ビーストマンをぐっちゃぐっちゃと潰しながら何処へ行くのか?
ンフィーレアもウカウカしてられませんね。
死ぬ気で頑張らないと、横に立つのは難しいかもしれません。
下手をすると、英雄級を突破する化け物へ結婚を申し込まねばならないのですから……。
「ドン! ドン! ドン! ッチャカチャッカ! ドドン! ットドン! ッチャカチャッカ!」
自然界では有り得ないリズミカルな打撃音がどこからか鳴り響き、ビーストマンらの耳を刺激する。
戦場には似つかわしくない音だ。
どこの誰が鳴らせているのか? と一体のビーストマンが周囲を見回そうとしたそのとき、激しく切り結んでいた赤帽子のゴブリン達が全力で駆け逃げるのを見た、見てしまった。
そして――。
「叩き潰せぇ!!」
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「「〈
「〈
エンリの号令を切っ掛けに、炎の柱と爆裂が巻き起こった。
囮として数万の軍勢に挟まれていたスケルトンのことなど気にもせず、そこら中に火の玉が飛び交う。
刹那、連鎖したかのように爆発が起こった。一つや二つではない。彼方此方から衝撃音が鳴り響き、砂塵が舞う。
これはンフィーレアが調合し、スケルトンたちに持たせていたポーションによるものだ。
火属性魔法による襲撃に合わせ、ポーションを持ったスケルトンらが炎にまかれたビーストマンへ飛びかかり、自爆したのである。
用意できたポーションは百前後ではあるが、その効果は絶大。
ルプスレギナが作り出したクレーターや飛び散った肉片の効果もあり、ビーストマンの悲鳴はこの世のものとは思えぬ音量で戦場を満たしていた。
「全軍突撃!!」
幾度かの弓矢による追撃が行われた後、エンリはゴブリン軍団を突進させた。
その先鋒にあるのは黒い塊。アダマンタイトの鎧を着込んだ“森の賢王”ことハムスケである。
「斬撃――でござるよ!」
魔化処理がなされたアダマンタイトの斧槍を長いしっぽで横なぎに振るい、ビーストマン数十体を胴の部分で斬り分ける。
武技の力も加わった一撃は、恐らく現地勢の中で最強クラスの攻撃力を持っていたことだろう。躱すことはもちろん、盾を用いても防御自体が不可能だと思える。ビーストマンの肉体など、薄紙を裂く程度に違いない。
「ハムスケも中々やるっすね! 私も負けていられないっす!」
いやお前はもっと自重しろよ……と、どこかの魔王様が呟いたかどうかは知らないが、ルプスレギナは竜巻のように十字架メイスを振り回し、血肉と死を撒き散らす。
掠っただけで四肢が飛び、受け止めたならペチャンコだ。
もはやそれはビーストマン解体処理車というべき代物であっただろう。多少暴走気味のようにも見えるが……。
「エンリ将軍! 都市内に侵入したレッドキャップスより通達! 門の開閉施設を占拠したとのことです」
「分かりました! では五千ぐらいを都市内に引き入れて処理するよう連絡してください!」
「はっ、了解しました」
エンリへの報告を済ませた暗殺隊が姿を消して数分後、副首都の巨大な門がゆっくりと上がり始めていた。
ビーストマンたちはこれ幸いとばかりに都市内へ走り込み、防壁を盾とした籠城戦へと移行するつもりだったようだが……。ビーストマンが六千体ほど門を潜ったところで突然鉄門が落下し、下にいた数十体の獣を押し潰してしまったのだ。
これにより都市内の数千体と、外でゴブリン軍団による背面襲撃を受けた数万の軍勢は分断され、多くのビーストマンが困惑することとなる。
何故門ガ閉マッタ?
都市ノ中ヘ退イテ籠城スルノデハナカッタノカ?
門ヲ開ケロ! 何ヲヤッテイル?!
