もこたんのヒーローアカデミア   作:ウォールナッツ

29 / 92




もこたんと雄英体育祭 最終種目 4

『さぁー、始めるぜ準決勝!火力だけなら1年生どころか3学年合わせてもトップじゃないか!?藤原妹紅!対するは一回戦、二回戦とも危なげなく勝利を納めている実力者!常闇踏影!決勝に歩を進めるのはどっちだ!?』

 

 妹紅の対戦相手、常闇は会場に響く実況を聞き流しながら、額に大粒の冷汗を浮かべていた。彼の個性『黒影(ダークシャドウ)』は闇の深い場所ではより強力に、より活発になるという特性がある。

 しかし逆に、光には非常に弱く、光を当てられると大幅にパワーダウンするという弱点もあった。つまり、常闇にとって炎を扱う妹紅は天敵なのである。騎馬戦で妹紅たちのチーム加入の誘いを断った理由もここにある。

 当然、常闇本人もそれは理解していた。故に彼の作戦は試合開始直後の奇襲一択。それしか手は無い。しかし――

 

(く…、隙が全く無い。飯田戦で速攻を受けた事で、厳しく警戒されてしまったか。これは、マズいな…)

 

 妹紅は目を伏せる事も、ポケットに手を突っ込む事もしていなかった。視線は常闇を見据えて足を肩幅に開き、腕は軽く下ろしている。正に自然体といえる姿勢だ。しかしながら、その身から発せられるプレッシャーは凄まじく、相対する常闇は一切の隙も見つける事は出来なかった。

 

『始めるぜ!?レディィィ、スタートォ!』

 

 正しく先手必勝。開始の瞬間、妹紅は一足踏み込み、炎を纏った右手を勢いよく振り上げた。放たれた紅蓮の炎は妹紅と常闇の目の前で激しく燃え盛る。高さ10メートル以上の炎の壁が、試合ステージを完全に二分割しながらも、衰える事無く燃え続けていた。

 

『藤原!いきなりの爆炎!常闇は動けず!炎の壁で2人は完全に別たれた!』

 

 試合開始直後に放たれたこの炎の壁はダークシャドウを怯ませるに十分な威力だった。炎の光で照らされたダークシャドウは『ヒャン!』と鳴いて縮こまり、涙を湛えながら常闇の背に隠れてしまう。

 こうなってしまっては、常闇にはどうする事も出来ない。ただ、炎の壁を前に後ずさるしかなかった。一方、妹紅は業火を放ち続けて、炎の壁を維持している。

 

(今の私じゃあ、炎に集中しないと細かなコントロールなんて出来ない。でも、炎に意識を傾け過ぎると、戦闘相手への集中がおろそかになっちゃう。それなら、細かなコントロールなんて必要ない状況を作れば良い…はず!)

 

 相手に向けて炎を使うから複雑なコントロールが必要になってしまうのだ。ならば、相手に向けずに他所に炎を放つことで圧力(プレッシャー)をかければ良いと妹紅は思った。

 例えば、この炎の壁は常闇に向けて放ったモノでは無い。わざと妹紅と常闇の間で燃え盛るように炎を放っており、それは“試合ステージを横断する程度の長さと、そこそこの高さまで燃え上がる程度の威力”という感覚的な出力で放っていた。個性は身体の一部。それくらいの大雑把な炎ならば、妹紅は集中するまでもなく扱えた。

 故に、妹紅の意識は対戦相手に傾けたままであった。仮に常闇が炎の壁を突破したとしても、妹紅は落ち着いてそれに対処出来るだろう。

 

(こちらの迎撃態勢は万全…のつもりだけど、当の常闇が炎の壁を突破してこないな。本人が無理だとしても、個性の黒い影だけでも突破してくると思っていたんだけど…実は射程距離に難が有る個性?それとも、黒い影にダメージを受けると本人にもフィードバックを受けるとか…?どちらにしても突破されないというのならば、常闇が攻略策を思いつく前にこちらから攻めるしかない!)

