それと風邪気味になってしまいました。皆さんも風邪をひかないようお気をつけください。
「貴方紅魔館の執事になる気はないかしら?」
「執事?」
「えぇそうよ、貴方のような面白い人間を側におきたいの。部屋も用意するし、朝昼晩の食事も食べさせてあげるわ。」
「ちょ、ちょっと待ってよいきなりそんなこと言われても困るよ。」
執事ってあれでしょ?主に忠誠を誓って身の回りの世話や家事などをやる人のことでしょ?そんなの出来るわけがないでしょ。
「執事って何すればいいのか分からないし、何も出来ないよ?」
「それなら大丈夫よ、咲夜が手取り足取り教えてくれるわ。頼むわよ咲夜。」
「かしこまりました。」
「ちょっと、まだやるとは決まってないんだから話を進めないでよ。」
「叶夢お兄さま、お姉さまのしつじってやつになるの?」
「いや、それはな。」
と、フランに断ろうとしたとき、ふとレミリアの口元がニヤッとつり上がっているように見えて嫌な予感がした。
「そうよフラン、叶夢は私の執事になるの。けどフランの執事でもあるのよ。だからたくさん遊んでもらいなさい。」
「やったー!!」
…的中した。レミリアのやつめ、フランを使うなんて卑怯すぎるわ。こんな輝いてる笑顔してたら断るに断れないじゃないか。これじゃやるしかないじゃん。
「はぁ、わかったよやるよ執事。」
「あら、意外とすんなり受け入れるのね。もっと粘るかと思ったわ。」
「ただし!五日間だけならな。」
「十分よ、それじゃこれからもよろしくするわ、叶夢。」
「よろしく!叶夢お兄さま!」
「覚悟しなさいね、叶夢。」
「う、うん、よろしくね。」
しかしなぜ俺が執事になれって言われたんだろう。けど決まっちゃった事は取り消せないし約束事は守るタイプだし、しっかりやらないとだよなぁ。
「それじゃ早速着替えてもらうわ。咲夜、案内させてあげて。」
「かしこまりました。こっちよ叶夢。」
「え、もうやんの?今からやんの?1日くらい休ませてくれたっていいんだよ?」
「何言ってるのよ叶夢、貴方三日もずっと寝てたのよ。」
「えっ!?」
俺そんなにも寝てたのか…。これは結構迷惑をかけてしまっているようだし精一杯執事の仕事をやらないとだな。
咲夜に案内されてきた部屋は好きに使っていいらしくてベッドまでついている。外の世界の俺の部屋よりも広くて豪華だなんて、ここで暮らしたいくらいだと思わせた。咲夜が出してくれた執事服に着替えて身だしなみを整えて咲夜にチェックしてもらう。着替え終わった姿をレミリアとフランに見てもらうと2人とも固まっていた。
「どうかな…っておーい?どうしたー2人とも?」
「ふ、ふーん結構似合ってるじゃない。」
「叶夢お兄さま凄くカッコイイ!」
「そ、そうかな?少し照れるな。」
どうやら俺の執事服は結構似合っていたそうでかなりの高評価だ。フランなんて俺の腕に抱きついて来てるし。
「あとは言葉遣いね、主と従者なんだからそこもちゃんとしくちゃね。」
「分かってるよレミ…ごほん。レミリアお嬢様、これでよろしいですか?」
「えぇ、大丈夫そうね。」
「ねぇねぇ!フランにも!フランにも言って!」
「分かりました。フランお嬢様。」
「えへへ〜。」
あまり、というか全くこういう言葉遣いを使わないから難しいし変な感じがする。というか変な感じしかしない。
「叶夢も執事になったことだし早速仕事をしてもらうわ。叶夢、咲夜について行きなさい。」
「えぇ〜もうや…「こほん。」」
「…かしこまりました…。」
危ない…ちゃんと執事をしないとレミリアは何してくるか分からないから言動に気を付けなきゃ怖いな。
咲夜についていったら紅魔館の庭に到着した。俺はここで何をすれば良いんだろう?
「叶夢にはこの庭を手入れしてちょうだい。主に花に水をあげたり雑草を抜いたりしてもらうわ。」
「最初の仕事がそれだな。よーし!任せとけ!」
「えぇ、あと門番が寝ていないか見ておいてちょうだい。美鈴ったら居眠りしてて困ってるのよ。」
「分かった、寝てたら起こしとくよ。」
さてと、なんだか雑用っぽい仕事をさっさと終わらせて他のことやろう…と思ったけど少し、というより結構広くね?これ俺1人で大丈夫かよ。
「はぁ、気が遠くなりそうだけどやってやるかぁ。まずは雑草から抜いていくか。それが終わったら花に水をあげて、あとは害虫でもいたら駆除しておこう。他は後回しで良いだろ。」
と計画を立ててやっていくことにして俺の初めてのお仕事が始まった。
半分くらい雑草を引っこ抜いて気付いてしまったけどこれって俺の能力でやった方が早いんじゃ?と思う。前に自分の家の周りの雑草も能力で燃やして綺麗にしたし、別の方法を使うにしてもそっちの方が効率的に良い気がする。…けど後のことをよくよく考えると残った灰をどう処理すればいいか分からないし庭を荒らしたくないし、なにより使えるには使えるけどまだ使いこなせていないからやめた方がいいな。
「あと少しだし頑張るか、能力に頼りっぱなしは良くないし。」
三日間も寝ていたし身体がなまってそうだから体力回復のつもりでやっていこう。そして休もう。
執事って良いですよねー何か恰好良く思える。
誤字脱字がありましたら報告待ってます。
それではまた。