ドラゴンボールNEXUS 時空を越えた英雄   作:GT(EW版)

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アルビノ

 全身にまばらな黒い斑点模様が散りばめられた、緑色の異形。

 背中には甲虫のような黒い羽根を広げているその怪物は、悟飯にとって初めて相対する存在だった。

 

「なんだ、お前は……?」

 

 どの獣人とも似つかない外見からして彼が人間でないことはわかるが、特に奇妙に感じたのは彼から感じられる「気」の質が酷く混沌だったからだ。

 一人の人間から二つの気配を感じるのは元の世界にいたネオンも同じだったが、目の前の怪物からは彼女よりも多くの、比べ物にならない数の「気」を感じたのだ。

 その中には父やベジータなど、悟飯の知っている人物達の「気」が含まれていた。

 正体を問い掛ける悟飯の言葉に、怪物は肩を竦めながら受け応える。

 

「おやおや、この世では私のことを忘れるほど時間が経っていたのかな? ……くだらん冗談はやめろ。この私を忘れたとは言わせんぞ、孫悟飯」

 

 怪物は口調こそ紳士的であったが、悟飯に対してはっきりと敵意を向けていた。

 その姿を悟飯の後ろから覗き見ていたネオンが、愕然と震えながら呟く。

 

「セ、セル……? なんで……」

「セル?」

 

 彼女が呼んだその名前は、この世界の自分とピッコロから語られた話に出てきた存在だった。

 人造人間セル――この世界では七年前に現れ、地球を窮地に追いやった恐るべき怪物だと聞いている。

 

「そうか、コイツがそのセルって奴か……」

 

 かつてはテレビ出演までして大々的に暴れたというセルの存在は、悟飯のいた世界で言うところのブロリーのように世界中の人々に知られている存在らしい。彼が件の怪物であることは、一般人代表であるネオンの反応から見て間違いなさそうだった。

 しかし、解せない。

 ピッコロ達の話によれば、その怪物は既に葬られている筈なのだ。

 

「セルは死んだんじゃなかったのか?」

 

 どうやら目の前に立つ自分を「この世界の孫悟飯」だと勘違いしている様子のセルに、悟飯は問い掛ける。

 それに対してセルが、しみじみと思い出に浸るように語った。

 

「ああ、私は確かに死んだ身だ。私はあの時貴様に敗れ、地獄の底に叩き落された」

 

 しかしこの事態は、彼自身でさえどういうことか測りかねている様子だった。

 

「何故私がここにいるのかは、私にもわからん。何者かがドラゴンボールを使ったのかもしれんが……私はこうして、再びこの世に舞い戻ったのだ」

 

 生き返った理由はもちろん気になるが、こうして貴様と相対した以上、もはやそんなことはどうでもいいと彼は吐き捨てる。

 そして次の瞬間、怪物の顔立ちが一瞬にして鬼の形相に変わった。

 

「許さん……断じて許さなぁい!」

 

 それはまるで昔、悟飯が子供の頃に見たフリーザのような激昂だった。

 悟飯に対する怒り、憎しみを隠そうともせず、彼はその感情に呼応するように内なる「気」を解放していく。

 

「……っ、待て!」

「地獄での日々は、実に愉快だった! 私にとってどれほど苦痛だったものか……! これはそんな愉快な場所に私を送ってくれた……礼だぁ!」

 

 マズい――セルが両腕を振り上げた瞬間、悟飯は咄嗟にネオンの腕を掴んで引き寄せると、彼女の身を抱き抱えながらその場から飛び上がった。

 

 ――瞬間、先程まで彼らが立っていた場所が光に覆われ、大爆発が巻き起こった。

 

 

「むぎゅ……飛んでる……っ、あ……ありがとう悟飯くん……」

「いえ……」

 

 セルが気を解放したエネルギーの波濤を受けて、周辺一帯が無惨に吹き飛んだのである。

 その光景を上空から見下ろしながら、悟飯は苦虫を噛み潰す。

 

