FAIRY TAIL 妖精の戦姫   作:春葵

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予定通り投稿できた~と一人感動に浸ってます(笑)

ちょっとペースを上げすぎたので、今週は少し控えめにしようと計画中です。

それでは最後までお付き合いお願いします!!


8.妖精の舞う戦場

「悪いが時間が無い。最初から全力でいく」

 

エルザは魔法剣を出現させ、その切っ先を鉄の森(アイゼンヴァルト)の連中に向けた。

それが合図となり、戦闘が始まった。

 

「ちょっとシスティ、流石にエルザ一人じゃ…」

「大丈夫だよ、エル姉は」

「そんなこと言ってる場合じゃ…」

 

しかし、ルーシィの心配は完全に杞憂だ。

エルザは緋色の髪を靡かせながら敵を次々と薙ぎ払う。

そして、槍や双剣に斧と武器を素早く入れ替えている。

 

「クソッ…この女、なんて速度で“換装”するんだ…!?」

「“換装”?」

「魔法剣はルーシィの星霊魔法に似てて、別空間にストックされている武器を呼び出すって原理なんだ。で、その時に“持ち替える”ってことを“換装”って言うんだよ」

「へぇ~凄いなぁ……」

「ただ、エル姉の換装は武器だけには収まらないよ」

 

ハッピーの説明に隣からシスティが付け足す。

 

「エル姉の換装は自身の能力を高める“魔法の鎧”も換装しながら戦うんだ。それがエル姉の魔法、“騎士(ザ・ナイト)”」

 

 

「換装、“天輪の鎧”!!舞え、剣たちよ」

 

エルザがそう唱えると出現した剣たちが踊るように回り、敵を切り刻む。

 

「天輪!!“循環の剣(サークル・ソード)”!!」

 

「「「「「ぐあぁぁぁぁっ!!!!」」」」」

 

「容赦ないね…。さて、そろそろ私も行きますか」

 

エルザのお陰で敵の総数は半分を下回っている。ここで一気に方付ける。

 

「エル姉、いくよ~。天竜のぉ…旋風(せんぷう)!!」

 

システィは超巨大な竜巻を起こし、敵を遥か上空吹き飛ばす。そして、空中に投げ出された彼らはシスティの魔法を回避できない。

 

「天竜のぉ…咆哮ォ!!」

 

システィの口から放たれた強烈な突風は鎌鼬のような鋭さを持ち、体を切り刻んでいく。

 

「す、すご……」

 

半分近く残っていたはずの敵はシスティの魔法によって全滅。ルーシィの出番なく戦いは終了した。

 

「ルーシィ、早く活躍しないと猫のオイラたちと同じ扱いだよ」

「エルザ達と比べたらあたしなんてそんなもんよ…」

「ルーシィ、さっきの突風に隠れて逃げた奴がいた。もしや、エリゴールの下へ向かうかもしれん。追ってくれ!!」

「あ、はい!!」

 

 

ルーシィは急いで残党の逃げた方へ走っていく。システィはついでにハッピーとシェリルもルーシィに同行させた。

ルーシィ達が見えなくなるとシスティは一息つき、エルザに肩を貸す。

 

「全く…。あれだけ魔導四輪車を飛ばしたのに魔力使いすぎ。もうほとんど残ってないでしょ?」

 

システィは魔力切れで顔を青くしているエルザに自身の魔力を流し込む。

 

「すまない。私はいいから、早く、外の奴らの避難を…」

「大丈夫、まだ時間はあるはずよ。もし、ララバイをスピーカーで流す気ならもうとっくにしてるはず。なのにそうならないってことは、目的は別にあるはずよ」

 

『ハエにしてはやるじゃねぇか』

 

「エリゴール!?」

「エル姉、あれは思念体だよ」

 

『テメェの言う通り、本来の目的は別だ。俺はこのままクローバーの街へ向かう。止めたきゃ止めてみな。もっとも、そこから出られたら、だがな』

 

そう言い残すと、エリゴールの思念体は消滅した。

 

「クローバーの街…そこに何があるっていうの…?」

「待て、確かクローバーの街ではマスター達の定例会が…。まさか、奴の狙いはギルドマスターか!?」

「エルザ、システィ!!」

 

振り返ると大したものではないが、傷を負ったグレイが飛び込んできた。

 

「グレイ、無事だったか」

「ああ。だがそれどころじゃねぇ。エルザ、システィちょっと来てくれ」

 

 

 

グレイに連れられて駅を出ると、駅の周りは大きな竜巻に包まれていた。しかも、中から外へ出られないように風が吹いていて、下手に突っ込めば体を抉られそうな威力だ。

 

「ん~よし。グレイ、この魔風壁は任せてナツとルーシィ連れてきてくれる?」

「わかった」

「システィ、やれるのか?」

「何言ってんの。私は天竜の滅竜魔導士だよ」

 

そう言うと、システィは魔風壁を食べ始めた。滅竜魔導士は自身の属性の魔法を喰らい、己の力にできる。天空の滅竜魔導士にとってそれは空気、つまり風も食べることができる。

魔風壁なんて格好の餌食だったが、ここで一つ問題が生じた。

 

「これ、食べきれないな…。食べても食べても周りの空気を使って大きさを維持してる…」

「システィでも手に負えんか…」

「連れてきたぞー」

 

ここでグレイが二人と二匹を連れてきて全員が合流する。ナツが先走って突っ込もうとするが、何とか引き止めて落ち着かせる。

 

「さて、全員揃ったことだし、こんな壁はぶっ壊してやりますか」

 

正直、システィは魔風壁を食い切れるとは考えてなかった。ただ、ぶち破るための魔力を得ていたのだ。

 

「天竜の風は全てを貫く。天竜の圧穿(あっせん)!!」

 

両手から放たれた竜巻は魔風壁に大きな穴を開け、一同はそこから魔風壁を脱した。

 

 

「よし、出られた」

「流石だぜ、システィ」

 

後ろを振り返ると、さっき通った風穴が閉じていく。システィ達全員が脱出した今、あの魔風壁は鉄の森を捕らえる檻と化した訳だ。

 

「あれ?そういえばナツは?」

「ハッピーもいねぇぞ」

「全く、世話の焼ける奴だ。私達も先を急ぐぞ」

「おう!!」

「うん!!」

 

エルザの指示で一同はまたもや魔導四輪車でクローバーの街へと出発した。

 

その後ろで密かにシスティの作った穴から脱出していた一人の男が気味悪く笑っていた。




最後までお付き合いありがとうございます!!

天空の滅竜魔法って風っぽいから魔風壁食べれるんじゃね?っていう勝手な解釈で書いちゃいましたけど、実際どうなんですかね?

この章は次で終わらせるつもりなので、ぜひ最後までお付き合いお願いします!!

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