自宅で寝てたら幻想入りしたんだけど   作:マム

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遅くなってすみません。



7話 弾幕はイメージだ

保存日時:2017年06月01日(木) 17:17

 

「パパー!ママー!見て!きょーそうでまた1位だよ!!」

「あら、凄いわね~!流石は私達の息子ね。」

「速かったなー!叶夢は将来スポーツ選手だな!」

「うん!ボク、スポーツ選手になるー!!」

 

笑い合う家族の姿がみえる。これは…俺が子供の頃の思い出か。楽しそうだなぁ。

 

 

「ん、んぅ。」

 

気持ちのいい朝の暖かさで目が覚めた。見慣れない景色だから幻想郷に来たのだと納得させられる。

 

「懐かしい夢をみたなぁ。」

 

あの夢は俺が6歳くらいの時の思い出だ。両親とも運動が出来る方なので遺伝で俺も小さい頃から運動は良かった方なのだ。運動会で競走して1位になって親に自慢し褒めてもらえた。一般的な家族の姿だ。もう元の世界に戻ることがないから思い返していたんだろうな。

 

「さてと、顔を洗いに行くか。」

 

布団から出ようとすると隣に違和感があった。なんだろうと思い布団をめくってみると、なんと紫さんが隣で寝ていたのだ。

 

「うおぁっ!!な、なんで!?」

「あら、おはよう叶夢~。」

「なんだ?どうした、叶夢。」

 

さっきの大声で近くを通りかかった藍が襖を開けてきた。そうだ、藍に紫さんをどうにか言ってもらおう。

 

「藍!いい所に来た!」

「どうしたんだ?」

「紫さんが俺の布団の中に!何か言ってくれ!」

「何してるんです?紫様。」

「昨日の夜疲れちゃったのよ、それで自分の部屋行くのめんどくさいから叶夢の布団にお邪魔したのよ。」

「紫様、叶夢は男なんですからそういうのは辞めて下さい。」

「いいぞーもっと言ったれーい。」

「それに叶夢は私の教え子なんですから。」

「あら、私はその教え子の面倒を見る権利はあるのよ。」

「紫様がそうなら。」

「??」

「私も叶夢と寝させてもらいます。」

 

んんんんんんんん!?何を言っているんだ藍さんよ。目的を見失ってないか?

 

「ダメに決まっているじゃない。それに、貴女には橙がいるでしょう。」

「3人仲良く川の字で寝れば問題ありません。」

「大ありです!!俺は1人で寝たいの!!紫さんは布団に入らないでください!藍も何を言っているの!」

「うぅ、ごめんなさい。」

「す、すまない。」

「あっ、えと。こちらこそすみません。朝から大声出して。」

 

しまった。俺としたことが。この空気、どうしよう。

 

「さ、さぁ。朝ご飯にしよう!藍、何か手伝う事はあるか?」

「う、うむそうだな。じゃあ味噌汁を頼もう。」

「よし!それじゃあ早速作ろう。紫さんも早く来てくださいよー!」

「えぇ、分かったわ。」

 

なんとか大丈夫かな。早く弾幕の練習もしなくちゃだしな。そのために朝ご飯をしっかり食べなきゃ。

ちょっと後ろから舌打ちのような音がしたけど聞かなかったことにしよう…。

 

無事食事も終わり食器を片付けている。橙は遊びに行き、紫さんはまたどこかへ、俺と藍は弾幕の練習を始めた。

 

「それじゃ、続きを始めるぞ。」

「りょーかい。」

 

弾幕を出す練習が始まったけどやっぱり出ない。そこで俺はどうにかして出ないものかと昨日の夜に考えていた。そして俺が出した結果はイメージをしてみる事だ。例えば、サッカーボールの大きさをイメージするとそれと同じくらいの大きさの玉が出るような感じだ。試しにやってみると。

 

「お、出た。」

「おぉ、やるじゃないか。」

 

実際に出てきた。イメージするとかなりやりやすくなるな。藍の顔を見ると驚いていた。

 

「凄いな。正直こんなに早く出来るとは思わなかった。」

「元いた世界の物をイメージしてやってみたんだ。上手くいって良かったよ。」

「なるほど、その手があったか。」

 

イメージして出来たから後は繰り返しやってもっと上手くするだけかな。

 

時間が経ち辺りは薄暗くなり始めた頃、弾幕の練習をし続けていた俺は短時間でかなり成長していた。今では15個くらい多く出せている。能力の方も弾幕の練習のおかげか少しずつ草を操れるようになっていった。

 

「だんだん良くなってきたじゃないか。」

「これで少しは俺も戦えるようになれたよ。ありがとう、藍。」

「私は何もしていないさ、叶夢が自分で頑張った結果だ。」

「いやいや、藍が教えてくれたから出来たんだ。感謝するよ。」

 

弾幕は出来るようになってきたし後は能力を完璧に使いこなす練習かな。草を操るくらいなら簡単だし今の俺なら出来るだろう。

練習の終わりにゆっくりと風呂に入る。湯船が温かく疲れがとれて休められる。風呂は本当に最高だな。

 

「叶夢、タオルはここに置いておくぞ。」

「あぁ、ありがとう藍。」

 

風呂の扉の向こうで藍がタオルを置いてくれた。本当に気が利くな。流石紫さんの式神だなと感心する。

風呂から出て自室に向かい寝る準備をした。明日もきっと疲れるだろうから早めに寝て体力を回復させなくちゃ。

俺は布団に潜り眠りについた。




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それではまた次回で。

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