「なんて気だ……この世界の俺は子供の頃、あんなのと戦っていたのか……!」

「あ……お墓が……」

「ネオンさん、しっかり掴まっててください」

「きゃっ」

 

 あの怪物、セルが解放した「気」はあまりにも桁外れなものだった。

 もはや化け物、と表現するのも生易しい。あのブロリーにも匹敵するのではないかと疑うほどに、その戦闘力は凄まじかった。

 悟飯は自らの腕に抱き抱えた少女、ネオンの姿を申し訳ない気持ちで見やる。

 

 ――戦うにしても、この世界では何の力も持っていない彼女を巻き込むわけにはいかない。

 

 少々乱暴な扱いになってしまうが、悟飯はネオンの身体を振り落とさないように支えながら、舞空術でその場から離脱していった。

 

「どこか安全な場所に……」

「……もしかしなくてもこれ、私邪魔になっているよね?」

「今、降ります! あそこに隠れて!」

「う、うん」

 

 悟飯が飛んでいる間、彼女は大人しく彼の腕にしがみつきながら指示を受け入れてくれた。

 ベビーという力が無くとも、こういった状況でも冷静な判断力を持っているのはこの世界でも変わらないようだ。

 悟飯は眼下に手近な荒野を見つけると、彼女の身をゆっくりとその場に下ろしていく。

 

 それから彼女に安全な場所へ避難してもらった後、悟飯は再び飛び上がってセルの元へと向かった。

 

 彼の方もまた、悟飯を追いかけてきたのだろう。

 青空の下では、己の両手を開いたり閉じたりしながら自らの力を確認している怪物の姿があった。

 

「ふふふ……地獄でなまったのではないかと心配していたが、どうやら私のパゥワーはあれから落ちていないらしい」

 

 今しがた確認した自らの力に、彼は納得の笑みを浮かべていた。

 顔を上げ、悟飯に対し問い掛ける。

 

「お前はどうだ孫悟飯? まさかお前も、平和な世界で腕がなまったなどと言うのではあるまいな」

 

 悟飯のことを完全に「この世界の孫悟飯」だと思い込んでいる様子の彼は、その目に激しい復讐心を滾らせていた。

 この世界の孫悟飯がどれほどの実力なのかはわからないが、七年前にこの怪物を倒している以上とてつもない強さであることは疑いようもないだろう。

 悟飯は確かに孫悟飯だが、「この世界の孫悟飯」とは全くの別人だ。

 しかし今しがた受けたセルの問いかけは、絶望の未来を生きてきた悟飯には聞き捨てならないものだった。

 

「平和なもんか……」

 

 腕がなまるような世界であったなら、どんなに良かっただろうか。

 真っ先にそう考えてしまう悟飯の壮絶な人生は、常に命を賭けた闘争にあった。

 

「はあああっ!」

 

 それを示すように、悟飯が暴力的な自らの力を解放していく。

 黄金色の光がバーナーのように猛りを上げながら、悟飯の全身を覆い尽くす。

 黒髪は逆立った金髪へと変わっていき、双眸は水のように冷たい青へと変化する。

 

 超サイヤ人――その姿に変身した瞬間、悟飯は自らの身体に生じていたある「異変」に気づいた。

 

(なんだ……この身体中から湧き上がる力は……これが、俺?)

 

 それは、驚くべき感覚だった。超サイヤ人になったことによって、初めて気づいた異変である。

 悟飯が身体の内から引き出すことができる力の総量が、以前よりも数段大きく上昇していたのだ。

 

「また一つ、超サイヤ人のパワーマックスが伸びたのか……?」

 

 サイヤ人の特性である瀕死からのパワーアップ現象は、既に打ち止めになって久しい。

 考えられる要因としては、やはり超越形態であろう。

 最初に超越形態になった時、悟飯は数日間意識不明の昏睡状態に陥った。しかしその状態から回復し、身体を休めた後、悟飯の戦闘力は飛躍的に上昇したのが記憶に新しい。

 今回もまた超越形態によって生死を彷徨った悟飯は、再び大きくパワーアップを遂げて復活していたのである。

 

 ――これなら、超サイヤ人も超えられる!

