√シルバー【完結】   作:ノイラーテム

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九校戦編
九校戦、校内予選


●受難の始まりと、空港で見た妖精

「一条君、なんだか元気ないね」

「どうも恋わずらいしてるみたいよ」

 一高に注目する三高の問題。

 そして三高を揺るがす恋の事件の始まりは、女の子達の何気ない会話からだった。

 

「嘘…でしょ? あの一条くんが? どういうことなの吉祥寺くん!」

「その話は僕も後から聞いたから良く知らないんだ。何せ将輝はずっとあの調子だし、東京に行った時のことだと思うんだけど…」

 問い詰められた吉祥寺・真紅郎は事情説明に追われることに成った。

 渦中の人である一条・将輝と親友である彼は、良く一緒に居るが常に…という訳でもない。

 

 現に彼の東京行きには同行して居ないし、その辺りの話が耳に入って来ないという状況を考えると、考えられることは少ない。

 

「東京で?」

「僕も一緒に居た訳じゃないし、他の生徒から詳しいことを聞いたことが無い。つまりは用事で東京へ行った時くらいだよ」

「ということはその時に一緒に居たメンバーに聞けばいいわけね! あたし探して来る!」

 止せ。とは誰も言わなかった。

 親友である真紅郎も気に成っていたし、九校戦に向けての選考が始まるこの時期に将輝がボケっとしているのは問題だからだ。

 もっとも恋だと言うのが本当だとして、応援しようとする者と反対する者では事情が違うであろうが…。

 

『証言者Aの言葉』

『あー、あの時の三人娘の誰かだと思うよ。印象の違う美人が三人いたし、他じゃビシっとしてたから』

『どんな娘かだって? どの子もいずれ劣らぬ美人だったけど…。雰囲気の隙が無い子と、妖精みたいな凄い可愛い子と、可愛いのに服を嫌がってる子だったと思う』

 

「妖精の様な美人? 一高の生徒会長は確かに妖精みたいな美人だけど、家の用事で何度も会ってる筈…」

『いや違う違う、”エルフィンスナイパー”じゃないよ。もっと凄かったと言うか、一年じゃないかな』

 

『証言者Bの言葉』

『最初はそこまで気にしてなかったんだ、こっちも戻る途中だったしな。…そこで妙な奴を見付けたんだよ』

『あそこに居る奴、妙じゃないか? ストーカーにしては変だし…。ってとこで、誰かが護衛じゃないかって言って、そういえば”森崎”に違いないって判ったんだよ』

『そうそう、その森崎。だから金持ちとか名家の子なんだろうなーとは思ってたよ』

 

「ということは隙のない子も護衛だったのか、あるいは狙われてるかもしれないからかな」

『警戒してる感じは無かったし、この子が金持ちなんじゃね? でもさ、なんだかエキゾチックで目を離せないのに、不思議と気に成らないんだ』

 

『証言者Cの言葉』

『そうそう、言われてみればそんな感じかな? 妖精みたいな子はそうだな…身についた雰囲気が張り詰めてて、でもずっと自然な感じで…。マサキやお前さんに近いと言うか…』

『うん、そうだな。こいつやる! って一目で判る感じ。多分だけど魔法力も凄いと思うよ。”エルフィンスナイパー”を見たこと無かったら、俺でも誤解するね』

『服を嫌がってった子? 確か、なんで自分がとか、他に適役は居なかったのかと言っていたよ』

 

「ふうん。同じ様な外見で雰囲気に違う三人…。じゃもう一つ質問、その子の声は高かった?」

『どっちかといえば低かったな。怒って不機嫌だったからかもしれないけど…』

 

『一条・将輝の証言』

『なんだよジョージまで。…妖精みたいな? そうだな、見ただけでも魔法力が高いと判るから、そう誤解してもおかしくないと思う。だから違うって…』

『まあ、確かに妖精かと思うくらいに美人だったのは確かだよ。…なんで三人も居たのに、その子だけに注目するんだ?』

『え? ”先生”と比べてどっちがって? この場合はあの先生だよな? …甲乙付け難いな。もちろん実戦経験では先生が上だろうけど』

 

