このきっと素晴らしい世界で美遊に祝福を   作:録音ソラ

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美遊視点→めぐみん視点→………という方式で書いてます。
読みにくい?正直すまんかった!!
女の子の買い物風景とかわっかんないよ!もうわっかんないから無茶苦茶です。無茶苦茶すぎてわかりません。

次回からは本気出す


6話 買い物

「じゃあ、俺は不動産屋に行ってくるから、めぐみんと美遊は買い物にでも行って来てくれ」

「行ってらっしゃい、お兄ちゃん」

 

めぐみんとともにお兄ちゃんを見送る。

私はこんな朝早くから行く必要はないんじゃないかと思ったけど、お兄ちゃんが行くなら止める必要はない。

 

「シロウは早起きですね。早すぎて私はまだ眠たいんですが」

「まだ、寝ていても構わない」

 

買い物にでも行くにしても早い時間。

それに昨日は殆ど眠れなかったから、私ももう少し寝ておきたい。

 

「では、私は寝てきますね」

 

めぐみんはそのまま部屋にあるベッドへと。

お兄ちゃんが寝ていた場所へと倒れる。

 

「…………」

 

私も寝たいから、寝る場所を確保するためにその場からずらすだけで私がその場所で寝たいとか、私もその場所で寝たいというわけじゃない。

そう言い聞かせ、めぐみんをベッドの端へ。

そして、横になる。

 

「おや、その場所であなたも寝たかったんですか?」

「……違う。私はただ寝たかっただけ。それにその言い方だとあなたの方がその場所で寝たがっていたのでは?」

「ち、ちがわい!」

 

そこで会話が途切れた。

どうもお兄ちゃん以外と話すのはそこまで上手くいかないみたいだ。

これで友達なんて作れるのだろうか。

 

「お昼になったら買い物に行きますから、それまで寝ておきましょう」

「……それは寝過ぎだと思う」

「お互いあの後殆ど眠れてないんですから、ちょうどいいと思いますよ」

 

どうやら、昨日はめぐみんも眠れてなかったらしい。

普通は眠れないものだと思うけど。

 

「いいお兄さんですね」

「……うん」

 

再び会話は途切れ、その後眠りについた。

 

------

 

ふと、目が覚めた。

目の前には誰もいない。

もう彼女は起きたのだろうか。

そう言えば、寝る前は彼女に背を向けていた気がする。

私は寝返りでもうったのだろうか。

 

ここは彼が寝ていた場所。

 

我ながらよくこんなことをしたなと思う。

出会って間もない人と、それも年の近い男性と寝るなんて。

ゆんゆんと再会した時に自慢しよう。

顔を真っ赤にしている姿が目に浮かぶ。

ついでに私も顔を真っ赤にしそうな気がする。

 

そう言えばこめっこは元気でしょうか。

私より魔法を使えるようになっていたとしたらさらに帰りづらくはなるんですがね…

 

……なんと言うか、彼はいい人でしたね。

無理矢理パーティを組んで貰いましたが、他の方と違い嫌な顔はほとんどされませんでしたし。

いい人ですね…

 

「何をしているの?」

 

何をしているとは見ればわかるでしょう。

寝ているのです。

 

「兄が寝ていた場所で大の字になっている理由がわからない」

「え、今そんな感じになってます?」

 

無意識のうちにとんでもない状況に。

とりあえず起きましょうか。

 

「おはようございます。今はもうお昼ですか?」

「もう昼過ぎ」

 

寝すぎてしまったようだ。

買い物に行かなければ

 

「では、昼食を探しつつ、買い物に向かいましょう」

「…うん」

 

いくら貰ったかは知らないが、ある程度服を揃えることはできるだろう。

残りのお金で昼食でも食べましょうか。

 

ある程度の支度をして二人は宿を出た。

 

------

 

今は服屋にいる。

別に昼食を探さなかったこととか、無言で気まずい空気が漂っていたこととかはいい。

だが…

 

「これは?」

「私のセンスにビビっときた服ですね」

 

…渡された服は黒色の痛々しい服。

いや、これを着る人なんていないはず。

目の前のこれ以外は。

 

「やっぱりあなたのセンスは当てにならない」

「おい、私のセンスに文句があるなら聞こうじゃないか」

 

黒マントに黒ローブ、そして三角帽子を被った服は黒一色で帽子に少し赤が入っているだけのような、そのセンスからして私と合いそうにない。

身長はそんなに変わらないし美人なことには変わりないが、センスは壊滅的なのではと思う。

 

「あなたは黒ばかりしか選ばない」

「他にも選びますよ」

 

取ってくる服は黒を基本とした服ばかり。

少し赤があったりはするが基本黒。

 

「やっぱり黒」

「おかしいですね。気がつくと黒しか取っていませんね」

 

そう言いつつまた他の服を探しに行く。

…正直、私としては視界の端に映る着ぐるみのような服が気になる。

それを見に行こうかとそわそわしていると

 