挟撃が成功したと思ったら、自分たちの後方から強力な軍団が現れた。
混乱し数万の同胞が右往左往する羽目になったが、一度都市の中へ立て籠もってしまえば形勢を立て直すことも可能であろう。
獣とはいえ、ビーストマンにもその程度の知恵はある。
しかし、全体の半分にもならない手勢だけを入れてどうするのか? 大部分を都市の外に置いてきてどうするというのか?
これでは軍を分割しただけで何の意味もない。
「外ヘ追イヤルノハゴブリン共ダケダ! 早ク門ヲ開ケテ同胞ヲ中ヘ入レ――ガァッ!!」
「まず一匹。悪いがお前達はもう出られない。エンリ将軍が配下、我らレッドキャップスと暗殺隊が貴様らを皆殺しにする!」
ゆらりと現れたゴブリンたちはあまりに少数だった。本来なら本隊と切り離されたとはいえ、ビーストマン数千体をどうにかできる人数ではない。
それでも都市の門付近で密集していた獣たちは震えあがってしまう。
生物としての本能であろうか? 強さに重きを置く種族としての特性であろうか? どちらにせよビーストマンらは抵抗空しく次々と屍を晒すことになってしまった。
数が多いので時間はかかるだろうが、結末は変わるまい。
ビーストマンの一体は開かない鉄門にしがみ付き、外の同胞へ助けを求めようと必死に叫ぶ。だけど、助けを求めていたのはどちらなのか? 獰猛な大魔獣に切り裂かれ、奇妙なメイスで叩き潰され、見たこともない魔法で爆裂する同胞達。
ドラゴンのごとき大きな塊となって戦場を駆ける武装したゴブリンの軍団。その軍に一矢報いることもできず押しつぶされていく虫けらのような獣。
地獄だ。
煉獄だ。
人間をたらふく食えるはずだったのに……。
「ナンデ? ナンデダ?! ドウシテゴブリン如キガコンナニ強イ! コンナ馬鹿ナコトガアッテタマルモノカッ!?」
己の所業を振り返ることもなく、人間相手に強者として好き勝手に振る舞っていたビーストマンは、さらなる強者によって害虫の如く潰されてしまった。
その最後の叫びは、音声伝達を担っていた
まぁ、なにはともあれ竜王国の副首都は、中も外もビーストマンの血肉で溢れかえることになった。
血濡れ将軍の名に相応しく。
◆
恋人の背に抱き付いて数時間、馬の上から眺める朝焼けの戦場は相変わらず酷いモノであった。
今回、エンリはほとんど何もしていない。統率していたスケルトン部隊へ思念を送ったり、暗殺隊を通じて各方面へ指示を飛ばしたりしていただけである。
もちろん
ただンフィーレアは魔法による攻撃を何度も行っていたので、エンリほど役に立たなかったわけではない。幾つもの
しかし、しかしだ!
エンリが自分の無力さを嘆くのは、ンフィーレアが活躍していたからではない。ハムスケが伝説として語られるほどビーストマンの首を狩ったからでも、ルプスレギナが離れた場所にある砦まで突っ走って行き、その建造物を丸ごと破壊したからでもない。
それは、目の前を軽い足取りで進む少女のせいなのだ。
「さぁ、さっさと回収するでありんす! バラバラの肉なんかも欲しがっているヤツが大勢いんしょうから、残さず持っていくでありんすよ!」
日傘をさして血みどろの戦場を優雅に歩く美少女の名は、シャルティア
数百体もの
ついでに他の二都市にいたビーストマンも、一匹残らず連れ去ったとのこと。
「おんしがのんびりしているからでありんす」と、まるで手を抜いていたみたいに言われたエンリとしては、
(やーっぱり私いらないよね! ゴウン様がちょっと誰かを派遣するだけで簡単に終わっちゃうよね! そうだよねぇぇえええええ!!)
