長らく時間が空いてしまい、本当にすみません。
それでは最後までお付き合いお願いします!!
ラーガスを倒したシスティは、後のことを町の衛兵団に任せて、気絶したラーガスを引き渡した。どうやらラーガスは数々の悪事を働いていたにも関わらず、その証拠が見つかっていなかったらしい。しかし、今回の一件でようやく逮捕に踏み切れたらしい。
これで役目も終わったので、システィは自分の怪我を手当てしてからエリナの待つ工房へと向かい始めた。時間を見てみると、一人工房から抜け出してからもう一時間半程経っている。やはり心配していたのか、刀を持ったエリナが工房の外で待っていた。
「どこ行ってたんですか!?心配したんですよ!」
「ごめんね。でも、ちゃんと取り返してきたから」
そう言うとシスティは竜の
「え、これって…」
「ラーガスは私がちゃんとぶっ飛ばしたよ」
「本当に取り返してくれたんですね!?」
「言ったでしょ?システィは強いって」
「シェリルもエリナちゃんのことありがとね」
頭を撫でてからシスティはシェリルを抱きかかえる。エリナは改めて頭を深く下げた。
「システィさん、本当にありがとうございました。感謝してもしきれません」
「いいよ。私が好きでしたことだから」
「いえ、是非お礼をさせてください。私に出来ることならなんでも言ってください!!」
「いや、でも……」
「是非!!」
何とか断ろうとはしたけど、結局強い押しに折れたのはシスティの方だった。だけど、お礼と言ったってして欲しいことなんて何も無い。だからと言って適当に流すのも相手に失礼だ。
「じゃあ……一つ、お願いしようかな」
何とかアイデアを捻り出し、願いをエリナに託した。
「ただいま~」
「あら、おかえりなさい。システィ」
「ただいま、ミラ姉」
ギルドに顔を出してすぐにミラジェーンに声を掛けられ、二人で軽く言葉を交わす。休養中のことを簡単に話した後は、自分がいない間のギルドのことを聞いた。やっぱりナツは勝手にいなくなったと言って怒っているらしい。ちゃんと行く前に言ったのにな…。
「あ!ナツ、システィ帰ってきてるよ~」
「ホントだ!!システィ、お前どこ行ってたんだよ!?」
仕事帰りなのか、荷物を持ってギルドに戻ってきたナツはシスティを見つけると、すぐさま飛びかかってくる。
「ちゃんと言ったじゃない。休養にポーリュシカさんの所に行くって」
「そだっけか?」
「やっぱりオメェが忘れてただけじゃねぇ〜か、この馬鹿が」
「ンだと!?やんのかグレイ!!」
グレイが口を出したことでいつものように二人の口論が始まる。一人蚊帳の外となったシスティはそのうちにマカロフへの報告へ向かう。
「マスター、今帰りました」
「おおぉー、休暇はどうじゃった?」
「まあ、有意義な時間でした。十分に休んだのでこれから妹を探しに行こうと思います」
「そうか。…そのことはエルザから聞いとる。見つかるといいのぅ…」
「はい…。」
マカロフと話終えた後、システィは早速準備のためにギルドを後にする。一先ずミストガンが最後にウィンディと別れた所へ行ってみるが、一応いなかった時も考えて長旅の用意をしないといけない。しかし、ギルドを出てすぐに後を追いかけてきたルーシィに引きとめられた。
「待ってシスティ!」
「どうしたのルーシィ?そんなに急いで」
「これ、アカネリゾートのチケットなんだけどシスティもどう?」
確かアカネリゾートは王国でもっとも人気のある海辺の観光地だ。綺麗なビーチはもちろん、遊園地のようにいろんなアトラクションもあり、中にはカジノもあるんだとか。フィオーレに住んでいれば一度は行ってみたい所だ。でも、今のシスティにはやることがある。
「私はいいよ。ちょっとやることがあるし」
「エルザから聞いてるよ。ちょっと長旅になるかもなんでしょ?」
「そう。だから今回は遠慮しとくよ」
「じゃあなおさら行こうよ!!こんな機会滅多にないよ!?」
「何をしている。ルーシィ、システィ、早く準備しろ」
なぜか事情を知っているはずのエルザも準備万端でシスティを誘ってくる、というか行く前提で話が進んでいる。システィも行くことは最早決定事項のようだ。
「ま、リゾートの近くからも船は出てるし、そこからでもいっか」
結局システィが折れることでリゾート行きが決定し、システィの旅はお預けとなったのだった。
最後までお付き合いありがとうございます!!
今回でオリジナルストーリーが終わり、次回からは楽園の塔編です。恐らく更新のペースが落ちていくと思いますが、どうか次回もよろしくお願いします!!