 

 煌々と燃え盛る炎のせいで妹紅の視点からは常闇の姿がうっすらとした影にしか見えておらず、彼の様子をはっきりと窺う事が出来なかった。詳しい動きは分からないが、それでも炎の壁を今にも攻略しようという様子では無さそうだと妹紅は判断した。

 右手を前に突き出して炎を放っていた妹紅が、手を掲げたまま前方へとゆっくりと歩き出した。同時に炎の壁も一緒に動き始める。

 

『藤原はこのまま常闇を場外に押し出すつもりか。常闇は…厳しいな』

 

 当然、担任の相澤は常闇の弱点も知っており、この試合の圧倒的な相性差を理解していた。多少の相性差ならばまだ勝ち目はあるのだが、ここまでの相性差になれば勝利はほぼ不可能だとも理解していた。

 彼の言う通り、常闇はどうする事も出来ずに徐々に場外近くまで追いやられてしまい、敗北は時間の問題となっている。

 

「く、打つ手が…!」

 

 炎が迫る。常闇は必死で挽回の策を考えるが、焦りからか何も思いつかなかった。頼りのダークシャドウは未だに彼の背に隠れてクスンクスンと泣いており、全く役にたたない。

 常闇がジリジリと後ずさる。そして、ついに彼の足が場外へと出てしまった。

 

「常闇くん、場外!」

 

『常闇、炎に押し出されて場外だー!これは相性が悪すぎたか!?無敵に近い個性で勝ち進んで来た常闇が!ここで敗退!藤原の勝利だ!よって、決勝戦は爆豪対藤原に決定だぁ!』

 

 ミッドナイトが勝負有りの声が会場に響くと、周りからワッと歓声が上がった。歓声に混じって“どんまい”という常闇に向けた慰めの言葉も多数聞こえる。

 敗北した常闇はしばらく無念そうに俯いていたが、すぐに顔を上げた。そしてステージに向かい一礼すると、粛々と退場していくのだった。

 

『決勝戦は15分後くらいに始めっから絶対見逃すなよ!』

 

 炎を戻した妹紅は一息ついた。長かった雄英体育祭も後1戦で終わる。ここまで来たのだから優勝して寺子屋に帰りたいものだ。きっと慧音たちは褒めてくれるだろう。楽しみだ。そんな事を考えながら妹紅はステージを降りて控え室に向かうのだった。

 

 

 

 

「お疲れ様でーす。休憩入りまーす」

 

 スタジアムの側に建てられている小綺麗なプレハブ小屋。出入り口には『BREAK ROOM STAFF ONLY』と書かれており、警備として雄英に雇われたプロヒーローたちの休憩室として使われていた。

 扉を開けて入ってきた人物は新米ヒーロー、マウントレディ。ニッチなファンを多数抱えるニッチな女性ヒーローであるが、『巨大化』という派手な個性を持っているため、意外と認知度は高い。

 

「おう、お疲れさん。俺の警備シフトは…もうそろそろか。これじゃあ、決勝戦は見れねぇな」

 

「我は30分後か。何とか決勝戦は見届ける事は出来そうだな」

 

 彼女の声に2人のプロヒーローが応えた。1人は力仕事を専門とするヒーロー、デステゴロ。もう1人は新進気鋭の若手実力派ヒーロー、シンリンカムイである。この2人はマウントレディと活動地域を同じくしている事もあって、彼女とも顔見知りのヒーローだった。今日の警備も、警備時間や場所が被っている時は行動を共にしていた。そのくらいには仲が良かった。

 2人が自身の警備シフトを確認すると、デステゴロは気落ちしたように溜息を吐いた。決勝は見たかったが、仕事である以上は仕方無い。そんな思いが込められた溜息だった。

 

「デステゴロさん、どんまいです。えーと、決勝戦はヘドロ事件の時のバクゴーくんと…あ、この白い子ですか。この子、やっぱり決勝まで勝ち進んでる。強いですねー」

 

 マウントレディがパイプ椅子に腰掛けると、早速話題が決勝戦へと移った。『巨大化』の個性を持つ彼女は建物内での活躍は見込めないため、スタジアムの外周が警備場所にあてられていた。故にトーナメントの試合結果がどうなっているのか詳しく知らなかった。