とまぁ、大声で叫びたかったらしい。
無論、ぐっと堪えて何も言わなかったのだが。
「エ~ンちゃん、どうしたっすか? 作戦会議が始まるっすよ」
「いえ、なんでもありません。なんでも……」
相も変わらず、ルプスレギナは美しい笑顔を振りまいて平然としている。
彼女にとっては伝説のアンデッドが数百体――都市の中を闊歩していたとしても、驚くようなことではないのだろう。
自身が何千体ものビーストマンを吹き飛ばし、頑強な砦を破壊し尽くしたとしても、活躍しているとは感じていないのだろう。
それは当たり前の光景。
それは誰でもできる一般作業。
まさしく住む世界が違う相手なのだ。
エンリは一人、簡易テントで作られた会議場所へ足を運ぶまでに幾度もため息を吐いてしまう。
「皆さん、お疲れ様でした。まだ残党狩りも途中ですが、今後の予定を決めてしまいたいと思います」
「ほほっ、今回も大勝利でございますな、エンリ将軍」
「怪我も無く良かったですぜ、姐さん」
「先の防衛戦でも思ったのですが、大勢集まったわりには集団戦闘に不慣れな感じがしましたね。あれなら王国兵の方がまだマシですわ」
「ええっと、やっぱり獣っぽいからかな? ねっ、エンリ」
「うえっ、いや、どうかな?(そんな話振らないでよ、ンフィー! 私に判るわけないでしょ! 集団戦のイロハなんかこの前軍師さんに聞いたばかりで、まだ頭の中に入ってないんだからっ)」
意地悪かと思いンフィーレアを睨んでしまうエンリであったが、眠そうな恋人の顔を見てしまうと早とちりであったと理解してしまう。
一晩中戦っていたから、眠気で頭が回っていないのだろう。
屈強なゴブリン達や戦争経験のあるレイナースと違い、ンフィーレアはただの一般人なのだ。
若き天才薬師であり、レアな
連日の大規模戦闘で疲れていても仕方がないだろう。
ゴウン様の神器を賜っている自分とは違うのだ。
「ふふ、ンフィー、なんだか眠そうよ。この場はイイから、ちょっと横になってきたら?」
「えっ? ああ、うん、そうだね。ちょっと頭がぼんやりしちゃっているから休ませてもらうよ。でもエンリは?」
「私は大丈夫よ。武装かアクセサリーのどれかに、睡眠不要とか疲労無効とかの魔法がかけられているらしいからね」
エンリは指輪や首飾りを見せて、申し訳なさそうにするンフィーレアを送り出す。
実際、本当に眠気も疲労も感じないのだからンフィーレアが後ろめたい思いを持つこともないのだが、やはり恋人を残して一人休憩をとるなんて……男としては納得し難いのであろう。
ジュゲムやゴブリン軍師も――分かり難いが――渋い表情である。
まぁ、彼らの場合はエンリ将軍とのあいだに子供を作ってもらいたいと画策しているがゆえに、ンフィーレアの上昇しない評判に頭を悩ませているだけなのだが。
中々上手くいかないものである。
「さて、占領されていた三都市はシャルティア王妃様の御助力もあって、全て奪還できちゃいました。ホント凄いですねぇ」
「いや姐さん、王妃様を疑うわけではねぇですけど、他の二都市については確認すべきですぜ」
「ほほっ、そうですな。暗殺隊で状況確認を行いましょう」
「ではその間、この副首都を拠点として支援部隊を展開させますわ」
「んで、色々確認した後はどうするっすか? エンちゃん?」
退屈そうなルプスレギナが、足をブラブラさせながらエンリへ問いかける。まるで次の戦場で早く殺しをさせろ、と言わんばかりに……。
「ん~、三都市が奪還できたら次は国境の砦ですよね。今はもう使い物にならないほどボロボロだって話ですけど」
エンリは竜王国の兵士達から受け取っていた情報を頭の中で整理する。
確か国境線に点在していた砦は、そのほとんどが破壊されてしまったらしい。もったいないことだが、ビーストマンは奪った砦を有効活用しようとは思わなかったようだ。