「ふふふ、これならどうですかっ!」

 

赤色の服を持ってきた。

あとベルト。

 

「……これは?」

「何かどこかの世界で私が着ていそうな服があったので持ってきました」

 

…何を言っているのかよくわからないが、これも彼女の好みということなのだろう。

しかし、先程までと違い、黒の要素がない赤。

これならいいかな、と少し思ってしまう。

先程まで黒ばかり渡されたから、違う色を基準とした服を見ただけでいいと思えてしまう。

 

「…赤は合わないかな」

「だと思ったので、青と水色も持ってきました」

 

そう思っているなら、何故それを先に渡さない。

ただ、折角選んでもらったものだから、受け取る。

受け取るのを見ためぐみんが

 

「早速試着しましょう!」

 

と、試着室まで押された。

 

数分後、着替えて出てきた。

言いたいことがある。

 

「この格好はプリーストというより…」

「はい、魔法使い系ですね。私とお揃いの帽子とマントですっ」

 

これで杖を持っていたら、プリーストと名乗っても信じてもらえない程の格好だった。

マントと帽子は返してきてもらうことにした。

 

その後も、何やらやる気が出たのか、様々な服持ってきてくれた。

 

「この服どう考えても、男の人用にしか…」

「十字架のアクセサリーで聖職者みたいに見えるので、そんな細かいことは気にしなくていいと思います」

「黒鍵か麻婆豆腐を持ってる方があってる気がする…」

 

「この服ならどうでしょう!」

「……」

「いたっ、ちょっ、お札を使って無言で叩くのやめてくださいっ」

 

「ヘヴンズフィール、起動…」

「何かダメなものが開きかけてませんかっ⁉︎」

 

------

 

なんてこともありつつ、買い物を終えた。

 

「…何だか疲れた」

「途中からノリノリでしたからね」

「……」

 

途中からノリノリで彼女はよくわからないことばかり言っていた。

色々な姿を見れたので私としては楽しくていい買い物だった。

 

「色々と服も買えましたし、服で困ることはありませんね」

「流れで買ったけど、外で着れそうな服があまり無い気が…」

 

因みに今は1番初めに試着したあの服を着て貰ってますが、赤なら爆裂魔法を撃って撃って撃ちまくるカッコいい魔法使いっぽくなれたと私の中の何かが囁いています。

着たことはないはずなのですが、不思議なこともありますね。

 

「…めぐみんの服は暑そう」

「私からすれば、美遊さんの服装は寒そうに見えますね」

 

黒ローブで黒マントな人と比べると極端過ぎる気もするが、普通は美遊のような格好をする方がいいのかもしれないと自分でも思う。

 

「この後どうするの?」

「そうですね、少し街の外へ行ってもいいですか?」

「?私は構わない」

 

このローブを着ている限り問題はないが、ただ一日一発は放ちたくなるものだ。

爆裂魔法を。

 

宿に服を置き、街の外へ。

昨日行った平原あたりまで歩いていく。

 

「ここへ来るとカエルが…」

「だとしても、我が爆裂魔法を撃てば圧勝です」

「それで昨日、下から更にカエルが湧いていたような…」

 

そんな細かいことは置いておいて、杖を構える。

彼より爆裂魔法を強く放てるようになっていなければ、爆裂魔法使いとしての私のプライドが許さない。

だから、敵を倒し、レベルを上げ、彼を超え、圧倒的な爆裂魔法を見せる。

 

「行きます、『エクスプロージョン』ッッッ!!!!」

 

杖の先から光が放たれる。

それは、何もない平原のど真ん中へと。

その光が地面に触れたと同時に爆発が起きる。

 

(昨日よりかは、上手くいけた気がしますっ!)

 

そんなことを思いつつ、倒れる。

土煙が晴れるとそこには大きなクレーターが出来ていた。

多分昨日よりかは大きいはず。

動けないから、よく見えないがそれでも昨日よりかは撃てたという自信はある。

まぁ、そんなことより

 

「やっぱりカエル出てきましたね」

「だから、言ったのに」

 

カエルが何匹か出てきた。

こちらには気づいていないようだが、じきに見つかるだろう。

なので

 

「背負って貰ってえませんか?動けないので、そうしてもらえないと食べられてしまいそうで」

「食べられて反省すればいいと思う」

 

なんて言いながらも「筋力強化」と、自身の筋力の強化をし、私を担いでくれた。

 

「背負ってはもらえませんか」

「走りにくい」

 

担がれたまま、カエルから逃げつつアクセルへと帰っていった。

 

------

 

「「ただいま」」

「おかえり、二人とも」

 

お兄ちゃんの方が先に帰っていたみたいだ。

本来なら、お兄ちゃんより先に帰って置くつもりだったのに、担いでる人のせいで帰るのが遅れた。

 

「どこ行ってたんだ、二人とも。荷物は置いてあるのに、いなかったから心配したぞ」

「すみません、シロウ。少し爆裂魔法を撃ちに…」

「外に出てたのか…危ないだろ」

 

確かに危なかった。

途中、筋力強化が切れた時は本当に焦った。

もう少し持続時間が長くてもいいのではないかとも思うが、それはレベルが上がってから考えよう。

 

「何とか逃げ延びましたね。ギリギリでしたけど」

「あなたのせいだけど」

「未だに地面の下で眠ってるあれが悪いんですよ」

 

担いでいためぐみんを下ろしながら、言い合う。

それを見ていたお兄ちゃんが

 

「二人とも仲良くなったみたいだな」

 

なんて言ってくる。

そうだろうか?

