今後の流れを考えながら書いていると、なかなか思うように書けなくて…。
なるべく週一投稿は守りたいと思います‼︎
それでは、最後までお付き合いお願いいたします‼︎
「システィ………システィっ!!!!」
目を覚ましたシスティの視界には顔を涙で濡らし、小さな手で自分の手を握るシェリルの姿が映った。
「シェリル…」
シェリルはシスティが目覚めたことに気づくと、嬉しさのあまり飛びついた。
「システィ!!…良かったぁ!!…ホントに良かったぁ!!」
「ごめんね、心配かけて。もう大丈夫だから…」
本当は全く大丈夫じゃない。身体中は痛むし、魔力もほとんど残っていない。それでもシスティは痛む身体に気付かぬフリをして体を起こし、シェリルの頭を優しく撫でた。
そして、シェリルを傍に下ろすと、枕元に置いてあった薄めの上着にに腕を通し、立ち上がる。
「ちょっとシスティ!?何やってるの!?」
「何って…私も皆のところに行こうかなって…」
あっけらかんと言うシスティはそのまま足をギルドの外へ向けるが、その足取りはどこか覚束無い。
「ダ、ダメだよシスティ!!身体中傷だらけで…魔力もほとんど残ってないでしょ!?」
「まぁ…ね。でも、行かなくちゃ…。みんな戦ってるのに私だけ休んでるわけにはいかないよ…」
システィはシェリルを見つめ、小さく微笑みを見せる。
「で、でも………」
「…それに……もう誰かを失うのはゴメンだから…」
システィはそう言うと目を閉じ、朱色の髪をした彼女を思い浮かべる。
………もう、あんな思いをするのは絶対に嫌だ…。
目を伏せるシスティを見つめ、シェリルも何かを感じとった。
「…分かった………。でも、危なくなったら止めるからね?」
「ありがと…シェリル」
シェリルからの許可が下りるとシスティはギルドの外へと出た。
「システィ!?」
「カナ、今の状況は?」
「それが…悪い。ミラがファントムの奴らに捕まっちまった…」
「ミラが……。エル姉達は?」
「エルザ達はファントムのギルドで今も戦ってる。
魔力収束砲はぶっ壊したけど、今度はあれが出てきてな…」
カナが指差す先には、
「ミラが、カルディア大聖堂辺りまで消し飛ぶって…」
「確かに、あの感じだとこの辺一帯は吹き飛びそうだね」
魔力の集中具合からして、残された時間は十分も無いだろう。
「シェリル、行くよ!!」
システィはファントムのギルドを睨みつけ、ギルドから飛び出す。
「待って、システィ!!あんた…そんな身体で行く気!?」
「カナ…。私は何と言われようと止まらないし止まれない。
それに、少し休んだから大丈夫だよ」
システィの痩せ我慢が見え見えの笑顔にカナは深いため息をつく。
「はぁ…分かったよ………。でも、無茶だけはすんなよ……」
「……うん!」
カナの言葉に力強く頷き、システィは近くに落ちていた刀を手に取った。
魔力が圧倒的に不足している今、道は刀で切り開くしかない。
「…“
刀身に風を纏わせて、切れ味を高める。
「よし!じゃあ、行ってくる!!」
飛び出すと同時にファントムの兵を切り裂き、どんどん前へと進んでいく。
それでも一瞬で、再び幽鬼の兵が集まっていく。
だが、今度は妖精達も怖気付いてはいなかった。
むしろ、
「システィも頑張ってるんだ!!ナツやエルザも…エルフマンやグレイもあっちで頑張ってる…。私達も私達の家を守るよ!!!!」
カナの喝と共に、妖精達はファントムの兵の攻撃に対抗する。
システィもファントムの兵の大軍を切り抜けながら、ナツ達の元へ急ぐ。
「………もう少し…。もう少しだけ…耐えて………」
戦いの中にいるナツ達を思い、システィは拳を強く握り締める。
妖精と幽鬼の壮絶な戦いは、
決着の時は、まもなく訪れる……。
最後までお付き合いありがとうございます‼︎
システィも復活したので、そろそろこの章も終わりに向かっていきます。予定では後四話くらいかな…。
この章の後はオリジナルストーリーを挟むので、また更新が遅くなると思います。本当にすみません…。
それでは、次回もよろしくお願いいたします‼︎