 ディスプレイに表示されているトーナメント表を見て、まず目に付いたのは爆豪勝己の名前だろう。彼らは決勝に歩を進めた爆豪の事を知っていた。

 遡る事、およそ1年。彼等の活動地域でヘドロ型のヴィランが1人の中学生を人質にとって暴れた事件があった。ヘドロヴィランはオールマイトが倒して事無きを得たが、人質となった中学生は子どもとは思えないタフネスさと『爆破』という良個性で一躍有名人となった。それが爆豪である。

 

 一方、藤原妹紅という女子については全く知らない。色素の抜け落ちた真っ白で幻想的な容姿と、見る者を圧倒する膨大な炎の個性。これだけ目立っていれば中学時代から何かしらの話題があったとしてもおかしくは無いが、そのような噂話は一切聞いた事が無かった。

 雄英に入学するために遠い地から引っ越してきたのか。それとも単純に控え目な中学生活を送ってきたのか。ともかく彼等3人にとって、藤原妹紅という名前は今日初めて聞いた名前だった。

 しかし、知らないからこそ興味を持ってしまうのは人のサガであろうか。決勝戦が始まるまでの15分間、観客の一般人からプロヒーローまで、多くの人間が藤原妹紅という女子生徒に関心を示していた。彼等3人もその例に漏れず、話題は妹紅についてだ。

 

「他の生徒と比べると飛び抜けた火力だな。それに加えて飛行能力。ありゃプロが相手しても簡単には勝てねぇぞ」

 

「炎と相性が悪い個性ならば特にそうであろう。この試合のルールで戦えば我でも勝てぬ」

 

「シンリンカムイさんは爆炎系苦手ですもんね」

 

 マウントレディはヘドロ事件を思い出しながら言うと、シンリンカムイは神妙に頷いた。彼の個性は『樹木』。身体を樹木に変化させる個性であり、捕縛に秀でた個性であるが、樹木故に炎に対してはすこぶる弱い。炎と相性が悪い典型的な個性と言えるだろう。

 

「うむ…まぁ、我の事はともかく、今回のトーナメント出場者の中でも彼女に勝てそうな者は少ない。完封出来るのは精神干渉系個性の心操くらいか。後は、轟あたりが良い勝負をしたであろう。残念ながら、かの者は実力を見せずに敗れてしまった故に勝敗は予想出来ぬがな」

 

「後はインゲニウムの弟(飯田)みたいに反応出来ねぇくらいの速さで奇襲をかけるかだな。だが、ダメージを与えたところで…」

 

「飯田の二の舞となろう。となれば、如何にして藤原を場外に出すかが勝利の鍵となる。さて、爆豪はどのような戦法をとるのであろうか…」

 

 デステゴロとシンリンカムイはそう言うと、腕を組んで思案に暮れた。個性の相性だけで語るならば、藤原妹紅が優勢。それがプロヒーローである彼等の見解であった。

 

「ん?二の舞ってどういう事です?私、その試合の時は警備中だったので、ちゃんと見ていませんでした」

 

 そんな彼等の意味深な言葉に、マウントレディが小首を傾げて疑問を投げかけた。彼女は妹紅と飯田の試合を見ていない。丁度その時、彼女はスタジアム外周の警備中だったからだ。ファンから写真撮影を求められたのでそれに応じたり、屋台の店主に色仕掛けしてタコ焼きなどをせびったりもしていたが、一応は警備の仕事をこなしていたのだった。

 

「あの藤原って子、俺たちの見間違えじゃ無けりゃあ治療系か再生系の力も持ってる。炎で燃やした箇所を治す、ってところか」

 

「うそ、マジですか!?ガチの強個性じゃないですか!はぁ~、ついこないだプロデビューしたと思ったら、下から凄い個性を持った子たちがどんどん出て来ちゃうんですからイヤになりますよ」

 

 デステゴロたちの推論にマウントレディが目を見張って驚く。そして、大きな溜息を吐くと愚痴を溢した。それをシンリンカムイは窘める。

 

「何を言う。有望なヒーローが増えるのだから、良い事ではないか」

 