「なるほど、これで全て謎は解けた。相手が誰なのかも判ったよ」

「え、本当? スゴーイ」

「流石は吉祥寺くんね。どうして一条君の好きな子の正体まで判ったの?」

『オレが好きな子かはともかくとして、どういう理屈で解明したかは興味があるな。本当だって…』

 真紅郎がデータをまとめていた端末をパタンとしまった時、誰もが驚いた。

 彼は研究のついでに聞いており、本気で聞いているとも思えない質問だけをして居たからだ。

 

『吉祥寺・真紅郎の推論』

『第一に、”森崎”。彼の家業は有名だし、試技は僕だけでなく見たことがある者は多いから本当に護衛だったと思う』

『確証はないけど、雰囲気の違う子が何故かお揃いの服装だったんだろ? 嫌がる子をワザワザってことは、第三者に特定させない為だと思うよ』

 

(一人目の除外)

『まず美人なんだけど何故か目が行かない子。これは気配を消す魔法を使ってたんだと思う…。この子に注目してるなら調べようとムキになってるはずさ』

(三人目の除外)

『次に嫌がっている子。多分、この人は人数合わせで連れて来られた無関係な友人か、…子じゃなくて人って呼んだ理由なんだけど、おそらくは無理やり女装させられたんだ』

『文化祭とかだと女顔で女装させられる人は結構いるけど、本職の女形だと凄い美人に見えるらしいね。まあ無理やりだからその趣味は無いとして、将輝の眼を惹くほどとは思えない』

(二人目の特定)

『あの”先生”と比較できるほどの美人で凄い魔法力の持ち主を、別件で知ってたってのも大きいかな』

『もともとはその子じゃなくて、兄の方が僕らの業界じゃあ有名人なんだけどね。九校戦でライバルに成るかもしれない男で、その妹だから覚えがあった』

 

「ジョージ、お前がライバルだと目する男。それも今年からってことは、同じ一年なのか?」

『うん。あの”トーラス・アンド・シルバー”の、ミスター・シルバーだよ。今年、第一高校に入学してるのと、妹さんは主席だったから少し話題に成ったんだ』

 二人の会話を聞いていた少女たちが、次々に騒ぎ出す。

 恋のライバルが出現とあって大騒ぎする者と、競技者として静かに注目する者に判れながら…。

「うええミスター・シルバーが敵なのかあ』

「シルバー自体は別に良いんじゃない? どこまで行ってもエンジニアだし、二科生並なんでしょ?」

「え? ミスター・シルバーってグラム・デモリッションが使えるって書いてあるよ? 二科生なのにできるの?」

「サイオンの量だ問題だからできるんじゃない? それにしてもデバイスの天才と主席の子が兄妹だなんて…」

 FLTの紹介ページを見ると、確かにミスター・シルバーは同年代の少年の様だ。

 遠目に取られた写真には、彼個人と一緒にスタッフや…妹である美少女の写真もついでに載っていた。

 

「こいつがシルバーか。…油断ならないかもな。この資料もらっていいか?」

『将輝が気にするなんて珍しいね。それともその写真の…。ゴホン。軽く調べておくよ。あと、兄妹だから不思議でないことと、証明できることが幾つかあるけどね』

「どういうこと? 聞いたことも無い家だけど」

「百家の中に司波って家なんてないよね」

 これまで話を挟まずに居た何人かが声をかけて来た。

 別に将輝の恋に興味は無いが、名家に生まれた才能を伸ばす苦労を味わっている者や、それに劣らぬように必死の努力を続けている者も居るのだ。

 

『確かにそうなんだけど、百家の中に古式の名家は入って無いよね? それに口に出して無いだけで、分家やそれに準ずる家って可能性はあるよ」

「その線は確かにあるかもね。うちの兄妹をこのメンバーにくっつけたらそのくらいの家は量産できるし」

「あんたと義理の姉妹とか止めてよね。政略結婚っても今時って感じだし」

「その点、一条君と吉祥寺君はどうなの? イ・チジョーとキ・チジョーで名前も似てるし、ただの他人である可能性もあるけど」

 最後の質問には、あえて口を出さずにスルーしておいた。

 真紅郎としてもデリケートな話題なのだ。

 ロリコン疑惑は避けたいし、かといってその気は全然ないと言うのも憚られる。

 