 

 悟飯はブロリーに匹敵するかもしれない力を持つ目の間の怪物との対峙に希望を見出し、口元を僅かに綻ばせた。

 黄金色の光が、より強烈に広がっていく。

 瞬間、悟飯の前髪がさらに逆立ち、黄金色のオーラに青白い稲妻がバチバチと走った。

 

「きれい……」

 

 そんな彼の姿を地上の木陰から見上げながら、恍惚とした顔でネオンが呟く。

 拳を握り締め、悟飯は怪物セルと向き合った。

 

「超サイヤ人の上を行くこの姿……(スーパー)サイヤ人(ツー)ってとこかな」

「ふふ、どうやらさらに腕を上げたようだな。流石は孫悟飯、そうでなくては復讐のし甲斐がない」

 

 超サイヤ人を超える力、超サイヤ人2。自分自身でも予期せず手に入れることができた新たな力に、悟飯はそう名付ける。

 そんな悟飯に好戦的な笑みを向けながら、セルもまた黄金色のオーラと共に青白い稲妻を弾けさせた。

 

 残念ながら彼が復讐を望む相手と自分は人違いなのだが、この時の悟飯は彼と戦い、この力を試してみたい衝動に駆られていた。

 

 おそらくはこの変身に慣れていないが故に襲われた強い興奮状態が、悟飯の意識を本来の彼よりも苛烈にさせているのだろう。

 だが元の世界に帰った後のことを考えれば、この怪物と戦うことに理があることもまた確かだった。

 今の力を試すには、これほど絶好な相手もいない。

 

「今度は奇跡は起きんぞ!」

「来いっ!」

 

 ――そして、時空を越えた者同士の拳が激突した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 地球は今、不可思議な異常事態に襲われていた。

 人々が住まう町々は平穏を脅かされ、各所から爆発や悲鳴が上がっていく。

 

 その騒ぎの中に、男の姿はあった。

 

 頑強な筋肉に覆われたスキンヘッドの巨漢が、廃墟と化していく町に一人佇んでいる。

 男は蘇った(・・・)自らの力を試すように指先に力を込めると、逃げ惑う力無き地球人達に向かってクン――と、その指を突き上げた。

 

 ――瞬間、都の地面から区内を覆うほど大きな爆炎がせり上がっていく。

 

 爆発に巻き込まれた百人以上もの住民達は、一瞬にしてその命を失う。

 張り上げては消えていく断末魔の叫びが彼の心に最上の高揚を与え、男の口ひげを喜悦に歪ませた。

 

「くく……っ、たまんねぇなぁこの感覚は」

 

 破壊と殺戮に幸福を感じるその凶暴性は、生まれてこの方一度も自制したことはない。

 何故ならばそれこそが、宇宙最強の強戦士族サイヤ人の本能だからだ。

 

 男の名はナッパ。純粋なサイヤ人戦士の一人であり、十年以上も前に死んだ筈の人間だった。

 

 その男が挨拶代わりに行った荒々しい破壊活動を高みの空から見下ろしながら、別の男の声がその場に響いた。

 

 

「破壊だけの脳足りんは、地獄に堕ちても変わらんようだな」

 

 

 その声を聴いた途端、高笑いを浮かべていたナッパの表情が一瞬にして固まる。

 上を見上げればその表情は驚愕に、次に激しい怒りへと変わった。

 

 空からナッパを見下ろしていた人物の姿は、彼をこの世から消し去った男だったのである。

 

「ベジータ……! てめえよくも!」

 

 ナッパが激情を隠そうともしない形相で、憎々しげに彼の名を叫ぶ。

 ベジータ――サイヤ人の王子であり、かつてはナッパと共にこの地球を襲った男。

 カカロットとの戦いに敗れた彼をゴミのように殺害し、地獄に叩き落した張本人の姿だった。

 

