今週からテストなんで勉強が大変なマムです。もう勉強やりたくない。
…見知らぬ部屋にいた。あぁ、確か幻想郷ってところに来たんだっけ?そして博麗霊夢っていう人が泊めてくれたんだったか。気だるく起き上がると音が聞こえてきた。音のする方へ行ってみると霊夢が朝ご飯を作っていた。なるほど、さっきのは料理を作っていた音か。邪魔しないように見ていると霊夢がこちらに気付いた。
「あら、遅かったわね。」
「…夜行性なんだよ。朝は苦手な方でさ。」
「なによそれ、あともう少しで出来上がるから昨日の部屋で待っていてちょうだい。」
軽く返事をして隣の部屋で座って待つ。暫くすると霊夢が朝ご飯を持ってきてくれた。メニューは白米に味噌汁、焼き魚。いたって普通の食事だ。
「「いただきます。」」
パクッ。
お、美味いな。味噌汁は濃くなく薄くもない。魚も丁度良く焼きあがっている。当たり前だけど俺よりも上手い。正直、羨ましい。そう思いながら何事もなく食べ終わった。
「「ごちそうさま。」」
「あぁ、食器は俺が片付けるよ。」
「そう、じゃあ言葉に甘えさせてもらおうかしら。」
泊まらせてもらって朝食まで作ってもらったんだ。お礼とかしなくちゃダメだからな。
食器を片付け終え居間に戻ると霊夢が話しかけてきた。
「それじゃあ、あんたと幻想郷について教えてあげるから、外で待っててくれる?」
「ん、あぁ、分かった。」
なぜ外に出るのか疑問に思いつつ待っていると数分後に霊夢が紅白の服を着て境内に出てきた。
「おまたせ。」
霊夢は巫女服を着てきた。だがその巫女服が不思議であった。普通、巫女服は上が白に下が赤い袴なのに彼女は、頭に大きなリボン。下はスカートに白い袖、しかも肩と脇があいている。
「さて、じゃあ本題に入るとしましょう。」
「お、おう。」
「昨日言っていたとおりここは幻想郷。忘れ去られたあらゆるものが集まる場所よ。そして幻想郷は、あんた達の住む外の世界の隣にあるようでないような場所なの。」
「ちょっと待て、どういう事だ?隣にあるようでない?」
「そうよ、そして幻想郷は外の世界にとって、なくてはならない存在なの。」
「えっと、じゃあ外の世界?が俺の元いた場所なのか?」
「えぇ、そして外の世界も同じように幻想郷はなくてはならない存在なのよ。」
えーっと、どういう事だ?外の世界、地球と考えていいのか?それで地球の隣に幻想郷があるようでない。そしてその幻想郷と地球はなくてはならない存在という。よく分からないが手が届くようで届かないようなものと考えてもいいのかな。そして最大の疑問が。
「どうして俺が幻想郷に来てしまったんだ?」
「それは今からある妖怪を呼ぶから待ってちょうだい。」
「え?妖怪?」
「紫ー!どうせ近くで見てるんでしょー!出てきなさーい!」
紫という妖怪を呼んでいるようだけど周りは静かで誰かいるような気配はしない。そう思っていると目の前に縦の線がはいったと思うと線が開き中から長い金髪の見るからに胡散臭い女性が現れた。
「あら霊夢~、どうしたの?」
「この人、あんたの仕業でしょうね。今度は何を連れてきたのよ。」
「ふふ、私は知らないわ。」
「とぼけないで。」
この人が妖怪の紫らしいな。しかしいったいどこから出てきたんだ。
「初めまして、貴方が桜庭叶夢ね?私は八雲紫。この幻想郷の妖怪であり、賢者でもあるわ。」
「あ、初めまして。よろしくです。」
「ふふ、よろしく。」
凄く綺麗だ。つい見とれてしまった。こんな綺麗な人は元の世界にもいなかった。
「それで、この人はどんな訳ありよ。」
「あぁ、それはね叶夢に能力が生まれてしまったからよ。」
「え、俺に能力?」
「えぇそうよ、例えば私は境界を操る程度の能力で、霊夢が空を飛ぶ程度の能力よ。」
「それで、どんな能力なのよ?」
「そうね、叶夢の能力は。」
お読みいただきありがとうございます。
実は叶夢の能力は決まっていますので次回のお楽しみということで。 それではまた。