『ともあれ、カリキュラムに評価されない能力ってのはあるもんだよ。デバイスの開発能力なんて座学はともかく実技の点数には関係ないし、術式解体もそうだね』

「まあ連射になるとオレでも無理だな。正確には他の魔法に力を割けなくなるって意味も含まれるが」

「九校戦は厳しくなりそうだね。今年こそ王座を奪って金沢に持って帰らないと」

 こうして一条・将輝の恋の行方に関する件はお開き、一高の動向に注目しておこうということで決着が付いた。

 

 この事は半分くらい偶然であるが、カーディナル・ジョージは既に着目して居た。

 同様に政治力に優れた二校や、技術の四校なども注目しているということである。

 いずれにせよ第一高校油断ならずと、周囲の意見は一致して居たのであった。

 

●レギュレーションは波乱の開幕

 その頃、第一高校の会議室では紛糾して居た。

 生徒会と部活連の間で、選考会に関する意見が食い違ったからだ。

 

「どういうことかしら? 納得してくれるって話だったと思うのですけど」

「理論に納得するということと、無条件に方式を受け入れるという事は違うと言うことだ」

 七草会長からすれば、既に根回しが済んで居ることへの反発は予想外だろう。

 俺らはまだ多少であるが、散々話し合った当事者からすればさらなる驚きと打撃の両方を味わっているはずだ。

 

「二科生も特定の協議次第ではというのは判らんでもない。だが現実に出場枠を奪われるのは、内定しており調整して居る者たちだ。感情面はともかく筋としては違うだろう」

「それはそうだけど。まだ内定の段階で、決める前に今回の選考の話題は出していた筈よ」

 十文字会頭の重厚さと安定感は、味方になると頼もしかったが敵と成れば恐ろしい相手だ。

 内容も正論から攻めており、会長の方も根回しゆえに口約束が主なので強くは出難い面がある。

 

「別に選考会を開くことにも、その結果で枠を割くことにも文句を言っている訳ではない。だが七草、お前や渡辺達が主力に成って牽引したのでは二科生の実力とは関係ないだろう」

「二科生が一科生よりも活躍できる競技に限って良いから、メンバーに加えようと言う話だったのよ? 今更方式を変えると言われても…」

 旗色は明らかに七草会長の方が悪い。

 十文字会頭は最初から論点を整理して、前例を利用して『二科生の実力を測る』事だけに焦点を絞っている。

 対して会長の方は、突如として混制チーム案の為の選考を否定され、どうやって押し通すか悩み始めた所だからだ。

 

 仕方無いので冷静さを保つ市原先輩と共に、この場を切り抜け繋がる話題転換を図ることにする。

 

「十文字会頭のおっしゃることも当然なのですが、取り決めていた方式を急に変更したいと言われても困惑します。せめて双方の納得行く形での修正が必要かと思われますが」

「構わない。文句を付けたい訳ではないからな」

 まず市原先輩が記録を持ち出し、部活連の決定でも二科生をメンバーに加えるかどうかの選考会に納得していることをデータとして示す。

 十文字会頭としてもそこを問題にしている訳ではないので素直に頷きはするが、即座に切り返してきた。

「だが具体的にはどうする?」

(結局、俺が説明するのか。…まあ泥を被るなら最後までそうするべきだな)

 周囲の視線が俺の元に突き刺さる。

 一科生と二科生の対立を強引に収める結果を作ったのは俺だし、会長としてもこちらを頼りたい気持ちもあるのだろう。

 更にはブランシュの件から部活連をパージして、生徒会主体でやってしまったのはこちらにも非がある。

 双方の問題を納められるならば、こちらでやっておくべきだろう。

 