「消えろ。また俺に、殺されたくなかったらな」

 

 自分がお前を殺したのだと冷酷に突き付けるベジータの顔はどこ吹く風であり、怒りの表情を浮かべるナッパの姿を敵とすら捉えていなかった。

 そんな彼の目を見据えた瞬間、ナッパの頭は真っ白に染まった。

 

「ベジータああああっ!」

 

 まるで理性を失くしたかのように憎悪の叫びを上げながら、ナッパは大きく開いた口からエネルギー波を放つ。

 しかしその瞬間、局所的な爆発の白光が巨体を襲った。

 

「っ!?」

 

 ナッパが全力で放った最大の技に対して、ベジータはハエでも追い払うように軽々しく気弾を放ち彼の肉体を塵一つ残さず消し去ったのである。

 

 

 一撃でかつての同胞を葬り去ったベジータは、ゆっくりと廃墟の地に降り立ちながら吐き捨てた。

 

「血迷いやがって」

 

 力の差はわかっていただろうに、昔と変わらない単細胞さには再度失望を禁じえない。

 実のところかつての同僚のよしみでこの場は見逃してやってもいいかと考えていたのだが、あれではそんな気も失せていくものだ。

 

「チッ、どうなってやがる……」

 

 ベジータはその場で自らの感覚を研ぎ澄ませながら地球上に分散する大きな「気」の数を知覚すると、それらの存在に眉をしかめた。

 不可解なことにもそれらの「気」は、いずれもこの世には存在し得ない者達だったのだ。

 

「なぜ死んだ連中がうじゃうじゃと……!」

 

 ギニュー特戦隊やフリーザ軍兵士、コルド大王やセルジュニア達の「気」までも感じる。

 この「西の都」に現れた先ほどのナッパもそうだが、彼らは間違いなく死んだ筈の人間だった。そんな連中がまるで怪奇現象のように、突如としてこの地球に出現したのである。

 そしてそれは、ナッパの存在で確定的となった。

 理由はわからないが、かつて敗れた死人共がこの世に生き返っているのは間違いないとベジータは理解する。

 中でも一際大きい人造人間「セル」の気は、七年前散々辛酸を舐めさせられたベジータには忘れられる筈もなかった。

 

 だが奴まで生き返って再び現れたのなら、進化したこの力でリベンジしに行くのも一興か。

 今のベジータは七年間続けてきた過酷な修行の果てに、かつての孫悟飯が至った超サイヤ人を超えた超サイヤ人への変身を会得している。

 故にかつて敗れたセルとて、今の俺の敵ではないという確固たる自信があったのだ。

 しかし残念なことに、生憎にもセルの相手は既に先約がいる様子だった。

 

「悟飯め、セルの相手は奴に取られたか」

 

 彼らの「気」の動きを読み取ったことで、かつてセルを倒した男が再び彼と戦っているのがわかったのだ。

 セルの「気」とぶつかり合う孫悟飯の「気」は、七年前よりも大きな力を解き放っていた。

 孫悟飯は平和な世の中ですっかりトレーニングをサボっていたものと思っていたが、自分の知らないところで鍛えていたのだろうか? 今しがた迸っている凄まじい力と最近の彼の姿がどうにも一致せず、ベジータは感知した彼の力を不思議に感じた。

 

 ……いや、違う。これは、奴の「気」ではない。

 

 より深く意識を集中して探ってみると、現在セルと対峙している凄まじい「気」が自分の知る孫悟飯のものとは僅かに異なっていることに気づいた。常に神経を鋭敏に研ぎ澄ませているベジータだからこそ気づくことが出来た、ほんのわずかな違和感だった。

 何より、彼の知る孫悟飯の気はもう一つ別の場所に感じるのだ。これではまるで悟飯が二人いるようだと、ベジータは今の自分と同等近い力を持つ不可解な存在に興味を抱いた。

 