先の戦闘で立て籠もりや挟撃を行おうとしていたことからすると妙な感じはするが、弱過ぎる人間との戦いに於いて必要性を感じなかったのかもしれない。
「ほっほっほ、砦の残骸にビーストマンが住み着いている可能性もありますが、それほど問題にはなりますまい。敵の勢力も大きく削れたことですし、ここは一気に敵陣へ攻め込むべきかと」
「しかし軍師さんよぉ、攻め込むつったってビーストマンの本拠地がどこだか知ってんのかい?」
「死にかけのビーストマンから聴いた話ですが、遺跡のような古い神殿跡が中心地となっているそうですな」
「それは私も聞いた覚えがありますわ。街のように巨大な神殿で、
「へ~、ビーストマンが神殿を拠点にしているって意外な感じですけど。神殿……神殿かぁ」
ゴブリン軍師とレイナースが語るビーストマン本拠地の話は、エンリに幻想的な未知の世界を想像させてくれる。
そこは冒険者が探索するような謎に満ちた遺跡なのだろうか? まだ見つかっていない隠し部屋なんかがあって、奥には宝箱が置かれていたりするのだろうか? 最奥へ辿り着くと頭の中に直接声が響いてきて、謎の存在が最後の敵として現れるのかもしれない。
エンリが聴いた吟遊詩人の歌物語では、確かそんな感じだった気がする。
「なぁ~んかニヤニヤしてるとこ悪いんですがね、姐さん。ビーストマンが
「そうですなぁ、糞尿垂れ流しで相当臭いことでしょう」
「あはは、だったら全部焼いちゃえばイイんすよ。汚物は消毒っす!」
「焼却の間違いでは? ってまぁ、それもイイかもしれませんね。竜王国へ侵攻できないよう打撃を与えるのが目的なんですから、拠点の神殿ごと潰してしまいましょうか」
エンリは己の考えを口にしながらも、平気でビーストマンたちを駆逐しようとしていることに「あれ?」と思いとどまる。
ルプスレギナの思考に引っ張られたわけでもないと思うが、ここ最近思考が暴力的過ぎるのではないだろうか? 村にいた頃からこんな考えを持っていたのか? いや、騎士に襲われたからか? いやいや、何度も襲撃されたからか?
う~む、もしかすると身に付けている武装に関係があるのかもしれない。
特別な効果で思考を誘導されているということではなく、神器を纏っていることにより調子に乗ってしまった、ということだ。
向かうところ敵無しのゴブリン軍団が付き従っていることも、増長の一因と言えるかもしれない。
(はぁ、私ったら何やってんだろ。全てはゴウン様から頂いた力だっていうのに……。ここは気を引き締め直さないと)
エンリは軽く頬を打ち叩き、何事かと視線を向けてくる仲間たちを見つめる。
「皆さん、これまでの連戦連勝と強行軍で集中力が緩慢かつ傲慢になっているようです。この先強敵が現れないとも限りませんから、しっかり休息をとって平常心を取り戻しましょう。その後、ビーストマンの残党を排除しながら、敵の本拠地へ向かうこととします」
「ほほっ、確かに油断大敵でありますな。とはいえ、気を張り詰めたままでは綻びも出ましょう。暗殺隊には悪いですが、偵察から戻ってくるまでの数日、十分な休養を頂くとしましょう」
「さすが姐さん、死んでもお供しますぜ!」
「周辺の見張りなどは私の支援部隊にお任せください。戦闘部隊の方々に比べて我々は疲れておりませんから……」
先を急がないというエンリの判断に、皆の反応は様々だ。
休養をもらうと言いながらも、レッドキャップス達と真剣に話し込んでいるゴブリン軍師。何故か気合が入っているジュゲムも、休みをとる態勢には見えない。レイナースにしても、ここが活躍の場と言わんばかりに前へ出てくる。
そしてルプスレギナはというと、
「おぉ~、エンちゃん、ちょっとビックリっすよ。前兆なんかは無かったはずなのに……って、もしかして私が何かミスしたっすか? いや、そんなはずは」