「そりゃそうですけど。ただでさえヒーロー飽和社会なんて言われているんですから、後輩に仕事取られちゃったらウチら食べていけないですよぉ。あの白い子がアイドルヒーローにでも成られた日には私のファンも減っちゃうかも…」

 

 またもマウントレディが溜息を吐いた。確かにヒーロー業というのは、世間から脚光を浴びている。しかし、その実態は非常にシビアな世界だ。彼等は事件や事故を解決し、その活躍に応じて国から収入を得るのだが、ヒーローが増えると言う事は活躍出来る機会が少なくなってしまうという事でもある。

 マウントレディが言った通り、昨今の日本はヒーローが多すぎる“ヒーロー飽和社会”。ヒーロー業一本だけでやっていくには大変な時代だ。その為、副業を持つヒーローも少なくない。彼女もアイドルとしての一面を持っているのだが、アイドル業もヒーロー業と同じく人気と知名度が命の商売だ。安定した副業とは決して言えず、彼女が後輩の台頭に恐れを抱く事も仕方が無かった。

 

「むぅ…そうなったとしても我々はプロヒーロー。為すべき事を為すだけだ。まぁ、弱肉強食のヒーロー社会が世知辛い事は否定出来ぬがな」

 

 シンリンカムイが神妙な面持ちでそう語った。犯罪件数の低下は彼の望む事ではあるのだが、それによって収入が減る事もまた事実。ヒーローとて、理想のみでは生活出来ないのだ。

 因みに、彼の副業は新種のキノコ、『シンリンカムイキノコ』の栽培と販売だ。松茸を凌ぐ気品のある香り持つそのキノコは、高級料亭から予約が殺到しているらしい。

 

「そうだな…っと、俺はそろそろ警備に出る時間だ。また後でな」

 

 デステゴロがそう言って席を立つと、マウントレディとシンリンカムイは手を振って彼を見送る。残された彼等は再び雑談に花を咲かせるのだった。

 

 

 

 妹紅は指定された控え室を目の前に足を止めた。もう一つの控え室に居るはずの爆豪が、苛立った様子で彼女の控え室の前で立ちはだかっていたからだ。

 

「…お前の控え室は反対側じゃなかったか?」

 

「分かってんだよ!ンな事は!」

 

「そうか」

 

 自分が間違ってしまったのかと思って妹紅は聞いてみたが、どうやらそういう訳でも無いらしい。ならばどうでも良いか、と気にせずに爆豪の横を通り過ぎて控え室の扉に手を伸ばすと、彼の怒鳴り声が廊下に響いた。

 

「待てコラ白髪女!空気読めや!」

 

「…何か用か?」

 

 妹紅は“面倒くさい…”と心の中で呟きながら振り返る。爆豪は苛つきが治まらない様子で歯軋りを鳴らしている。

 

「あの半分野郎はふざけた事ォしやがった!舐めやがって!あんな勝利に何の価値もねぇ!」

 

 爆豪の吊り上がった目は怒りで血走っている。そして心底から沸き立つ怒りと共に、妹紅を指差した。

 

「テメェだ!半分野郎と互角に戦ってきたテメェを決勝戦でブッ殺してやる!No.1ヒーローを目指している訳じゃ無いとか舐めた事言いやがって!テメェの家事情も目標もどうでもいんだよ!テメェを叩きのめして完膚なき1位を取ってやるから、全力で来いや!じゃねぇとブッ殺すぞ!」

 

 爆豪はそう言い切って両手から爆発を起こして派手に威嚇した。彼にとって1番以外はゴミであり、与えられた1番もまたゴミに過ぎない。彼が望むモノは正真正銘の“1番”。爆豪はただひたすらに己が望む“1番”を目指していた。

 上鳴曰く、クソを下水で煮込んだような性格の爆豪。実際、誰に対しても粗野で攻撃的な少年である。彼を恐れ、嫌う人間は多いだろう。しかし、彼の性格には裏表が一切無いのだ。幼い日に1人のヒーローに憧れた。そして、彼の様に強くなる為にここまで来た。ただ、オールマイトの様な強いヒーローになりたいという、たった一つの目的の為に。

