草臥れた若者は、ある日突然世界を渡った。

確かに彼にはどうにかする力があったが、その誇りある力をただの暴力として振るうつもり毛頭はなかった。

過去に住まう狼が、彼を彼足らしめる。
未来に巣食う朽ちた理想が、彼を生かし続ける。



ああ悲しくも、彼には今しか彼がなかった。
  夢の中()
  簡単な世界観()
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