このきっと素晴らしい世界で美遊に祝福を   作:録音ソラ

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結局このすばということにしました。はい。



1話 プロローグ

 目が覚めると、そこは見知らぬ空間だった。

 

 隣には美遊がいる。

 聖杯の願いは叶った、のだろうか。

 それにしては、周りは何もない。

 いや、目の前に一人、見知らぬ女性が立っていた。

 

 そして、目の前に女性はこう言った。

 

「ようこそ、死後の世界へ。私は、あなた方に新たな道を案内する女神。衛宮士郎さん、衛宮美遊さん。あなた方は……あれ?」

 

 今、なんて言った?

 

 死後の…世界?

 

 あの後、俺は美遊と共に殺されたのか…?

 いや、それはあり得ない。

 あいつは、ジュリアンは美遊を聖杯として使おうとしていた。

 もし、殺しても使えるのであれば抵抗するようなものは殺して使う方が使いやすい。

 だが、そうしなかった。

 つまりは、死んでいてはダメなんだ。

 

 では、何故俺は、俺と美遊は死後の世界なんてところに…

 

「え、あ、あー、そういうこと、なるほどなるほど。死んだわけじゃないのねー。道理で死因とかが全く記載されてないのね。ふむふむ」

 

 そう考えている間に一人納得している女神。

 資料と思われるものを見た後、再び此方を見る。

 

「こほん、あなた方は聖杯の力により、この死後の世界へときました。ここでこの先を決めることになります。選択肢は4つ。一つ目はあなた方のいた世界へと赤ん坊として再び生まれる。二つ目は天国的なところへ行って、おじいちゃんみたいな暮らしをする」

 

 どうやら、選択肢があるみたいだ。

 ただ、今言われた2つはダメだ。

 美遊に幸せは訪れないだろう。

 それに、あの世界で再び生まれたところで美遊がそのまま同じ力を持って生まれてしまったら願った意味がない。

 それに天国的なところへ行ってしまう。

 つまり、死ぬ。

 それこそ幸せはつかめない。

 

 却下だ。

 

「3つ目は、あなたの使っていたカード?が、飛び散ってしまった世界への転移。これは私の管轄下ではないので、他の女神がしてくれるでしょう」

 

 カード。

 聖杯戦争で使用したカードのことだろう。

 アレがある場所はなんて行けば、美遊がまた巻き込まれる可能性がある。

 そんなことは絶対ダメだ。

 

「4つ目は私の管轄下にある、とある世界への転移。ここはあなた方が知っている世界とは異なったものです。あなた方が魔術と呼んでいるものが魔法として使われていたり、魔王なんていうものが存在している世界です。あなたが戦っていたサーヴァントと呼ばれるものより弱い魔物ばかりで危険は殆どありません」

 

 正直に言ってしまえば4つ目も却下だ。

 確かに俺は美遊を守る為に戦ってきた。

 それなりに戦うことは出来る。

 

 だが、美遊は違う。

 

 もし、美遊が巻き込まれでもすれば--

 

「もし、4つ目のものを選ぶのでしたら、今ならお得な特典付きっ」

 

 唐突に、新聞の押し売りみたいになった。

 

「魔王が出るわなんだで、死者が沢山、生まれ変わりを選ばない人が多くて、子供が増えない。だから、他の世界で若くして死んだ人にはチート要素盛り沢山な特典を与えて、魔王討伐をしてもらおうとしてるの」

 

 それを俺たちにもさせようと言うのだろうか?

 

「あ、でも安心して、もう勇者ばかりで魔王討伐だってもうすぐなはず!だから、恐れることはないわ!あなた達に特典を与えるのは念のため。戦わなくてもいいし、戦ってもいい。自由に生きてもいい世界よ!」

 

 とても胡散臭い。

 いや、元から女神というもの自体胡散臭いと思っていたが、先ほどの雰囲気からしてもしかしたら、とも思いかけたこともあった。

 今はそんな雰囲気など一切ない。

 美遊も俺の背後に回り、変なものを見るような目で目の前の女性を見ている。

 

「あんたの話は分かった。けど、多少でも危険があるのは選べない」

「大丈夫よ!もし送ることになってもそこは安全地帯だから!それに、危険があってもキャベツが飛んでくるぐらいだから」

 

 キャベツが飛ぶなんて訳のわからないことを言われたが、何というか、危険な要素は皆無に思えてきた。

 

「いや、魔王なんてものはまだいるんだろ?なら、危ないんじゃ」

「冒険者の初心者が集まるような街にそんな魔王なんて来ないわよ。それに、魔王が近くにいる王都なんて勇者だらけで襲撃があってもすぐに鎮圧されるんだから」

 

 何故それで魔王が死んでないのか?

 だが、相手の言いたいことは分かった。

 

「とにかくその世界に行けって言いたいんだな」

「そういうことよ!」

 

 俺としては、まだ不安ではある。

 美遊がそんな場所で幸せになれるのか。

 危険があっても美遊を守れるのか。

 

「美遊はそれでいいか?」

 

 美遊は頷いてくれた。

 美遊がそれでいいのなら、そこへ行くとしよう。

 

「分かった。そこへ行く」

「分かったわ、じゃあ何か欲しいものを選びなさい!」

 

 様々な武具などがある。

 しかし、必要なのはこんなものではない。

 

「異世界へ飛ばされるんだ。住処か、金銭面を何とかしてもらえると助かる。美遊に野宿はさせられない」

「金銭面であれば用意しましょう。他に何かありませんか?」

 

 先程とは違い、女神っぽい雰囲気を再び出し始めた。

 醜態を晒したとでも思ったのだろうか?

 

「ほかは…そうだな。送られた後、まず何をすればいいんだ?言語は通じるのか?」

「言語は送るときに脳にビビビーっと書き込まれる感じですから安心してください。送られた後は、まず冒険者ギルドへ。そこで冒険者のカードを作ってもらいます。それが身分証明書のようなものになります」

 

 ビビビーってなんだ。ビビビーって

 

「登録が終われば後は宿探しや仕事探し、冒険者としてクエストを受けるのもいいでしょう」

 

 そういうと何処からか現れた人?に、重たい袋を渡された。

 中には紙幣や硬貨が入っていた。

 

「それは向こうの通貨です。此方から出せるのは50万エリス。少しの間でしたら仕事もせず少し安めの宿屋暮らしは出来ます」

 

 紙幣が微妙に少ないのだが、何故硬貨ばかりに…

 

「では、これから送ります。魔法陣の中にお入りください」

 

 その言葉に従い、美遊と共に魔法陣に入る。

 美遊は「見たことのない魔法陣…」なんて呟いていた。

 俺も転移する魔法陣なんてものは見たことがない。

 聖杯の接続陣とも違うものになっている。

 大丈夫なのだろうか。

 

「では、素晴らしい第2の人生を」

 

 そう笑顔で見送る女神を見た後、光に包まれ、意識は途切れた。




正直に言おう。このすばはほとんど読んでない。というより、アニメも二期の後半しか見てないので今読んでます。
このすば関連のことは間違いが多いかもしれないのでその都度指摘してもらえればと思います。
アクアって基本泣いてるイメージしかないし、テンション高いイメージ。女神っぽい雰囲気とか知らない。
こんなのでいいのだろうか?

次回から異世界生活が始まる。美遊の出番増えろ

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