 つまるところ、この少年は誰よりも純粋であるのだ。

 

「…殺す?」

 

 しかし。

 

「私を、か?」

 

 しかし、妹紅は冷やかだった。

 

「…ッ!」

 

 爆豪と妹紅の視線が合う。その瞬間、彼は思わずその場を飛び退いた。

 殴殺、撲殺、刺殺、絞殺。そして、餓死、衰弱死、溺死、凍死、自死。妹紅の瞳の奥に濃厚な死の気配が幾つも重なって見え、彼の本能が退く事を選んでいた。

 そんな爆豪の様子に、妹紅は一切の興味を示さなかった。ただ視線を切ると、振り返って爆豪に背を向ける。

 

「安心しろ。私はお前に負けるつもりなんて無い……もういいか?」

 

 妹紅は爆豪の返事も聞かずに控え室に入り、扉を閉めた。まるで、路傍の石の如き扱い。それがまた、彼の怒りに触れてしまった。爆豪は『クソがッ!』という捨て台詞と共に扉を激しく蹴った後、怒りで身を震わせながら荒々しく歩き去っていった。

 一方、控え室に入った妹紅はパイプ椅子に座り、背もたれに体重を預けると、大きな溜息を吐いて目を瞑る。気分は最悪だった。

 

 妹紅は『死ね』とか『殺す』という言葉が嫌いだ。その言葉は父親がよく使っていた事を今でも覚えているからだ。

 寺子屋では職員はもちろん、子どもたちでもそんな言葉を使う者は1人もいない。親に虐待された過去を持つ子どもが多い寺子屋では、やはりそういう言動には厳しい。冗談で言ったとしても、かなり怒られるのだ。

 しかし、そういう言葉を耳にしたからといって無闇矢鱈に取り乱す様な精神状態からは、妹紅は脱している。現にこれまで、爆豪のそういった発言には眉をひそめる程度で済ませていた。だが、こうも直接的に正面から言われると、つい父親の事を思い出して心がざわめく。

 

(はぁ、ムカつく…。アイツにだけは負けたくないな)

 

 その苛つきからだろうか、妹紅の思考が好戦的な色で染まり始めていた。元々、妹紅は轟に負けてもいいと思っていた。緑谷や飯田、八百万、常闇、それどころか他の生徒に対しても、ベストを尽くした試合の果てならば負けてもいいと思っていた。

 だが、爆豪にだけは負けたくない。寺子屋の子どもたちに、不良っぽい彼に負ける姿を見せたくなかったし、彼の言葉で父親を思い出してしまった事も原因の1つだろう。

 であるのならば、目指すモノはただの勝利ではいけない。ぐうの音が出ない程の圧倒的な強さを見せつけた上での勝利が必要になってくる。妹紅にとって、それが真の勝利だ。

 

「“全力で来い”だったか?良いだろう爆豪。お前に見せてやるよ。不死鳥の慈悲を、な」

 

 そう軽やかに呟いた妹紅の口元には、僅かな笑みが浮かんでいた。

 




もこたん「キレてないですよ。私をキレさしたら大したもんだ」ピキピキ

 『死ね』や『殺す』は、もこたんの地雷ワードです。今まで何度も死んできたのだから、然もありなん。クラスでは爆豪の真後ろの席なので、彼の暴言にも慣れていそうな気もしますが、流石に正面からそんな暴言を吐かれた事は無いでしょう。なので結構キレてます。
 “笑うという行為は本来攻撃的なものであり 獣が牙をむく行為が原点である”って奴です。これにはもこたんも思わずニッコリ。

次、常闇戦。
 これ無理です。油断も慢心も止めたもこたん相手では、常闇くん勝てません。何かしら活躍を見せたかったけど、何も思いつかなかった。すまぬ、常闇くん…

次、仲良しヒーロー3人組。
 仲が良さそうだったので、登場させてみました。
 各ヒーローの裁量で自由に警備させちゃうと、準決勝や決勝で皆揃って休憩取っちゃいそうなので、警備体制はシフト制なんだろうなぁ、と妄想していました。休憩時間が決勝戦と被ったヒーローはラッキー。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。