「僭越ながら…。まず二科生のデータを測ることに意味はありますが、選考会までに急遽、員数を揃えるのは難しいと思います」

「それは仕方無いな。一科生に匹敵する二科生は居ない訳ではないだろうが、探すのに手間取るのは理解出来る」

 ここで『おや?』と思ったのは、十文字会頭が特化型の二科生自体の存在を否定して居ないことだ。

 

「とはいえ時間が無限にある訳では無い。何か方策はあるのか?」

「どの競技で確認するかや、あるいは臨時に男女を考慮せずで構いませんか? 競技をこちらで選び、それを一時的な混合ダブルスで良ければなんとかなるかと」

「ああ、そういうことか。…確かにそれならば何とかなりそうだな」

 ここで沈黙して居た渡辺委員長が口を出してきた。

 おそらく念頭にあるのはエリカのことだろう。

 実戦形式での試合では距離を空けない限りは連敗続きとのことで、極論、エリカともう一人…幹比古辺りを組ませればなんとでもなる競技はあるのだ。

 

 もっとも、そんな例外中の例外を基準にする気は無い。

 エリカの反応速度はは罠を見てから避けるか、それともワザと喰らった方が良いのかを判断できる。

 加えて幹比古は精神的な問題と古式ゆえのスピードで割りを食っているだけで、ほぼ一科生で通用する実力を持っているからだ。

 つまり此処で重要なのは男女混合ではなく、もう片方。

 

「…クラウド・ボールでは男女混合の競技もあるからな。問題無いだろう。他の者もその条件で良いな?」

「問題ありません」

 部活連は十文字会頭が納得した段階で素直に了承したようだ。

 そこにある言葉の陥穽に『彼ら』は気が付かなかったようだが…。

(会頭は気が付いたかな? まあ気が付いて頷いたのなら『こちら』側とみなしてよいだろう)

 実のところ、この条件を通した段階で問題は解決したものだと俺は考えている。

 気にして居たのは『とにかく駄目!』という感情論であり、何を言おうと二科生のデータなど見ないと言う方が問題だったのだ。

 

 協議を無事に終えて安堵しつつ、パニクってる会長をどう宥めるかを考え始めた。

 

●メンバーではなく、競技の選考

 

「もー! 十文字君だって納得してたし、部活連にも利益があるって話なのに!」

「…案外、十文字会頭も納得ずくで誘導して居たのかもしれませんよ?」

 思慮を見抜けた訳ではないが、あえて問題無いと言いきることにした。

 どうせ心中を聞くのは無理か、全て終っての話だ。適当に理屈を付けておけばいいだろう。

 

「どういうこと? 徹底して認められないって言っていた気がするんだけど」

「認めないのは、会長や委員長が主力に成って選考会を終わらせることですよ。極論ですが、十点中六点を御二人で獲れるでしょう?」

「身も蓋も無い戦術でいくならそうなるな。そこまでのことをするつもりは無かったが…」

 十文字会頭というか、部活連が問題にしていたのはそこだろう。

 二科生の実力関係なしにねじ込まれて、足手まといに枠を食われては問題だということだ。

 彼らも競技者であり、実力で枠が奪われること自体は否定して居ない筈だ。

 

「それに相手の論に乗るメリットはあります。これまでは選考で生徒会主催側が部活連主催側に勝ち、なおかつ九校戦でも目立つ必要がありました」

「確かに二科生のデータを見るだけの競技に絞れば、我が校内だけなら通用する成果ですね」

「でも、それだと全国での九校戦で活躍できるか不明なのは、同じだと思いますけど…」

 市原先輩が納得したと言う顔で頷き、中条先輩が不安げに顔を上げた。

 

 内の評価と、外の評価。

 この両方を手にしなければならないのだ。

 

