操っていたように思ったんだが。」
「それが俺も分からないんだ。いきなり来たと思ったら俺の周りで吹いていて、そしたら浮かんだんだ。」
「ふむ、不思議だな。紫様がいれば分かると思うんだが。」
「それは大体見当がついてるわよ。」
「紫様!」
「紫さん!」
不思議な出来事だが見当がついていると言った紫様なら分かっているのだろう。私は静かに紫様の言葉を待った。
ー叶夢sideー
いやぁビビった。まさか落ちるとは思わなかったし、藍がいてくれて本当に助かったよ。また後で礼を言おう。そして紫さんがいつの間にか現れてあの出来事について何かを言うようだ。
「叶夢の能力の事なのだけど。」
「はい。」
「実は草を操るんじゃないみたいなの。」
「…え?じゃあ俺の能力は一体。」
「それが叶夢の弾幕や能力の上達の速度が能力を覚醒させたみたいで、叶夢の能力は自然を操る程度の能力になったのよ。」
「え、自然を…操る?」
「えぇ、じゃなかったらあの風は説明のしようがないわ。」
なんてこった。俺の能力が草から自然を操る程度の能力になるなんて。自然操ったら凄くね?草木に空気、水や重力とかも操ることが出来るんだろ?ハッキリ言ってチートじゃん。
「それと叶夢、これから博麗神社に行くわよ。」
「何しに行くんです?」
「弾幕ごっこの練習よ。霊夢に手伝ってもらうわ。」
「分かりました。」
霊夢の所に行くのか。霊夢と弾幕ごっこやるとか強そうだな。全く歯が立たなそう。
藍に礼を言い紫さんのスキマに入り博麗神社に来てみたら黒いとんがり帽子を被って箒を持ったいかにも魔女っぽい金髪の少女が霊夢と話していた。
少々長くしてみました。ここからまた調整していきます。
それではまた。