このきっと素晴らしい世界で美遊に祝福を   作:録音ソラ

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かっこいい士郎くんのお話が書きたい(願望)

この願いは叶えられるのだろうか


0話 聖杯

 そこでは一つの出会いがあった。

 

 そして俺は『正義の味方』に憧れた。

 

 

 

 そこで一つの別れがあった。

 

「正しく成ろうとすることが間違いのはずがない」

 

「俺が間違いになんてさせないからな…‼︎」

 

 

 

 そこで妹と親友と後輩が出来た。

 

 正義の味方には成れなかったが、幸せな日々が出来て正しかったんだと思えた。

 

 

 

 そこで全てが失われた。

 

 妹を、親友を失った。

 幸せだった日々は終わりを告げた。

 そして、カタチだけを真似た正義さえも失った。

 

 そこで始まりがあった。

 

 聖杯戦争。

 

 親友だった者は人類の救済の為。

 俺はただ一人の妹を取り戻す為。

 

 後輩だった者を失い、託された想いを受け取り戦った。

 

 俺とは違い、正義の味方へと到達した者の力と共に。

 

 戦って戦って戦って。

 自分以外の聖杯戦争の参加者達を倒していった。

 

 

 

 そこで勝利を手に入れた。

 

 聖杯戦争での勝利。

 聖杯を使い、願いを叶える権利を手に入れた。

 

 俺はただ願った。

 

「-我、聖杯に願う」

 

 神稚児として、願望機として、モノとして妹を使われない、妹が苦しむ事のない世界を。

 

「美遊がもう苦しまなくていい世界になりますように」

 

 外を知らない美遊にはもっとたくさん知ってもらいたい。

 

「やさしい人たちに出会って…」

 

 俺以外とは全く会ってないからな。

 俺は失ったけど、美遊にはたくさん作って欲しい

 

「笑いあえる友達を作って…」

 

 本当に

 

「あたたかで」

 

 本当に

 

「ささやかな-」

 

「幸せをつかめますように」

 

 ただ美遊が幸せになれるように。

 

 

 ??side

 

「幸せをつかめますように」

 

 傷だらけで、泥だらけで、ボロボロになった兄は微笑みながら、ただ本当に私が幸せを手に入れることができるよう、そう願った。

 

 聖杯としての機能が、その願いを叶えようとする。

 聖杯の接続陣が起動する。

 だけど、私にはそれだけでは幸せに成れないと知っている。

 そこには、兄がいなければ。

 聖杯が『衛宮士郎』のいる世界へと繋げようとしている。

 

 そうではない。

 それでは幸せには成れない。

 目の前にいる、私の幸せを願ってくれたお兄ちゃんがいなければ-!

 

 その願いが、私の二つ目の願いは-叶えられた。

 

 士郎side

 

 聖杯の接続陣が起動したのを確認した。

 これで美遊は幸せに生きられる。

 美遊の手を離す。

 

 これからこの願いを壊そうとする者が来るだろう。

 それから美遊を守る為、行かなくては。

 美遊のためだけに振るうこの力を使って。

 

 陣から出ようとした-その時。

 

 俺の体は不意に、宙に浮いた。

 

「なっ…⁉︎」

 

 何故、そう思い振り返る。

 美遊は気を失っている。

 しかし、美遊も宙に浮いている。

 聖杯は願いを叶えようとしている。

 美遊の幸せの為に。

 その為には俺も必要だということだ。

 

 しかし、まだ俺にはやることが。

 この願いを壊そうとする者を。

 美遊をこうして聖杯として使おうとした者を。

 桜が死んでしまった原因を。

 

 しかし、その想いは届かない。

 

 そして、俺の意識は、そこで途切れた。

 




はい、ということで異世界とか別世界へと飛びます。
ぶっちゃけ飛ぶ先考えてねぇ…
どうしよ、何かいい案ないかな?
え?タイトル?このすば?タイトルはカッコカリだから、願望だから、お兄ちゃんの願望だから

まぁ、はい。多分このすばの世界へ…他にあるのでしたら何か意見を…くれたらなぁって

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