更新が少し遅れたこともすみません。とても忙しくて、これを書く暇がほとんどなかった状態
なんてことは全くなくてね。ホロウしたり、グラブったり、fgoのハンティングクエストに愚痴こぼしたり、つり乙2.1やってエス豚って誇り高いじゃん、なんて思って過ごしてました。
あとつり乙2.1出したと同時に2.2制作中とか言うの卑怯だと思う。
そんなこんなで遅くなった更新。途中まで書いて放置してたのでどんな内容だったか、はっきり覚えてません。
あと600ものお気に入り登録ありがとう、500なんて一瞬ですぎたね、驚いてるよ。
あと評価が連続で低評価に入れられてて、現実の厳しさを知りました。
低評価でも評価してくれることは嬉しい。ありがとう。けど、どこが悪いか教えてもらえるとなお喜んじゃうよ。
と言うわけでドウデモイイ前置きはスルーして本編どうぞ
「くっ、何でこんなにキャベツが美味いんだ」
「なんであんな緊急クエストがあるんだ」
和真を含む和真のパーティと供に家で食事をとることになっていた。
和真がここにいる理由?
なんと和真は食費を払ったのだ。
あの説教から数週間後、少し時期がずれたらしいが飛んでくるキャベツを収穫するなんて馬鹿げた緊急クエストがあった。
そして、そのキャベツが意外と高く買い取られるのだ。
「俺はキャベツを食べるために異世界に来たわけじゃないんだ…」
「この家に上がらせないって決めた方が良かったか、これ」
「流石に社畜の如く働いたからな。賢者となり果てた俺は何もしない。もし何かしたらアイアンクロー決めて、家の外に放り出してくれていいぞ」
そんなことを言いながらもキャベツの炒め物をひたすら食う和真。
何かしたら本当に投げ捨ててやろう。
しかし、和真が真剣に働いていたのは知っている。
爆裂魔法を撃ち終えためぐみんをギルドに置いて外壁修理などの仕事をこなしていた。
クエストだけでも相当キツそうだが、これだけこなしていたらバカなことしてる暇もなくなってなんとかなるだろう。
そう思った矢先の緊急クエストだった。
因みにアクアはレタスばかり取ったせいでほとんど金がないとか。
あと、俺もほとんどがレタスだった。
なんでさ。
「それにしても、なんでダクネスがいるんだ?」
「あー、それは……」
和真が言い淀む。
言いにくいことでもあるのか?
「クリスがダンジョン探索のクエストを受けている間だが、よろしく頼む。名はダクネス。クラスはクルセイダー。器用度が低すぎて火力は期待されるようなものではない。壁としてなら任せてくれ」
なんと ダクネス は 和真 の パーティ に 入っていた。
「…あれをパーティに加えたのか?一度パーティを組んだが…その、助ける気を無くしたんだが」
「俺だって入れたくねぇよ!けど、アクアとめぐみんが意気投合して、いつの間にかパーティに…」
大変だな。
「上級職なのはいい。文句なんてない。けどなんで誰も彼もが色々とおかしいんだよ!爆裂魔法一発しか使えない魔法使いに!知能がもう見てられない自称なんたら!おまけに攻撃の当たらないクルセイダー⁉︎どう戦えっていうんだ…」
「む?そこのアーチャーはパーティではないのか?」
わざわざギルドへと寄った後、こっちへ来たんだからパーティメンバーだと思われても仕方ない。
「ああ、士郎は単なるパーティの料理長だ」
「おい、パーティに入った覚えなんてないぞ」
いつの間にかパーティの料理長になっていた。
いや、なんでさ。
「最近ウィズの店に行ってないんだろ?なんでパーティに入らないんだ?」
「いつ配達があるかもわからないのにか」
「その時はその時で。暇な時は俺たちとパーティ組んで助けてくれると助かる。それにめぐみんがなぁ…」
めぐみんの方を見る。
ここ最近めぐみんの元気が全くと言っていいほどに無い。
聞いた話じゃ爆裂魔法の威力も低いとか。
「一番めぐみんとか仲が良いのは士郎だろ?なんとかしてくれると」
「そう言われてもな…」
俺にめぐみんを元気付けてやれと言うのか。
元気が無くなったのはあの日を境に。
「分かった。そのことに関してはなんとかする」
なら、俺がなんとかしよう。
それにこのままだと美遊も心配しそうだしな…
いや、結構心配していたな。
「よし、じゃあ、あとはよろしく。行くぞ、自称なんたらとダクネス」
「なんたらって何よ!アクアよ!水の女神アクア様よ!」
「女神…?」
「そう自称してる可哀想な子なんだ」
「ああ…」
「違うから!本当に女神なんだからー!」
騒がしい三人組が出て行き、部屋にめぐみんと俺だけが残された。
突然これはどうかと思う。
「めぐみん」
「何ですか」
見るからに不機嫌だ。
声が不機嫌だ。
…そんなに嫌だったか。
「いつもの元気はどうしたんだ。最近元気ないんだろ」
「そんなことはありません。我が爆裂魔法は健在です」
「その爆裂魔法も威力が低いって和真が言ってたぞ」
「………スキルレベルからしてそんなことはありません」
