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ー叶夢sideー
目を覚ますと真っ赤な部屋の中にいた。確か自分は腕を切り落とされ体を貫かれて死んだと思っていた。しかし腕があるどころかほとんど無傷の状態でいる。不思議に思っていると扉が開いて銀髪のメイドが入ってきた。
「あら、お目覚めになられたのですね。気分はどうですか。」
「あ、あぁ不思議な気分だよ。えっと…。」
「咲夜で結構です。食欲はどうでしょうか、サンドイッチと紅茶を用意しましたのでお召し上がりください。」
「ありがとう。それとそんなに畏まらなくて良いよ。俺そんなにお偉いさんじゃないし。」
「分かったわ。それじゃ、ゆっくりしているのよ。」
咲夜が部屋から出ていくのを見送りサンドイッチを食べようとした時、ふと誰かが覗いているのが見えた。誰かと思い近づくとそこには昨日戦ったフランドールがいた。
(くっそ!こんな時に見つかるなんて、早く逃げなきゃ!)
そう思い慌てて窓から飛び降りようとしたとき。
「ぁ、待って!違うの!」
大声で呼び止められ動きを止めてフランドールを見る。なんだか困っているような少し怯えていて今にも泣き出しそうな雰囲気だ。
「あの、えっと、傷つけてごめんなさい!」
…え?これがあのフランドールなのか?全然別人なんだが。いきなりの出来事に戸惑っているとさらに人が入ってきた。
「フランがなぜこうなったか教えてあげるわ。」
紫の帽子に紫のゆったりとしたローブを着ていて髪も紫といった、全身がほとんど紫で統一してある人が入ってきた。あの人は確か魔理沙と言い争っていた魔法使いか。あまり関わったことがないから全く知らないけど。
「私はパチュリーよ。貴方は魔理沙から聞いたわ。それでフランの事なんだけど、貴方が対峙した時におかしくなかったかしら。」
「あーうん、確かに狂気を感じたね。」
「その通り、フランは生まれながら周りの妖怪より狂気的なものが多くて危険だからあぁやって閉じ込めていたの。」
あーだから地下で1人でいたのか。それは可哀想だけど…仕方の無い事なのかな…。
「けど貴方達が戦ったあとフランを調べたら狂気がほとんど消えていたの。貴方何かした?」
「いや、俺は何も。というか狂気のフランに身体貫かれてそこから先の記憶がなくて。」
「そう。でも貴方がやったとしか考えられないのよね。だからお礼を言わせてもらうわ、ありがとう。」
「いやいや、そんなお礼なんて言われても。」
「私からも言わせて叶夢お兄さま!ありがとう!」
「お兄さま!?」
そこまで言われたら素直に受け入れるしかなくなってしまう。しかもそんな天使のような笑顔で言われたら誰だってノックアウトでしょ畜生可愛いわ。
「じゃあ私は戻るわね。それだけ伝えたかっただけだから。」
「おーありがとなー。」
フランの頭を撫でながらパチュリーにお礼を言って見送る。
「あんまりフランにベタベタするとレミィから雷が落ちるかもしれないから気を付ける事ね。」
「はっ!い、いやこれは仕方なく!」
「叶夢お兄さまは仕方なくフランと仲良くしてくれるの?」
「違うよフランちゃん俺はもっともっと仲良くなりたいと思ってるよ!!」
「やったー!」
危ない危ない、天使を悲しませるところだった。こんな素直で可愛い子どこにもいないよ。俺の妹に欲しいくらいだよ。
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サンドイッチを食べ終えてフランと話をする事になった。遊び相手のいなかったフランはお喋りしている事に楽しそうにしている。
「フランは狂気が無くなってどんな気分?」
「うーんあんまり分かんない。でもそれが無くなったからお外にも行けるようになったの!って言ってもまだお屋敷のお庭までだけど。」
「へぇ、でも良かったじゃん。お庭までなら自由に行動できるようになったんでしょ?フランにとっては大きな一歩だよ。」
「うん!これも叶夢お兄さまのおかげだよ!ありがと!」
「うんどういたしまして。」
にしてもほんとにいい子だなー。この子に狂気があったなんて信じられない。少しの間フランとお喋りをしていたら咲夜が来た。
「叶夢、お嬢様が呼んでいるわ。ついて来なさい。」
「分かった。ごめんなフラン、ちょっと行ってくるね。」
「フランも行くー!」
「え、いやでも。」
「大丈夫よ、お嬢様ならきっと許してくれるでしょう。」
「そうか?じゃあ一緒に行くか。」
フランと一緒に咲夜の案内で部屋に入るとレミリアが紅茶を飲んで待っていた。改めてみると気品のある立ち振る舞いでいて気高い雰囲気を出している。
「あら、フランもいるのね。まぁいいわ、まずはフランの狂気を無くしてくれて感謝するわ。」
「どういたしまして。と言っても覚えてないんだけどね。」
「フランもすっかり貴方に懐いているみたいだし友達が出来て私としては嬉しいのだけど、ちょっと仲良し過ぎじゃないかしら?」
「あ、あはは。」
レミリアが笑って言ってくるが目が全然笑っていない。もう今にも殺すと言ってグングニルが飛んできそうでシャレにならないくらい怖い。そんな事を余所にフランは俺の腕に抱きついてニコニコしている。それを見ているレミリアから何かオーラ的なものが出てて本当に殺されそうだからそろそろやめて欲しいんだけど…。
「…それじゃ、本題に入るわね。貴方紅魔館の執事になる気はないかしら?」
「執事?」
僕もフランと仲良くなりたい。
くっそ叶夢め!羨ましい!