最後までお付き合いお願いします!!
ラクサスの一件の後、ギルドの二階にあるS級クエストのボードを眺めながらシスティはシェリルと悩んでいた。
「システィ、どれにするの?」
「う~ん、別にお金には困ってないからなぁ…」
「ならこれは?報酬に黄道十二門の鍵だよ」
「へぇ、いいね。じゃあそれにしよっか」
報酬金は大して高くはないが、世界にたった十二本しかない星霊の鍵が貰えるのは嬉しい。何ならルーシィにお土産としてあげてもいい。何らかの対価はいただくけど。
クエストボードから依頼書を外し、システィとシェリルは相変わらず騒がしい一階に下りる。すると、丁度マカロフがカウンターで寛いでいるのが見えたので、この間の聖十大魔道の件について話しておこうと思い、マカロフの隣に座った。
「マスター、この間の評議会でのことなんだけど…」
そう切り出し、システィはマカロフにあったこと全てを話した。
システィが話し終わると、「フム…」と呟いて少し残念そうな顔をした。
「システィ、お前さんはもう十分に強い。それはワシも、ギルドのみんなも認めとることじゃ。そろそろ自分に自信を持て」
「でも、やっぱり私は…」
「そういう不器用なところはエルザにそっくりじゃな…」
その後もマカロフとすっかり話し込んでしまい、システィは危うく本来の目的を忘れるところだった。
「あ、マスター。私、この仕事…ってあれ?」
気づけば置いてあったはずのS級クエストの依頼書が無くなっていた。辺りを見渡してもどこにも見当たらない。
「どうしたんじゃ、システィ?」
「二階から依頼書取って来たんだけど、気づいたら無くなってて…」
「そこにあった紙切れなら、青猫が取ってったぞ」
「ラクサス!!」
声の方を向くと、ラクサスが二階から見下ろしていた。
「青猫ってハッピーのことでしょ?何で止めなかったの!?」
「俺には何の紙か分かんなかったんでな。それよりジジィ、ナツはギルドの掟を破った。もちろん破門、だよなぁ?」
ラクサスの言葉に対してギルド全体がマカロフの答えを待つ。
ナツがギルドの掟を破ったことは確かな事実だ。最悪の場合、ラクサスの言う通り破門だって有り得る。
「マスター、これはちゃんと見てなかった私の責任です。私が連れ戻してきます」
「……頼まれてくれるか?」
「はい。依頼は私名義で受けておいて下さい。相手側に迷惑は掛けられませんから」
「待て、システィ。私も行く」
そう言い出したのはエルザだった。
エルザはギルドの風紀委員と言えるほどに掟に厳しい。行くと言い出すのも当然だろう。
「エル姉…。うん、お願いするね」
私が気まぐれでS級クエストを受けようなんて思わなければ…
システィはそう後悔せずにはいられない。
最後に「行ってきます」とだけ告げ、システィとエルザは依頼のあった悪魔の島、ガルナ島に向かった。
最後までお付き合いありがとうございます!!
次回からようやく島に上陸してストーリーが展開していきます。
バトルシーンもあるかもです。
では、最後までお付き合いありがとうございました!!