~主人公視点~
ホワイトベースに乗って3日目
サイド7でシャアとの戦闘をしたあと、ルナツーに向けて発進することになった。
艦内では避難民で溢れかえっており、暇そうにしている子供達やただボーと過ごす老人ばかりだった。
俺は何かしようと思い、子供達の遊び相手や老人の方たちと地球の話をした。
そのかいもあってか、少しずつだが、みんなが笑顔になってきて艦内は明るいムードになってきた。
他にも艦内でブラブラとしているのとアムロに出会い、アムロから「コロニー内でガンダムの戦闘を見ていたのはあなたですか?」と言われたときは焦った。
あれはものすごく焦った。
あの恥ずかしい格好を着ていたのが自分だと言ってしまったら、
「あんな、コスプレみたいな服を着ているのですか?」
何て言われかねん。考えてみろ。
出掛けていて、学校の友達がコスプレみたいな格好をしていたらどう思われるか!
たがハードボイルドっぽい格好はかっこいいと思わないか?
昔見たカッコいい服を着たキャラを見たとき、
「おお、格好いい」っと、思ったのだ。
悪いか!?
だが人前だとやっぱり恥ずかしい。
俺はすぐさま否定して、セイラさんを見かけたのでアムロを置いてセイラさんの所へ向かった。
セイラさんとは、前の傷は痛むのか?とか、
調子はどうかとか、他愛もない会話をした。
けど、セイラさんからは「これからはセイラと呼んで」と言われたときはドキッとしてしまったが、別にセイラさ・・・セイラは俺には対した感情はないと思う。せいぜいお友だち程度だろう。
彼女はダイクンの事や兄シャアのことで一杯なのだろうから。
あと、セイラのことをセイラさんと呼ぶとムスッとした顔をするのはなんでだろう?
その後も、艦内で老人や子供達の相手をして、時々セイラたちホワイトベースのクルーも巻き込んで遊んだ。
たがやりすぎてブライトさんに怒られた。
ブライトさん息抜きは必要ですよ?
そんなこんなであっという間に2日経ち、
ブリッジでムサイの動きをキャッチしたとの報告があり、シャアが補給を受けているとわかったので、ブライトさんはすぐさまシャアに攻撃を仕掛けると言った。
アムロがシャアを引き付けている間、残りがムサイに攻撃を仕掛ける作戦だった。
それから俺は特に手伝うこともなくホワイトベースはシャアたちへの攻撃を成功させてルナツーへと向けて発進していった。
それから無事にルナツーへ到着するとアムロを含む軍に関わった一般人とホワイトベースのクルーが全員独房に閉じ込められた。
最初は俺も一般人と一緒かなと思ったが、あのルナツーの司令官が「クルーと一緒に行け!」と言われ俺も独房に入れられた。なぜだ!?
確かに俺もホワイトベースに乗っていた、だけど戦闘には参加していないので一般人じゃないのか?
少しだけ指示を出したけど。
もしかしてあれだけでもうアウトなのか?
まあ、文句を言ったところでどうにもならない。
それに、いざとなったら、無理矢理突破するか、アルティメットガンダムを出すかだ。
俺も独房に入り、あとはシャアがここを襲撃するまでご飯を食べて待っていた。
そして、そろそろかなと思ったら、独房が大きく揺れる。
来た。
シャアの襲撃だ。
俺はすぐさま扉に向かう。
鍵は原作通りに壊れており、すぐさま開けた。
そのあとは他のクルーと一緒にホワイトベースへと戻り戦闘準備をする。
ブライトさんから何かいい案はないかと、言われたときはなぜ俺に聞くのか!?と内心慌てた。
だけど恐らくブライトさんも心に余裕がないのだろう。まだ二十歳にもいってなくて、軍に入ってまだ数ヶ月で艦を任されるのだからきっと辛いのだろう。
俺は本来はルナツーの司令官が考えた作戦をブライトさんに伝える。
ブライトさんは作戦通りにルナツーの司令官に戦艦を主砲で撃つ許可をもらい戦艦を撃ち抜く。
戦艦を撃ち抜き、その衝撃でザクを撃破し、ムサイにダメージを与えた。
ジオン軍は撤退していき、ホワイトベースは弾薬やエネルギーの補給を終え、ルナツーを出港し、目的地である地球へと向かうのであった。
