気ままに書き進めたので、誤字脱字や変な言い回しがあるかもしれませんが、広い心で読んでいただけると幸いです。
1.プロローグ
暗く深い森の中、少女一人で道なき道を走っていた。
少女の体は酷く傷ついていたが、それでも必死に走り続けていた。
逃げなきゃ…もっと、遠くに……
頭ではそう考えているが、少女の限界はとうの昔に超えていた。
体中が悲鳴を上げ、ついに何もない所で足がもつれて転んでしまう。
「うっ、うぅ…」
立ちあがろうとするも力が入らず、体を起こすことも出来ない。
「……い!…まえ、……いじょ...か!?」
薄れゆく意識の中で少女は優しく凛々しい声を聞いた。
しかし、少女にはもはや返事をする体力すら残っていない。
その声の主が敵でないことを祈りながら少女は意識を手放した。
「……ん……あ、れ?」
目を覚ますと、目の前に広がるのは森ではなく見知らぬ天井だった。
「ここ、は……?」
痛む体をいたわりながら体を起こすと、自分が寝ていたのはどこかの医務室のベッドだった。いつの間にか怪我も綺麗に治療されている。
「一体誰が…」
別に誰かに向けたものでもなかった問いの答えはあっさりと目の前に現れた。
「目が覚めたか?」
そそに立っていたのは緋色の髪に鎧を身に纏った少女だった。
「え、えと……はい。お陰様で」
ペコリと一礼をしてそのままベッドから出ようとするが、その少女に引き止められる。
「まだじっとしておけ。ひどい怪我だったんだ。一体何があったんだ?」
「それは……」
「なんだい、もう目が覚めたのかい?なら、早く出ていきな」
どこか懐かしいような声が聞こえ、そちらに目を向けると、厳しそうな女性が立っていた。
「ポーリュシカ、流石にそれは…」
「見た目は酷かったけど命に別状はないよ。さあ、出てった出てった」
「グラン…ディーネ…?」
「……!?」
ポーリュシカの顔が一瞬にして驚愕に変わる。
「エルザ、悪いが少し外してくれるかい?」
エルザが出ていったことで病室に二人きりになり、少し気まずい雰囲気になった。思い空気の中でポーリュシカが口を開く。
「あんた、さっきの名どこで聞いた?」
「えと…私、グランディーネに天空の滅龍魔法教わったんです!!」
嘘偽りなく答えると、少し間を置いて「そうかい」とだけ呟いてすぐ近くの椅子に腰掛けた。
「私は確かにグランディーネだがあんたの知るのとは全くの別人。私はここじゃない世界から来たのさ」
「そう…ですか…」
「……探してるのかい?グランディーネを」
「いえ、私はずっと前に彼女と別れてますから。ただ、ウェンディ…私の後に魔法を教わった子が今どうしてるか心配です」
当時のウェンディは、まだ魔力の操作も覚束無い女の子だった。そんな中、親代わりのグランディーネが居なくなってしまったら彼女は一人ぼっちだ。そんな彼女を心配しないはずがなかった。
「なら、ギルドに入りな」
「……え?」
「ギルドならいろんな情報が入ってくる。お前を助けたエルザもギルドの魔導士だ。紹介して貰いな」
「私なんかが…入っていいの…?」
「構わない。私は歓迎するぞ」
いつの間にか戻ってきていたエルザが優しく微笑みかける。
「……入りたい…。私、ギルドに入りたい!!」
「そうか。…えっと、名前は…」
「システィ…システィ・トワイライト!!」
「あれからもう三年かぁ~」
昔の事を振り返りながら私は空を仰ぐ。
未だにウェンディやグランディーネの情報は得られていないが、二人とも必ず生きていると信じているから今は特別心配していない。
そのまま空を見上げていると、肩に僅かな重みが加わる。
「システィ、確認終わったよ」
「ありがと、シェリル。じゃあ帰ろっか」
今では大切な相棒となった三毛猫のシェリルに笑いかけると、荷物を背負い大きく伸びをする。
私の立っている場所の周りには百を軽く超える人がボロボロになって倒れていた。
「それにしてもこいつら、全く歯ごたえが無かったよね~」
「凄いのはシスティだよ。たった一人で闇ギルドを殲滅したんだから!」
「ギルドの支部がいっぱいあるって分かった時はホントめんどくさかったよねぇ。結局いくつだっけ?」
「えっとね、…十四だね」
「そんなに潰したっけ?そりゃ長引く訳だ」
殲滅の依頼を受けてから既に一年が経っている。
心配はされてないと思うけど早く帰った方がよさそうだ。
「よし!じゃあ帰ろっか、
最後までお付き合い、ありがとうございます!!
実はこの作品は書き溜めたものを投稿してるので、間違いが多々あるかもしれません。
今後もチョコチョコと投稿していくので、どうか今後もお付き合いお願いします!!