自宅で寝てたら幻想入りしたんだけど   作:マム

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暑くなったり寒くなったりだから体調管理をしっかりしなきゃ。




11話 初めてのお使い

「私が稗田阿求です。」

 

へぇこの人が阿求さんか。てっきり老人が出てくるのかと思ったけどかなり若い人が出てきた。身長は低いけど20歳くらいかな。

 

「それで、用とは何でしょう。」

「里で誰も住んでいない家を叶夢に住まわせてやりたいのだが、大丈夫だろうか。」

「えぇ、構いません。」

「本当ですか。ありがとうございます。」

「いえいえ、何か場所とかの指定はありますか?」

「そうですねぇ、人付き合いが苦手なので少し離れた場所がいいんですが。」

「それなら、大丈夫です。少し端になってしまいますがいいですか?」

「大丈夫ですよ。」

 

無事家を手に入れることができて阿求さんに教えてもらった場所を慧音と一緒に訪れた。空き家と言っていたけど住むには十分だった。周りは雑草が生い茂っているが家自体はしっかりしていそうだし何かあったら能力で建て直す事も出来るから大丈夫だろう。

 

「いきなり来たのに手伝ってくれてありがとうございます。」

「なに、大丈夫さ。私は帰るが後は大丈夫か?」

「大丈夫です。あ、魔法の森ってどこにありますか?」

「森ならこの里の裏にある。しばらく行けば着くだろう。」

「分かりました。」

「気を付けるんだぞ。あと、敬語じゃなくても良いぞ。」

「ん、わかった。」

「うん。そっちの方が良い。それじゃ、私はこれで。」

 

慧音と別れてすぐに香霖堂に行きたいが、まずはこの雑草を除草しよう。能力で雑草を枯らし軽く自然発火を起こしてみる。雑草は燃えて無くなりスッキリした。というか自然発火を故意的に起こしたら自然じゃなくなるな。

そんな事は気にしないで俺は香霖堂を目指し飛び立った。しばらくすると森の前に古風な味を出す香霖堂と書かれた建物があった。

 

「すいませーん。うわ、なんだこりゃ。」

 

中に入ると置物やら雑貨やらでいっぱいだった。すると奥から男性が現れた。

 

「おや、誰だい?見ない顔だね。」

「最近幻想郷に来た桜庭叶夢っていいます。よろしくです。」

「外来人か、僕は森近霖之助だよ。よろしく。」

「ここはどんな所なんだ。」

「ここは見ての通り道具屋だよ。物を売っているけど買取も行っているよ。」

 

道具屋か、なら色々と役立つ物が見つかるかもしれない。周りを物色しているとある物が目に付いた。刀やナイフといった様々な武器だった。多くの武器がある中俺は1本の木刀が気になった。なぜ木刀を気になったかは分からなかったけど何か不思議なものを感じ、手に取ってみると妖しい感じがした。これはいわゆる妖刀というものなのだろうか。しかし木刀の妖刀は聞いたことがない。俺はこの木刀に興味を持ち霖之助に話しかけた。

 

「霖之助ーこの木刀貰って良いかな?」

「それかい?それは僕も不思議に思い気に入ってる物なんでね、残念だが非売品だよ。」

「そこを何とか、手持ち無くて1400円しかないから後払いになるけど。ダメかな。」

「…円?聞いたことないな。それはお金なのかい?」

「え、まぁそうだけど。」

「ちょっとよく見せてくれないか。」

「どぞ。」

 

興味津々にお金を見たがっているので100円を渡す。すると霖之助は目を光らせて大声で騒いでいた。

 

「これは凄い!外の世界にこんな物があるなんて。あ、その木刀は持っていって良いよ。それよりも珍しい物が手に入ったからね。」

「お、本当か?サンキュー。」

 

まさか不思議な木刀が100円で買えるとは思わなかったな。霖之助が100円で騒ぐなんて幻想郷の通貨はどのくらいなのだろうか。1000円札を見せたらどんな反応をするのだろう。

 

「あとこういうのもあるよ。」

「ん?何だいこの紙きれは。」

「それもお金だよ。」

「これもお金なのかい!外の世界は不思議なお金を使っているんだな。」

 

予想通りの反応につい笑ってしまう。そういえば香霖堂は買取もやっていると言っていたな。1000円が何円に売れるかな。

 

「それ幻想郷では使えそうにないんで買い取ってくれないかな。」

「本当かい!ありがたく受け取るよ。」

「ありがとう。それで、何円になるかな。」

「ちょっと待っていてくれ。すぐ戻るから。」

 

そう言って霖之助は店の奥に消えていった。しばらくすると布地の袋を持って帰ってきた。

 

「この中に二銭銅貨が30枚入っている。僕はそれくらいこれに価値があってもいいと思っているからね。」

「ありがと。」

 

お礼を言い袋の中身を確認し、さらに売れないかとお金を出しているとお金をガマ口から落としてしまった。

 

「なんだ、ちゃんと持っているじゃないか。」

「え?でもこれ1円玉だよ。」

「幻想郷で1円は一番高いお金だよ。」

「え!そうなの!?」

 

マジか。幻想郷では1000円よりも1円の方が高いのか。

確か一銭銅貨は100円で二銭銅貨は200円でその下の半銭銅貨が50円、その下の一厘銅貨が10円だったはず。それよりも高いってことは10000円くらいと考えても良いだろう。俺が貰った二銭銅貨30枚は200×30なので6000円になる。つまり無一文の始まりがいきなり幻想郷での金持ちになったのだ。これは素晴らしい。

 

「だけど1円は3枚しか持っていないなー。他の売るか。」

「とするとこの銀のお金で100って書いてあるやつ2枚だね。それだと一銭銅貨5枚と交換だね。」

「ありがとう。」

 

これでしばらくはお金に困らないな。現在の所持金は3円と一銭銅貨が5枚、二銭銅貨が30枚で現代にすると36500円か。しっかり計画的に気をつけて使わなきゃだな。気に入った武器も手に入れたし香霖堂ですることは無くなったからそろそろ帰るとするかな。最後に霖之助にお礼を言い人里を目指し飛び立った。




これよりテスト期間に入りますのでしばらくの間更新が遅れます。テストが終わったらしっかり更新しますのでお待ちください。

それではまた。

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