合わない視線。
何度目を見て話そうとしても、めぐみんは顔を逸らす。
最終的には俯いた。
顔を合わせたくないのだろうか。
「…いつでも会えるから、それで良いなんて私は思いません」
めぐみんが少し顔をあげる。
「確かにいつでも会えます。この家で、夜も朝も、お昼にだって会おうと思えば会えます。私はそれでも嬉しいです。ですが、その…クエストに行くときも一緒がいいと言いますか…」
ちらりとこちらを見ながら続ける。
「忙しいのはもちろん知っています。それにミユさんが大事なのも知ってます。それであまりクエストに行かないことも」
それでも、と
「私はシロウと一緒に………一緒に…ぼ、冒険へ行こうじゃないかっ!」
突然、顔を真っ赤にしながら立ち上がる。
杖を押しつけるように頬に当ててくる。
「も、文句があるなら聞こうじゃないかっ!」
「文句なんかあるはずないだろう」
文句なんて何一つない。
「そ、そうでしたか。それでしたら、人は多いですけどカズマのパーティに入って冒険しましょう」
「ああ、一応美遊も…いや、入れない方がいいか…」
ただ、俺は
「いえ、ミユも入れないとダメです。カズマからは私が守りますから」
「魔法撃ったあとはどう守るんだ」
めぐみんを彼女と重ねてしまう。
「その時はシロウが守るんです」
「それなら、最初から俺だけでいいんじゃないか…」
俺は、めぐみんの前でなら悪としての衛宮士郎でもなく、兄としての衛宮士郎でもない。
ただの衛宮士郎としていられる。
めぐみんといる時は、一人の俺としていられる。
彼女といる時だってそうだった。
だからこそ、重ねてしまう。
それはめぐみんに対しても、彼女に対しても酷いことをしているということは分かる。
最低な人間だということも自覚している。
「それもそうですね。一緒のパーティなんですから、みんなでカズマから守りましょう」
「ダクネスからも守らないとダメなんだが…あれは見てはいけない」
ただ、だからこそ思うこともある。
今度こそ守ろう、と。
「改めてよろしくお願いします。シロウ」
「こちらこそよろしく頼むよ。めぐみん」
たとえ、この守ろうという想いが目の前の彼女に向けられたものではない偽りだったとしても。
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数時間後、和真たちが戻ってきた。
どうやら、防具を買いに行っていたようだ。
皮の胸当て、金属製の籠手と脛当て。
めぐみんやダクネス曰く、ようやく冒険者らしい格好になったようだ。
あと所持金が底をついたそうだ。
「クエスト報酬の殆どが食費に飛んだ」
和真がそう言っていたらしい。
そんなに食費で困るなら、ここ以外で食えば安く済むんだが…
「しかし、士郎がパーティに入ってくれるならクエストも楽に済みそうだな!」
「あんまり手助けしないようにする。経験値が和真の方にいかなくなるだろ」
「このパーティのレベル最下位が言うことじゃないんじゃないのか…」
和真が帰ってきて、すぐにめぐみんが報告していたので俺と美遊は一応、和真のパーティに入ることになった。
基本的には俺と美遊は仕事優先、飯優先でいいらしい。
暇があるときにクエストについてくるだけでいいと言うことらしい。
美遊はウィズの為にもクエストに行けない。
クエストにいけるのは俺ぐらいだろう。
「めぐみんの調子も戻ったみたいだし、手頃なクエスト探しに行くぞ。士郎は?」
「仕事はないぞ」
「なら、こっちだな。じゃあ、行くぞ。めぐみんにダクネス、士郎。あと、駄女神」
「ちょっとカズマ!私だけその呼び方とか納得いかないわよ!」
そうこう騒ぎながらもギルドへ。
着いてからクエストを見てみるといつものカエルのクエストが目に入った。
「カズマ、手頃なクエストでいいなら、このジャイアントトードのクエストなんてどうだ」
「「カエルはやめよう」」
めぐみんとアクアが全力で嫌だと意思表示をしてくる。
「ん。なぜだ?カエルは刃物は通り易く倒し易いし、舌による捕食攻撃しかしてこない。それに肉は売れて稼ぎになる。めぐみんやアクアは軽装備だから狙われ易いだろうが、その時は私が守る」
「あー……この二人はカエルに一度食われてるから、それがトラウマになってるんだろ。しょうがないから他のを狙おう」
「…あのカエルに…ん…」
「想像して興奮してないだろうな」
「してない」
和真、多分それは想像ではなく、思い出してだと思うぞ。
とりあえず、カエル以外に討伐クエストを探さないといけないのか。
出来るだけ手頃なもの……
と、探していると隣でアクアが何か見つけたようだ。
「これいいんじゃないの?冬牛夏虫の討伐クエスト!牧場の家畜が寄生されたんだって。報酬は一頭三万エリス。それに倒した後の家畜の肉は好きにしていいみたいよ?」
その目には焼肉食わせろと書いてあった。
寄生された家畜の肉は…焼けばなんとかなるのか?
