FAIRY TAIL 妖精の戦姫   作:春葵

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あと少しで週七投稿達成です!!
正直もう結構えらいです…。

それでは最後までお付き合いお願いします!!


15.真実

「みんな!無事だったのね!」

 

システィ達が遺跡から出ると、外ではルーシィとエルザが待っていた。

 

「そっちも大丈夫そうでよかったよ」

「よっしゃ、終わったーー!!!!」

 

ナツが両手を空に掲げ、満面の笑みで叫ぶ。

 

「これで俺達もS級クエスト達成だー!!」

「だー!!」

 

ナツの叫ぶ姿を真似てハッピーも飛び上がり、一緒に喜んでいる。

 

「もしかしてあたし達二階に行けちゃうのかな!?」

 

ルーシィもルーシィで、クエスト達成に喜びの声を上げている。だが、忘れてはいけないのは、ナツたちは掟を破ってここにいることだ。

 

 

「ちょっと三人とも、そんな訳ないでしょ?帰ったらお仕置きだからね。もっとも、今から既にお仕置きだけど」

 

そう言って指差したシスティの先には背後に修羅を背負ったエルザがナツ達を睨んでいた。それはもう恐ろしい程に…。

 

「ひぃ!?」

「そ、そうだ…お仕置きが待ってたんだ…」

「……その前に、やるべき事があるだろう?」

 

しかし、エルザはその場でナツ達を叱ることはなく、まだクエストは達成していないことを言ってきた。

 

 

「…え?」

「“悪魔にされた村人を救うこと”…それが今回の依頼の内容でしょ?」

「で、でも…デリオラは死んじゃったし…村の呪いもこれで………」

「いや、あの呪いとか言う現象はデリオラの影響ではない。月の雫(ムーンドリップ)の膨大な魔力が人々に害を及ぼしたのだ。つまり、デリオラが崩壊したからと言って事態は改善しない」

 

ルーシィの疑問にエルザが答える。

 

エルザの答えに、「そんなぁ…」とルーシィは目に見えて落胆する。

ふと、では月の雫の儀式をしていた張本人、リオンならば何か知っているのでは?という意見が出て、グレイがリオンを見やるが、リオンは何も知らないと言い切った。

 

 

「なんだとぉ!?」

 

ナツはリオンを睨みつける。

リオンはナツに視線をやり、ため息をつくと淡々と話し出す。

 

「三年前、この島に俺達が来た時、俺達は村が存在するのは知っていたが村の人達には干渉しなかった。彼らから逆に会いに来ることもなかったしな」

 

リオンの言葉にシスティがピクッと眉を寄せる。

 

「…三年間、一度も?ずっと島にいたのに?」

「何が言いたい?」

「どうしたの、システィ?」

「…もしかしたら………」

 

システィの言葉にハッとエルザも気づいた。

 

「貴様ら…何故三年間もあの光を浴びながら悪魔の姿になっていないんだ…?」

「「「「あっ!!」」」」

 

エルザの言葉にナツ以外のメンバーがようやく気づき、リオンを見張る。

 

「………気をつけろ、奴らは何か隠している」

 

 

リオン達と別れ、一同が村に戻ってくると、消されたはずの村が元通りになっていた。

 

「えっ?…直ってる?」

「ど、どーなってんだ…?」

 

ナツ達はその光景に目を見張り、驚愕する。

だが、システィは誰がやったのか確信していた。

 

 

………一体、どうして……ウルティア…

 

 

システィはこの場にいない彼女に心の中で問い掛ける。

もちろん答えが返って来るはずもなく、空には依然紫色の月が浮かんでいる。

 

「おーーーい!!システィ!何してんだ〜!?」

 

遠くから、システィを呼ぶナツの声が聞こえてくる。もはや何かとんでもないことをしでかしそうな気配しかしない。

 

「で?どうしたの、ナツ?」

「今から月ぶっ壊すからシスティにも手伝ってほしいんだ」

「ふ~ん月を……月!?」

「システィが常識人でよかった~」

 

何故かルーシィが抱きついてくるが、システィはそれどころじゃない。

 

「ねぇ、ホントに壊すの?」

「あぁ、無論だ」

 

エルザの言葉にシスティは思わず頭を抱える。

 

「エル姉が言うと現実味が出ちゃうんだよなぁ。

それで?私は何を手伝うの?」

 

エルザの作戦としては、まずシスティの付与魔法で全員を強化ひ、エルザが巨人の鎧と破邪の槍のコンボで槍を投擲。最後にナツの鉄拳とシスティの咆哮でブーストをかけて月の破壊を試みるというものだった。

 

 

「行っくぞォォ!!」

「今だ、ナツ!!!!」

「うぉおおおっ!!!!火竜の鉄拳!!」

 

タイミングは完璧。エルザが破邪の槍を投げるその瞬間に合わせてナツの拳が当たる。それが一次加速。そして、続いて二次加速。

 

「天竜の…咆哮ォ!!」

 

風の後押しも得た破邪の槍は、速度が衰えることなく突き進んで行く。そして、槍はドンドン小さくなっていき、空中で何かに突き刺さった。

 

 

ビシィッ!!!!

 

 

「「うそぉおおおおお!?」」

 

月にヒビが入ったように見えたが、実際にエルザの槍が壊したのは島の上空を覆っていた月の雫の光によりできた呪いの膜だった。

それには村人達の脳や記憶を狂わせてしまう効力があり、そのせいで村人達は長年苦しんでいたのだ。

つまり、月の光のせいで悪魔化したのではなく、光のせいで記憶が狂っていたのだった。

 

これにて一件落着。依頼は無事達成された。

 

 

 

翌日、依頼の報酬をシスティに差し出すが、そのシスティが一切受け取らないため村長も困っていた。

 

「それではこの報酬は受け取れぬと……?」

「はい。この依頼は最初不当で受けられた依頼でした。……なので、報酬金は頂けません。村の復興などにでも当ててください」

 

そう言ってシスティは報酬金の受け取りを拒んだ。。

結局、最後まで諦めなかった村長の押しに負け、おまけの報酬である金の鍵のみ受け取ることにして、一行はエルザとシスティが行きに使った海賊船でマグノリアへと帰還するのであった………。




最後までお付き合いありがとうございます!!

今回で悪魔の島編は終わりで、次回から幽鬼の支配者編に入っていきます。

今回も最後までお付き合いありがとうございました!!

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