「外に関しては委員長が考えていたであろう、勝てるメンバーで強引に勝ちに行きます」

「ということは校内戦でエリカを使わないのか? あえてエースを下げる意味は無いと思うが」

 俺は頷きながら、端末を操作して九校戦のデータをピックアップしていった。

 チョイスするのは競技。

 ここ数年のモノと、全体のモノ。これを今は提示せず、時間差を付けて説明開始した。

「極論を言えば、エリカや剣道部の司先輩が組めばクラウド・ボール辺りなら楽勝でしょう。ですがそれでは例外で済んでしまいます」

「お兄さまがアイス・ピラーズ・ブレイクに出場しても同じですよね。グラム・デモリッションが使えるから当然と思われても仕方ないかと」

 俺の意図を組んで深雪が具体的な例を上げる。

 自然冷却した氷は無理だが、術式解体を使えば魔法で作った氷柱などは一瞬で砕ける。

 だがそれでは、グラム・デモリッションを使える二科生は例外だと言われておしまいなのだ。

 

「簡単に言うとシールド・ダウンやロアー・アンド・ガンナーで勝負を決めます。場合によってはスティーブルチェース・クロスカントリーも行けるかもしれません」

「それって今年の競技じゃないじゃない。しかもここ数年選ばれても無い筈よ」

「ですが一理あります。特化型の二科生の実力を示す事は可能ですし、昨今の流れにそぐわないので選ばれていないだけですから」

 俺が上げた競技は、軍事色が強いとか準備が手間などで外れる事が多い競技だ。

 更に競技に習熟する、対策を立てて己を磨く観点などから以前と同じ競技が続いている。

 

 外れている競技は特定の状況に偏っているだけに『学生の競技』として選ばれない理屈も正しいモノだ。

 だが、特化した二科生が活躍できると示すには、丁度良い競技と言える。

 例えばレオはシールド・ダウンに向いているし、ロアー・アンド・ガンナーはハズレ弾に関する記述が無いので連射できる魔法師なら誰でも良いとさえ言える。

 

「そういうことです。別に今の競技だけから選ぶ必要はありませんし、来年以降と誤解してもらえば、まさしく『補欠』ということで納得してくれるでしょう」

「二科生だけに補欠か…。では九校戦に選ばれるにはどうする気だ? そしてどう活躍する?」

 服部副会長が厳しい突っ込みを入れて来る。

 二科生が中心になって、来年以降に入って来る競技に備える。

 そのことに校内を納得させるデータは残せても、対外的に納得できるデータは揃えられないからだ。

 

「ブランシュ対策の時に、何人かの二科生が行動で実力を示しましたからね。一科生の中にも見ている者は居ますし…。九校戦の方はそれこそエリカや俺が出ますよ」

「優勝でなくベスト4の量産ならば行けそうですね。この辺りが落とし所かと」

「その線で攻めるしかないか…。まったく面倒なことになっちゃったわ」

 こう言ってはなんだが、桐原先輩だけではなく森崎たちにも口裏を合わせている。

 実力が無ければ認めないが、実力があるならその範疇で認めるはずだ。

 

 というよりも、幹比古のSBの使い勝手を考えれば、モノリス・コードのような策敵・遭遇戦があり得る状況でメンバーから外す手は無い。

 校内予選で使って見せれば、向こうの方で勝手に選考してくれるだろう。

 

 競技に関する協議と交渉は進み、モノリス・コードやクラウド・ボールでも選考する…という点以外では概ね満足のいく結果に終わった。

 こちらとしては、どうしようもないバトル・ボードやミラージ・バットを持ち出されないだけで十分と言えた。

 こうして波乱含みの九校戦の校内予選は進み、俺達はメンバーの選定に入ることになる。




 と言う訳で、サクサクと九校戦の話に入って行きます。
オリジナルに近い校内予選に時間を掛ける気は無いので、競技決定・メンバー選定・決戦で終了。その後は九校戦本戦に行きます。
既に無頭竜との戦いや魔装大隊の顔見せが終わって居ますので、本戦もザックリと進む予定になります。
ただし、冒頭で軽く触れたように、他の学校では既に達也君は警戒対象。『デバイスに関しては一世代』どころか、『天地の差がある』と理解した状態で作戦を練って来る感じ。
この辺りは、シルバ―初期公表ルートにして『情報隠蔽がなければどうなるか?』がストーリーの主題になっているからです。

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