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~ブライト視点~
ホワイトベースのブリッジでガンダムのパイロットを待っていたら、先程怪我人の治療をしていた女性が現れた。たしか名前は、セイラ・マスといったか。
彼女と一緒に入ってきた男性に見覚えがなく何者か問うと、彼女が間に入り「彼は避難を手伝ってくれた人です。」と彼女が答えた。彼の名前を聞くと彼の名前は橘隆司というらしい。日本では、名前が後ろに来るらしい。
彼は避難民と一緒にいようとしていたが、セイラが彼をここにいるようにと促した。
後でセイラにその事を聞くと、彼はもしかしたら軍のものかもしれないといい、私は彼がジオン兵なのか?と聞いた。
しかし、セイラは「彼はジオン兵ではないわ。」と答え、根拠はあるのかと問うと彼女は「ただの勘」と答えた。
勘で敵味方が区別できるなら苦労はしない。
しかし彼女は「それに彼は私を助けてくれたわ。」と答えた。
彼女は良くても連邦の兵士である私には良くない。
その後、私は彼の監視を兼ねて彼をブリッジに置いといた。
ちなみにこの事は誰にも言っていない。
もし、周りにそれを伝えたら混乱が起きる可能性がある。
その後、ジオンの戦艦をレーダーでキャッチし、すぐさまガンダムに追撃させる。
しかし、ザク3体とシャアのザクが1体の計4体がガンダムを襲う。
援護をしたいがガンダムとザクとの距離が近すぎる為、援護ができない。
しかし、隆司は私に「ガンダムの近くにあるデブリを撃ってほしい」と言い、私は最初は何の意味があるのかと思ったがすぐさま私は理解する。
デブリを撃ち抜き、ザクに牽制を仕掛けると。
しかし、そんなことうまくいくのかと疑問に思うが、
ガンダムを援護するにはこの方法しかない為、
すぐに主砲でデブリを撃ち抜くように命令する。
主砲がデブリを撃ち抜くと、見事に砕け散った。
すると、デブリの破片はザクにのみ当たり、ザクは大きくバランスを崩す。
アムロはその隙にザク1体を撃破し、あと少しのところでシャアにも当てられそうだったが、相手はそれを許してくれずそのまま逃げられてしまう。
しかし、たった一発デブリに当てただけで形勢は逆転し、ガンダムの援護とザク1体を撃破する手助けをした。
彼はこれらを予想していたのだろうか。
ブリッジのクルーは隆司の言葉で、形勢逆転になったことに驚きが隠せない。
当の本人はまるで、当然かのように余裕の表情をしていた。
私はこの時、内心で恐怖していた。
もし彼が敵の立場にいたら、我々はどうなっていたのだろうか?
私は彼が我々の敵ではないことを祈るだけだった。
ルナツーへ到着し、ルナツーのワッケン司令と会うが彼は避難民を受け入れることはせず、その上軍事機密に触れた民間人を拘束するとまできた。
俺は憤りを感じた。軍はここまでしていいのかと。
だが、隆司を見ていると抵抗も焦ることもせず、ただ落ち着いていた。
食事の時も「食べなければいざという時に動けないぞ」とまで言った。
彼はなぜここまで平然とできるのだ?
いったいなにを企んでいる?
私は彼の不可解な行動に疑問を抱いていた。
それから、時が経ち。
突然独房が大きく揺れる。
何事かと思い私は内心動揺するが、隆司は独房の扉が壊れていることを知っていて、いとも簡単に開けたのだ。
もしや、これも彼の想定の範囲内だったのか?
なぜ彼はここまで未来を予測できるのだ?
いろんな疑問を抱く中、我々は独房を出てクルー全員でホワイトベースへと戻り、全員配置に着く。
そして、私は彼に1つ賭けをしてみることにした。
この状況を彼はどうするのかと、
彼は目の前にある戦艦を撃てばいいと、。
ただし、ムサイが直線上に入ったタイミングで撃つことそれだけだった。
私は彼を信じてワッケン司令に許可をもらい、ムサイが直線上に入り戦艦に主砲で撃ち大爆発を起こす。
そして爆発でザクは巻き込まれ撃破、ムサイにダメージを与えて見事撤退させた。
私はこれで確信した。
彼は軍略を持つ天才なのだと。
しかも、運すら味方にする男なのだ。
この橘隆司という男は。