スランプ気味と言うか、やっぱり文字で表現するって難しいですよね…。
時間が開いた割に短いですが、お付き合いよろしくお願いします!!
システィは気づけばどこか分からない空間にいた。
意識は朧げで、どっちが上かさえも分からない。
………ここは…どこ………?
辺りを見回し、システィは首を傾げる。
確か、ギルドにファントムの奴らが攻めてきて、魔法集束砲を撃とうとしたから私が受け止めて……
それ以降の記憶はどう頑張っても出てこない。
記憶の整理を諦め、今度は辺りを見渡していると、
“……動くな…”
…っ!?
突然、システィの頭に直接声が響いた。
それは、二度と聞きたくなかった男の声だった。
気がつけば周りの風景が病室に変わっており、システィは四肢をきつく縛り付けられていた。
コツコツという足跡とともに、向こうから誰か人のシルエットが近づいてくる。
誰だかよく分からないほど霞んだシルエット。だが、システィには一目で分かった。
あいつだと…。
“お前のその力は私のものだ…。その力を私に寄越せ…!!”
男のシルエットは、システィの体に奇妙な魔法具や、注射器を躊躇なくぶっ刺してくる。その度に激痛が走り意識が朦朧とするが、気を失うことは出来ない。
いっそ、気を失えればどれだけ楽か。それほどの激痛だった。
“痛い…痛いよ……。やめて、これ以上は…やめてぇえええ!!!!”
システィの身体に打ち込まれたものは次第にシスティの体を蝕み、精神も壊していく。
だが、唯一光があった。
彼女の存在だ。
エルザよりも真っ赤な髪をしているいつも元気な女の子。システィと同じように何かの実験に利用されていて、いつも両腕には数え切れないほどの注射の跡があった。
出会ったのは偶然。ただ、ぼんやりと夕日を眺めている時に話しかけられたのが始まりだった。互いの存在は辛い実験の記憶を忘れられる心地よいもので、決まって夕方には会って暗くなるまで一緒にいた。
トワイライトの名も彼女から貰ったものだ。笑顔は夕日のように朧げで綺麗だからという安直なものだったが、システィにとっては親友からのプレゼントのようなものだった。
だが、その日以来彼女が現れることは無かった。
光を失い、実験もさらに激化し、ついにシスティの精神は完全に崩壊した。
“あぁ…あああ゛あああ゛ああ゛あ゛あ゛あ゛!!!!”
薬品の投与を終えた男は、今度は肉体的ダメージをシスティに与え続ける。
高電圧の電気を流したり、死には至らない程度の毒物を投与したり…。終いには両腕を潰されたりもした。
やめて…やめて…やめテ…やメテ…ヤメテ…ヤメロォオオ…!!!!
そこで意識は途切れ、気づけば今度は沢山の瓦礫の山の上に立っていた。
ああ、開放されたんだ…。
そう思い、ふと自分の足元に目をやると、自分を苦しめ続けた男の腕が瓦礫に紛れて落ちていた。
その瞬間に悟った。
自分が何をしたのか。
悲鳴を上げるシスティ。その目には涙が溢れ、頬を濡らす。
システィは堪らず逃げ出した。一刻も早くその場所から遠くに離れたかった。
雨に降られ、何度も転けながらも、システィは光を求めて走り続けた。
そして、光が差す―
システィーー!!!!
これは、ナツの声…?
システィっ!!!!
これは、エル姉の声だ…。
システィ……
これは、シェリルの……
あぁ…………行かなきゃ…。みんなが待ってる…。
今……行くから…。
そして、システィは光の射す場所へ向かい、歩き出した。
最後までお付き合いありがとうございます!!
とりあえず、回想ストーリーということで。
我ながらなにやら伏線っぽいですが、回収するかは分かりません。もしかしたら、後々関わってくるかも…。
それでは、次回もよろしくお願いします!!