「え? どうかしましたか、ルプスレギナさん?」
悪戯準備がバレたと言わんばかりのルプスレギナであったが、キョトンとするエンリを前に口を閉じてしまう。
どうやらルプスレギナの早とちりであったのだろう。無論エンリとしてはその行動だけで「何かを企んでいたのね」と察してしまうのだが。
「な、なんでもないっすよ。んじゃ、私は疲れたから休むっす~」
「もぉルプスレギナさんったら……。今度はどんな悪戯を仕掛けてくるつもりなのかしら?」
「まったく、一晩中ビーストマンを追いかけ回していたってぇのに、とんでもない御仁ですよ」
ジュゲムの言葉には誰もが頷いてしまう。
それほどまでにゴウン様の関係者は規格外だらけなのだ。外で死体の回収を行っているシャルティア王妃様しかり、
エンリは事ここに至っても、自分たちが竜王国へ来た意味について自問自答してしまう。
――弱くて愚かな人間である自分が、この地へ派遣された理由とは?――
ハッキリ言って、食糧支援なんて関係なかったのではないだろうか? シャルティア王妃様が行った数万もの死体回収を考えたら、カルネ村への食糧支援の方が遥かに簡単だったのではないだろうか?
ゴブリン軍団への行軍支援。帝国への援助要請及び支援部隊の派遣。
それらもゴウン様の手を煩わせたはずだ。
そこまでしてゴブリン軍団に竜王国を助けさせるのは何故なのか? エンリは慈悲深きゴウン様への敬愛を混ぜながら思考の海にひたる。
(もしかして、カルネ村の将来を考えてくださっているのかも……)
カルネ村は発展する。村とは言えぬほど賑やかな都市へと変貌するだろう。
しかし王国とは敵対し、帝国の紋章には忌避感がある。村の住人がほとんど亜人であることからも、スレイン法国と仲良くできるはずもない。
つまり周辺諸国とはあまり上手くいっていないということだ。巨大化していくカルネ村の村長としては、目を逸らすわけにはいかない事実であろう。
だからこそゴウン様は、
(ああ、そうか……そうなんだ。私たちが命をかけて竜王国を救えば、この国の人たちはカルネ村の良き隣人となってくれる。ゴブリンさんたちが身体を張っているのだから、亜人に対する偏見も薄らぐはず。往来の邪魔となっていたカッツェ平野はゴウン様が平定してしまったし、帝国のレイナースさんが同行してくれたことも交流という意味では良かった。カルネ村の皆も、戦友であるレイナースさんを経由すれば帝国ともスムーズにやり取りできるだろうし)
考えれば考えるほど、ゴウン様の配慮には涙が出る。
しかもその配慮を表へ出さないのだから、恩着せがましい王国貴族とは雲泥の差だ――比べること自体失礼だが。
私たちに気を遣わせないようにしているのかもしれないけど、これほどの恩寵を与えていただきながら気付かないなんて、己の無能ぶりには殺気さえ覚えてしまう。
(がんばらなくっちゃ。あと少しなんだから油断せずにしっかりやり遂げよう)
エンリは細やかな打ち合わせを終えると、会議を解散し、軽い食事をするために簡易テントの外へ出た。
外と言ってもそこは竜王国副首都の街中であり、多くの瓦礫が視界に映る。
獣臭さは相変わらずだ。
死体自体はシャルティア王妃様の手によっていずこかへ持ち去られているのだが、ケツから捻り出された残骸が都市の彼方此方に積み上げられており頭が痛い。
まぁ、ビーストマンが住処にしていたのだからなにをいわんや……。
立派だったはずの建造物もいつ崩れるか分からないほどボロボロなので、再建までの道のりは長そうだ。
シャルティア王妃様自重しなされ~。
ルプスレギナもほどほどにね~。
でもまぁ、全ては魔王様の思惑通りに進んでいるのですね。
流石はアインズ様!
エンリ将軍も感涙にむせび泣いていることでしょう。
全てを見通す智謀の王に絶対の忠誠を!