仲良くは…けど、めぐみんのことは色々と知れた気がする。

それに一緒にいて楽しかった。

 

「仲間であり、友です。友達ですよね?」

 

めぐみんが少し不安そうに見てくる。

少し可笑しく思えた。

 

「……うん」

 

今日、私に初めて友達ができた。

変な名前で、変わった魔法を使ってすぐに魔力切れを起こす変な人。

でも、一緒にいると、とても楽しいと思える人。

そんな変わった初めての友達。

 

------

 

私が友達ですよね?と聞くと、彼女は満面の笑みで応えてくれた。

私だけが楽しいと思っているわけじゃないと分かって安心した。

と、言うより私たち以上に喜んでいそうな人がいた。

 

シロウだ。

 

妹に友達が出来たのが泣くほど嬉しいことですか。

いえ、ここへ来る前の世界で彼女が友達を作ることも出来ないような環境であったのは知っています。

それでも泣くほどなんでしょうか?

 

「あ、そう言えば家はどうなったんですか?」

「ん、ああ。見つかったよ。大通りから少し外れた所だが、意外と安くてな。ギルドは遠いが、特に困るほどの距離でもない」

「今からそこへ移動ですか?」

「ああ、ある程度のものならもう買ってあるから心配ないと思う。服が思った以上に多かったが…」

 

家具も購入済みとなると、相当早く交渉は終わっていたようだ。

しかし、どんな場所に買ったのだろうか?

 

「不便な場所だったりしませんか?」

「近くに変な店があるくらいだから問題はそんなにないと思う。そこの店の人以外と有名らしいんだが、何かと問題があるとか何とか…」

 

それは果たして大丈夫なんでしょうか?

色々と不安はありますが、とりあえず荷物を持って準備ですね。

 

「では、行きましょう。シロウ」

「ああ。あと、これぐらいの荷物なら俺が持つよ」

 

…多分、この人は根っからのいい人なんでしょう。

荷物を持ってもらったぐらいで心がどうとかなったりはしませんが。

私の心は鋼です。

 

「ありがとうございます、シロウ」

「ああ。行こうか」

 

そう言えば、すっかり忘れてましたがこれだけは聞いておかないと。

 

「ところで、シロウ。美遊を見て何かないんですか?」

「ん?」

 

シロウは美遊の方を見る。

 

「…少し肩を出しすぎな気もするが…」

「あれはそう言うものですよ」

「…似合ってるぞ、美遊」

 

そう言って美遊の頭を撫でるシロウ。

顔を真っ赤にしながら、嬉しそうにしている美遊。

私が選んだのだから、私も褒められてもいいと思うのだが、どうだろうか。

 

「私が選んだんですよ」

「黒以外を頼んでようやく選んできたけど」

 

撫でられながらそう言って来る美遊。

事実だから特に何も言えない。

 

「そうなのか…だけど、ありがとうな。めぐみん」

 

私も撫でられた。

いや、全然嬉しくもないですが、頬が緩みかけているような気もしないでもないですが嬉しくなんてないですよ。

 

「にやけてる」

 

美遊に指摘され、気を引き締め直す。

直した気がする。

 

「そ、そろそろ行きますよ」

「ああ、そうだな」

「うん」

 

私たち三人は宿を後にし、家へと向かった。

 

大通りから少し外れた所にある二階建ての一軒家。

意外と広く、三人が住んでもまだ余裕があるほどだった。

近所の変な店とはウィズ魔道具店だった。

あそこは常に赤字だという。

買う人がいないような魔道具ばかり置くのが原因だとか。

 

その後、シロウが美遊に「パジャマもいるかと思って」と着ぐるみパジャマを買ってきていた。

つい笑ってしまったので、顔を真っ赤にした美遊に枕で叩かれた。

あとシロウも叩かれた。

 

こうして、何だかんだ楽しい1日が終わった。




はい、買い物回でした。
アレだ。めぐみんのあの赤い服なんて言うの?文庫の方読んだら黒いローブとか書いてあったけど、赤じゃん。あれ赤じゃん。黒いローブはwebみんのでしょう?
えーと、ほのぼのしたのとか、美遊視点、めぐみん視点がとても苦手だと言うことがよくわかったので次回から士郎視点です。すみません。読みにくくて。

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