自宅で寝てたら幻想入りしたんだけど   作:マム

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おはこんにちばんは、マムです。




10話 叶夢の拠点

「はっ!ここはどこ!俺は誰!?」

「ここは博麗神社であんたは叶夢よ。」

「おぉ、霊夢。あの後どうなったんだ?」

「魔理沙のマスタースパークをまともに直撃して3時間くらい寝ていたわ。」

 

3時間も寝ていたのか。その間霊夢が色々と世話してくれたようだ。後で礼を言わないと。

 

「お、よー叶夢。大丈夫か?」

「お、魔理沙か。大丈夫だぜ~。」

「いや~悪いな~。つい熱くなっちまったぜ。」

「大丈夫だよ。てか魔理沙って強いなー。」

「そうだぜ!私は強いんだぜ!」

 

魔理沙があんなに強いなら霊夢はどれだけ強いのだろうか。それと紫さんの強さはどれくらいなのだろうか。九尾の藍を式神にしているのだから相当強いと思う。俺も魔理沙と互角に戦えるように頑張ろう。

 

「そういえば紫、叶夢の住むところはあるのかしら?」

「そうねぇ、マヨヒガはもう無理になっちゃうからどこかないかしらね。」

「あぁそれなら人里に空き家がいくつかあったはずだぜ。」

「人里?」

「その名前の通り人がいる里よ。人は多くて賑やかよ。」

 

幻想郷にそんな所があるのか。てっきり妖怪しかいないのかと思った。少し興味があるな。

 

「じゃあ俺は今から人里ってところに行こうかな。魔理沙、案内してくれよ。」

「いいぜー。」

「話をするなら寺子屋にいる上白沢慧音って人に聞くといいわ。あと魔法の森入り口にある香霖堂の霖之助さんにも会うといいわ。役立つ物があるはずよ。」

「分かった。上白沢と霖之助だな。サンキュー霊夢。」

「それじゃあ私はマヨヒガに戻るとするわね。」

 

そうだ、世話になったから紫さんにお礼を言わなきゃ。俺の能力とか弾幕について色々と教えてくれたしな。

 

「紫さん色々と世話になりました。ありがとうございます。」

「私は何もしてないわ。したのは藍よ、後でちゃんと礼を言っておきなさい。」

「はい。」

 

そうだな、藍にもしっかりお礼を言っておかなきゃだな。藍には本当に世話になったしな。

 

「それじゃ俺も行くとするよ。じゃあなー霊夢。」

「はいはい、頑張ってねー。」

 

霊夢と紫さんと別れて俺と魔理沙は人里へ向かう。博麗神社からはそんなに遠くない場所にあるというからゆっくりと空中散歩を楽しみながら向かっていく。

 

「そういえば魔理沙はどこに住んでいるんだ?」

「私はな魔法の森っていう所に住んでいるんだぜ。」

「魔法の森?そういえば霊夢も言ってたな。」

「魔法の森は魔法を使うのに必要な物が色々ある森なんだ。例えばキノコとかその森にしかない不思議な物とかがあるんだ。」

「へぇ、行ってみたいな。」

「だけどキノコの胞子で体調を崩したりするぜ。そのせいで妖怪もあまり近づいてこないしな。」

「やっぱやめよう。」

 

そんな場所があるなんて。なんとまぁ健康に悪い森なんだ。

 

「だけど魔理沙はその森に住んでいるんだろ?大丈夫なのか?」

「あぁ、大丈夫だぜ。ようは慣れだ。」

「それって慣れるもんなの。」

 

そうこうしているうちに人里に着いた。魔理沙は家でやる事があるらしいから帰るのでここでお別れだ。一応人気の無い場所で降りて人里に入る。霊夢が言った通り人里は人が多く賑やかである。人里の中を歩くと周りは俺を好奇の目で見ていた。まぁ周りは着物とかなのに俺だけ黒めのジャージだし変に見られても仕方ないしな。取り敢えず寺子屋がどこだか聞いてみるか。

 

「すみませんちょっとよろしいですか?」

「お?何だい。にーちゃん。」

「寺子屋ってどこにありますか?」

「寺子屋かい?それならここをもっと向こう行かなきゃいけねぇよ。」

「分かりました、ありがとうございます。」

 

もっと向こうか。人里がどのくらい大きいのか知らないけど遠くなければいいんだけどな。しばらくすると市場の様な場所に出てきた。ここなら分かるかもしれないな。近くの八百屋に聞いてみるとしよう。

 

「すみません。」

「何だい変わった兄ちゃん!どれも美味くて新鮮だよ!」

「あ、いえ買いに来たんじゃなくて。聞きたいことが。」

「おう、何だい。言ってみ。」

「寺子屋ってどこですか?そこの上白沢さんに用がありまして。」

「なんだ慧音さんに用があるんか。それならあそこの角を曲がってすぐのはずだ。」

「分かりました、ありがとうございます。あ、今度野菜買わせて頂きますね!」

「おう!待ってるぞ変わった兄ちゃん!」

 

聞いた道を歩いていくと少し大きめの家屋が見えた。大きさからにあれが寺子屋だろう。寺子屋の前に立つと中から声が聞こえてくる。すると扉が開いて子供達がゾロゾロ出てきた。その奥には青い服を着た女性が子供達と話している。子供達の会話からするにあの人が上白沢慧音で間違いないだろう。向こうがこっちに気付いたから軽く会釈をする。子供達がいなくなったのを確認し上白沢慧音が近づいてくる。

 

「誰だ?」

「貴女が上白沢慧音さんですね。俺は桜庭叶夢です。霊夢から聞いてやってきました。」

「霊夢からか。それで、何の用だ?」

「少し前に幻想入りしたんですよ。それで住む場所がなくて。人里には空き家がいくつかあると聞いて来たんですが。」

「なるほど。それじゃ阿求の所へ行くか。」

「阿求?誰ですか?」

「まぁ、この里のお偉いさんだな。」

「阿求に頼めば大丈夫だろう。案内するぞ。」

「分かりました。」

 

阿求はこの里で最も偉い人らしい。一体どんな人なのか気になるな。

しばらく歩くと大きな屋敷が現れた。どうやらここが阿求さんが住んでいるらしい。

 

「慧音だ。阿求に用があって来た。」

 

慧音が門番に言うと中に入れてくれて扉から使用人が迎えてくれた。

 

「いらっしゃいませ慧音様。どうぞこちらに。」

 

客間に案内され少し待つようにと言われた。

数分後襖が開くとさっきの使用人が来て小さな女の子を連れてきた。まさかこの人が阿求なのか。

 

「こんにちは慧音さん。と、そちらの方は?」

「少し前に幻想入りした叶夢だ。」

「初めまして、桜庭叶夢です。」

「初めまして、私が稗田阿求です。」




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