 しかし、その気配の元へ飛び立とうとするベジータは――後ろから唐突に現れた大きな気配によって呼び止められた。

 

「セルよりももっと、君には相応しい相手がいるよ」

 

 歳若い少女のような甲高い声だった。

 まるで瞬間移動のように背後に現れた不遜な気配に、ベジータは振り向きながら鋭い視線を向けた。

 

「やあベジータ、会えて嬉しいよ」

「なんだ貴様は?」

 

 見覚えのない、子供の姿だった。年の頃は十代前半と言うところで、悟飯よりも幼く見える。

 白い髪を肩先まで下ろしたその少女は、柔らかな物腰に反して冷たさを感じる青い目でベジータを見据えている。

 そんな少女はベジータにとって何となく不快な気配を漂わせながら、白銀の指輪が光る右手の甲で自らの口元を押さえた。

 

「わからない? なんだよ、君達が滅ぼした種族じゃないかー」

 

 微笑みを浮かべながら、煽るように問い返してきた彼女の言葉を受けて、ベジータは即座に彼女の正体を看破した。

 この本質的に相容れないような彼女の不快な「気」は、ベジータがまだ子供の頃、実戦デビューを飾った頃に感じたことのある不快な感触に似ていたのだ。

 

「ふん……わかるぞ、この惨めな気は」

 

 あの時は今のように明確な形で人の「気」を感じることは出来なかったが、殺戮の天才王子である彼は天性の感覚でその感触を記憶していたのだ。

 ベジータはにやりと唇の端を吊り上げると、当時の感触と目の前の少女から感じる気配を照らし合わせながら言い放った。

 

「ツフル人だな」

 

 ツフル人――かつてサイヤ人の手で絶滅し、星ごと乗っ取られた哀れな負け犬種族。

 彼女の姿は地球人の少女にしか見えないが、彼女の放つ不快な「気」からは、今は亡き惑星ベジータの旧支配者達が持っていたものと似た波長を感じるのだ。

 少女は彼の言葉に、肯定を返す。

 

「流石王子様、一発で見抜いたか。オレの名前は……そうだね。「アルビノ」とでも呼んでよ」

 

 白髪の少女は自らの髪を指先でいじりながら、自らの名をそう呼称する。

 アルビノと名乗った少女の前でベジータは、彼女の正体がわかったことで喜びを感じている自分に気づいた。

 

「で? その負け犬のツフル人さんがわざわざ俺に何の用だ?」

「はは、ベジータがそれを聞くのかい? そんなの、仇討ちに決まっているじゃないか」

 

 気分が良いのだ。彼女から受ける蔑みと憎悪の眼差しが。

 ベジータはこの七年間、他ならぬ自分自身の在り方に対して戸惑いを感じていた。

 気に入らなかったのだ。知らないうちに亡きカカロットや息子達の影響を受けて、穏やかになっている自分が。

 サイヤ人の王子ともあろうものが家族を持ち……それも、悪くない気分だった。

 居心地の良い地球を、好きになってしまっていたのだ。

 そんな折に、サイヤ人と憎しみの因縁で結ばれたツフル人と出会ったのだ。

 

 腑抜けた自分に本当の姿を思い出させてくれる……自分のことを残忍で冷酷なサイヤ人として見てくれる彼女の眼差しは、昔の自分への回帰を望む今のベジータには実に甘美なものだった。

 

 なのにその高揚が……どこか虚しく思えてしまうのは、何故だろうか。

 

「ふん、いいだろう。負け犬ごときに何が出来るのか知らんが、精々この俺を楽しませるがいい」

「ああ、とことん楽しませてあげるよ。君達の大好きな弱い者いじめでね!」

 

 久しぶりに元の悪人として堂々と戦える相手が出てきてくれたのが嬉しい筈なのに、何かが足りない。

 そんな感情を振り払うように、ベジータは組んでいた腕を解いてツフル人の少女アルビノと対峙した。

 




 

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