「冬牛夏虫?冬虫夏草みたいな寄生するキノコとかそういう?」
「冬牛夏虫は寄生した生き物の脳に侵食していき、他の生物を襲わせ、死体に卵を植えるものですよ。家畜に寄生した程度のものでしたら、大して強くありませんので大丈夫です」
「それなら安心だな。家畜以外に寄生したのもいたら厄介だけど」
そこが少し不安だった。
もしかしたら、なんてこともあるだろう。
何にせよ、慢心は禁物だ。
「家畜相手なら何とかなりそうだな!よし、サクッと行くか!寄生された家畜の肉って所が少し引っかかるが、今日は焼肉だ!」
多分、和真はアクアと変わらない頭してる気がしてきた。
少しマシだろうけど。
その後、ギルドへと来た美遊を見て、テンションを上げた和真にアイアンクローを決め、ギルド近くの路地裏へ投げ捨てたあと、牧場へと向かった。
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現在、俺たちは走って逃げていた。
「ひいあああああああああああああああああああ! 助けて、助けて、怖い怖い! 神様ー! 神様ああああああああ!」
「うわあああああああああああああああ! こ、こっちくんな! こっちに来るなああああああああ! ダクネスー! クルセイダー様、助けてくれえええ!」
「あわわわわわ、わ、我がば、爆裂魔法で、け、け、消し飛ば、消し飛ばして……! ひいっ! 目が合いました! せせせ、先生! お、お願いします!」
「もう少しまともな見た目かと思ってたが、何だあれ!グロテスクとかそんな一言で表せないぐらい奇妙なものがついてるんだが!」
頭に、猿ほどの大きさのエイリアンのようなものをつけた山羊に追われていた。
思っていたのと違うどころか、あまりのグロテスクさについ逃げ出してしまった。
振り向いて撃とうとしても、意外と早くてそんな暇もない。
すると、走って逃げる俺たちとすれ違うかのようにダクネスが山羊の前へと出た。
山羊もダクネスへと狙いを定めたようだ。
迷うことなくダクネスへと突進して行く。
そこで俺はようやく止まる。
ダクネスが止めている間にーー
「お前たちは、私が守る」
つい、かっこいいとか思ってしまった。
山羊が体をくねらせ、触手をダクネスへと伸ばした。
その触手は迷うことなく、ダクネスの耳や口へと向かっている。
ああやって寄生するのだろう。
そうはさせるか。
干将・莫耶を投影する。
和真もショートソードを片手にダクネスの元へと駆け寄る。
「ああっ、カズマ、シロウ! こんな、こんなグロテスクなモンスターによる触手プレイだなんて私は、私はどうすればっ! 私は、このままきっとこのグロテスクな生き物に脳を侵され、抵抗虚しく触手で純潔を散らされ、あちこち弄ばれてしまうのだろうっ! やがて私はこのモンスターに操られ、身も心もこのモンスターを主と崇める奴隷に! だが気にするな、お前は私は気にせず先に行けっ!」
助ける気を失ったのは果たして俺だけなのだろうか。
「行けるか! つーかどこへ行くんだよ! これは討伐クエストなんだ、倒さなくてどうする! どこの世界に触手プレイに期待して頬を火照らせる女騎士がいるんだよ、このド変態が! おらっ、これでも喰らええええ!」
俺だけのようだ。
和真はそのままショートソードで触手を斬る。
触手を斬られた冬牛夏虫は、痛がるように触手を引っ込ませる。
その姿を見たダクネスが「ああっ!ジェスター様っ!」なんて言ってる。
和真が説教をしているうちにとどめを刺しておこう。
これはアレのせいで厄介な気がする。
「カズマ!シロウ!冬牛夏虫は寄生体から離されれば力を失うと聞いています!」
「アレを切り落とせばいいんだな」
「根を切ればいいんだな!」
俺と和真は各々の武器を振り上げる。
狙いを定め、斬りかかるーー!
と、斬りかかろうとした時、殺気に怯えたのか、冬牛夏虫は逃げ出した。
二本足で。
「「は?」」
見事なまでの二足歩行での猛ダッシュ。
100m何秒台だろうか。
隣で和真がショートソードを落として呆然と眺めていた。
俺はもうどうでもよくなり、本業に勤めることにした。
黒い弓を投影する。
今回使うのはただの矢。
あれ一匹に宝具など使うなんてことは流石にしない。
「ナニコレ?」
和真が呆然と眺めたまま、アクアに尋ねる。
俺も様々なクエストを受けたが、何だあれ。
「いい?ここは異世界よ?キャベツやレタスだって飛べば、山羊だって走って逃げる。必死に生きてるもの。常識なんて通用しないわ」
「異世界って言えば、何でも許されると思うなよ!」
和真の台詞に共感しつつ、矢を射る。
引き剥がすというか、吹き飛ばすというか、そんなカタチで一匹は仕留めた。
めぐみんはヒロインだ。異論は認めん。
webみんだからね、ヒロインにしたくなるのだ。
ドライの桜へのアサシンアタック許さんからな…
デュラハンのところの構想だけが固まって行く今日この頃。早くそこまで書きたい。