草臥れた若者は、ある日突然世界を渡った。
確かに彼にはどうにかする力があったが、その誇りある力をただの暴力として振るうつもり毛頭はなかった。
過去に住まう狼が、彼を彼足らしめる。
未来に巣食う朽ちた理想が、彼を生かし続ける。
ああ悲しくも、彼には今しか彼がなかった。
確かに彼にはどうにかする力があったが、その誇りある力をただの暴力として振るうつもり毛頭はなかった。
過去に住まう狼が、彼を彼足らしめる。
未来に巣食う朽ちた理想が、彼を生かし続ける。
ああ悲しくも、彼には今しか彼がなかった。