あと、感想文とか書くより小説書いてた方が楽ですよね。絶対。
図書館から出て廊下の奥へと向かう。奥には地下へと続く階段があった。こんなに大きい屋敷なのに地下まであるとかどんだけ金持ちなんだよと思いながら階段を降りていくとその先には扉が一つあった。扉を開けると中は円型の部屋になっていて奥の方にはベッドがある。
そのベッドの前に赤い服を着てサイドポニーの薄い黄色の髪の幼女が座っていた。容姿は普通なのだが唯一普通じゃないのが背中についている羽だ。羽なのだろうが翼腕に七色に光る硬質のものが釣り下がったような形状をしている。
幼女は音に気づいたのかゆっくりと立ち上がりこちらを振り向いた。幼女の手には頭が無いクマのぬいぐるみを持っている。部屋の全体を見ると床には様々な壊れた人形やぬいぐるみが転がっていた。
「あなた、誰?」
紅い目で尋ねてきたその子に一瞬恐怖を覚え一歩下がる。
「新しいおもちゃ?」
目の前まで来た幼女に背筋に悪寒が走る。
「さ、桜庭叶夢だよ。」
なんとか振り絞った声で応える。幼女は「ふぅーん」と返事をした後元いた場所に戻り話し始めた。
「私フラン。フランドール・スカーレットっていうの。」
「お、おう。」
「私ね、ずっとここに閉じ込められているの。ここにはおもちゃしかないし、誰も遊んでくれない。」
閉じ込められている?壊れているおもちゃさえなければ大人しそうなこの子が?
「あなた人間よね?生きたままの人間は初めて見るの。だから…」
「私叶夢で遊ぶ!!!!」
「!?」
いきなりフランドールから飛んできた弾を間一髪で避ける。
「すごーい避けた避けた!!」
「いきなり何すんだ!!」
あ…危なかった。目が合った時に警戒していなければ避けられなかった。
「人間なのに避けるなんてすごーい!」
「当たり前だ、どんだけ修行したと思ってんだ。」
無邪気な笑顔でピョンピョン跳ねながら喜んでいる。それだけなら可愛いと思えるのにこの状況じゃ全く思えないな。
「じゃあこれはどーかな!」
フランドールはカードを取り出し宣言した。
「禁忌『フォーオブアカインド』!!」
そう言うとフランドールが四人に分身した。それぞれの分身から弾幕が放たれる。僅かな隙間を見つけて避けたり木刀を使って打ち落としたりして被弾を防ぐ。しかし四人による密度の高い弾幕が続くため疲労がたまり腹や頬を掠める。
全て避けきるには息があがり肩で息をしていた。
「これも避けるなんてすごい!」
フランドールは目を輝かせて楽しんでいる。俺はこんなに疲れているっていうのに。
「なら、次はこれだよ!禁忌『レーヴァテイン』!!」
そう高らかに宣言した途端、フランドールの手に炎を纏った剣の様なものが現れた。というか炎の剣のようだ。
「アハハハハハハハハ!!!!」
狂気じみた笑いとともにレーヴァテインを掲げてくる。俺は咄嗟に木刀に霊力を注ぎレーヴァテインを受け止める。レーヴァテインを受け止めると火の粉が弾け近くにいるだけでも熱い。
「すごい!アハハハハ!」
笑いながらレーヴァテインを力尽くで振り回してくる。フランドールの身体とバランスが悪いはずの大きさと長さなのに軽々と振り回してくるということは彼女はレミリアの妹なのだろうか。
「守ってばかりじゃツマラナイワ!!モットアソボウヨ!!」
「ぐっ!くそ!」
狂気じみた言動がさらに狂気を増しているように思える。フランドールの1枚目のスペカに続いてのレーヴァテインでは疲れがたまりすぎている。一瞬でも気を緩めたら…
「アハァ!」
「っ!!」
一瞬でも、気を緩めてしまった…。左側にはあるはずの腕が無い…無くなっている…。
「コレデオワリヨ!」
「ごふっ…」
そして続けざまに胴体をレーヴァテインで貫かれてしまった。焼かれるような痛みが内側から全身に走っていく。
「あーあ、また壊れちゃった。」
おもちゃが壊れたからかフランドールの狂気は消えていた。そしてフランドールがベッドに向かうところで俺の意識は途絶えた。
ーフランsideー
(まーた壊れちゃった。)
壊れた叶夢をつまらない目で見て興味をなくす。眠くなったからベッドへと向かおうとすると背後から物音がした。振り向くとそこには殺したはずの叶夢が立っていた。
(なんで!?あれだけの傷を負って立てるはずないのに!)
頭の中がはてなマークでいっぱいになっていく。だけどそれよりも不思議なのが。
(斬ったはずの腕と身体が治ってる!?)
そう、叶夢が完全に治っていたの。私は不思議でたまらなく、そしてワクワクしていたわ。だっていくら遊んでも壊れないおもちゃなんて初めてだもの!
レーヴァテインを構え直して再び叶夢に斬り掛かる。だけど叶夢は何も反応をしてこない。無防備に立ったままだった。警戒しつつレーヴァテインを叶夢目掛けて振り下ろす。しかし叶夢は避けてそして木刀で反撃をしてきた。
「!?」
一瞬の出来事に理解が出来なかった。私はよろめきながら体勢を立て直し再び斬り掛かる。だけど全て交わされてしまい反撃を受けてしまう。そして私にはそれが楽しくて仕方がなかった。
「アハ、アハハハハハハハハ!アハハハハハハハハハ!」
狂気じみた笑いをあげ全力で斬り掛かる。だけどそれすらも止められてしまう。激しい鍔迫り合いの最中、叶夢が私の頭に手を翳してきた。すると私の中で何かがフッと消えた感覚があった。
「なに…した…の?」
するといきなり睡魔が私を襲いそれに抗えることなくその場で眠りについてしまった。
これをいつも書く時間が夜中になってしまうので僕も睡魔と戦いながら作業しています。
それではまた。