それにしてもアンジェラやファサリナとか色気だしすぎじゃない?(鼻血流しながら)
まあ、昔の方がもっとはねてたけどね(遠い目)
~ミネルバ 艦内~
東方不敗と共にやるべきことを済ませて研究所から戻ってきて体を休むため部屋へと向かっていた。
「はぁ、疲れた。」
「お帰りなさいませマスター。」
部屋に入ると女性の声がしてそちらの方向に顔を向けるとそこには知らない少女がいた。
「えっ・・・・・・誰?」
少女は黒い衣装・・・ゴスロリと呼ばれる衣装を身に纏い頭にはトークハットという帽子を被っていた。
そして帽子から垂れて出ているベールの奥にある顔をみると着ている服とは真逆の汚れのなく綺麗な真っ白の肌をしており瞳は紅くずっと眺めているとまるで意識が持っていかれるかのように綺麗な瞳だった。
だが少女の顔をよくみると俺の記憶に一人だけ合致する人物がいた。
「・・・ティナ?」
そう俺がかつて地球にきてフリンコ村で世話になった少女ティナと瓜二つだった。
肌や髪の色など細部に違いはあるが、顔の作りはそっくりなので見間違えるはずはない。
「残念ながら私はティナではありません。」
しかし、目の前にいる少女はティナであることを否定する。
「ですが、体はティナであることを間違っておりません。」
「それじゃあ、君は一体誰なんだ!?」
不可解な状況だが目の前にいるのがティナでないとするなら別の人の姿に成りすますことが出来るアサキムかという可能性が浮上し、警戒する。
「名乗りが遅れましたが、遅ればせながらデビルガンダム、マスターの元へと馳せ参じて参りました。」
ドレスのスカートをつまみ軽く持ち上げてお辞儀をする。
しかし、彼女の言葉にとんでもない単語が聞こえた。
「デ、デ、・・・デビルガンダム!?」
彼女は確かにデビルガンダムと言った。
できれば間違いであってほしい。
いや間違いであってほしい。(大事なことなので2回)
「はい、その通りです。」
しかし、現実は非情だ。
だがそうなると様々な疑問が頭をよぎる。
「どうやって人間に!?
いや、待てそれなら何でティナにそっくりなんだ!?」
「それの話ですとあの日フリンコ村での出来事まで遡りますがよろしいですか?」
「ああ、話してくれ!」
「わかりました。ではお話いたします。
あの日の出来事を。」
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~フリンコ村 襲撃後~
『・・・ここは?』
村娘の一人ティナは真っ暗で光がひとつもない空間のなかに放り込まれていた。
『私、確か爆発の炎に巻き込まれて、それから・・・。』
『目が覚めたようですね。』
声が聞こえ声がする方向に振り返るとそこには恐ろしい姿をしたロボットが現れた。
『ひっ!?』
『怯える必要はない人間。』
『あ、ああ!?』
『これだから人間は・・・。』
ティナが完全に怯えてしまっており、これでは会話が出来ないと判断したデビルガンダムはみるみるとその姿が変化し、人型の形になった。
しかし、人間とは違って顔どころか存在自体がぼやけている全身白一色の人間だった。
『これでならよろしいでしょう。』
『あ、あなたは・・・?』
先ほどと違って怯えは少なくなったがまだ警戒している状態であった。
『私の名前はデビルガンダム。
いま貴方は私の中に取り込まれており貴方とは意識のつながりで会話しています、』
『ここが貴方の中?』
『そうです。
貴方はガイゾックという敵勢力の爆発に巻き込まれ、緊急の措置で私の中に取り込みました。』
『でも、もう私死んじゃったのですよね・・・。』
『いえ、今ならあなたの体を再生させて生き返らせることは可能です。』
『ほ、本当ですか!?』
『ですが、それには条件があります。』
『条件ですか?
えっとお金とかですか?』
『なぜ人間は条件=金なんでしょう。理解不能です。
それに私には金銭の必要はありせん。
条件というのは、貴女の自由です。』
『私の自由・・・。』
『はい。
私の持つ力で貴女の体からは寿命という概念がなくなります。
さらには毎日貴女の行動は私に監視され、必要なときには貴女の体を使い酷使するときがあります。』
デビルガンダムの持つDG細胞で生き返らせることは可能だが、それは同時にデビルガンダムの操り人形として生きていかなければならないということだった。
『・・・あの、デビルガンダムさん。』
そしてその決断を迫られるティナはどう選択するか思い悩む中デビルガンダムに質問をする。
『なんでしょう。』
『もし・・・、もし貴方が私の体を使えたらあの人の役に立てますか。』
『はい、貴方の体を使えるならマスターのために有効活用することは可能です。』
『・・・わかりました。』
ティナは一呼吸置いて目を閉じ、何か決心したのか目を開きまっすぐな瞳でデビルガンダムを見つめる。
『私の体をあなたに上げます。』
『・・・。』
デビルガンダムはほんの僅か、人間にとってはほんの一瞬の時間デビルガンダムはティナの回答にほ少し驚いた。
その選択を人間がとるとは想定外だったのだから。
『その言い方は人間で言う冗談ですか?』
『いいえ、冗談ではないです。私の出した答えです。』
ティナの目は冗談を言っているような雰囲気はなく、真剣なまなざしをしていた。
『いいのですか?
そうなっては貴方は自ら死を受け入れて肉体を捨てるということですが。』
『私、思ったんです。
生き返っても、まして何か特別な力があっても、私はきっとあの人に何か迷惑をかけてしまうかもしれない。
そう思ったんです。
でも・・・、デビルガンダムさんみたいな人なら私の体であの人を守ってくれそうだと思って・・・。
ですから、私の体を使ってください!』
『・・・。』
『あ、あのデビルガンダムさん?』
『あなたは変わっていますね。』
『ええっ!?』
真剣な顔をしていた時にデビルガンダムからの意外な言葉にティナは思わず驚いてしまう。
『普通の人間は私と会えばさっきのあなたのように怯え私の言うことは聞かない。
おびえがないとしても、生き返りたいだのなんだの自分の願い事を言います。
けれどあなたはいまでは怯えず私と話して、私のマスターでありますがあなたにとっては他人であるマスターのために自分の命を捨てるとは。
今までで見た中ではあなたは変わっていますね。』
『私も分からないんです。
これがもし見知らぬ他人だったら私もその人と同じように自分のことを考えてしまっていたのかもしれません。』
『でも、あの人だからこそ私は自分のためじゃなくて、あの人のためになりたいんです!』
ティナが見せた満面の笑み。
そこには後悔も、悲しみもない純粋な笑顔。
デビルガンダムはその笑顔がなぜか色鮮やかにそして鮮明に写った。
ただの人間と蔑む彼女でもその笑顔だけはなぜかそんな気持ちも湧かなかった。
そして、別れを告げるかのようにティナの決意によるものなのか彼女の体は足元から塵状となり徐々に形を失っていく。
『・・・お別れみたいですね。
それじゃあ、デビルガンダムさん。あの人のことよろしくお願いします。』
ティナは慌てることも、怯えることもなくデビルガンダムに対して深くお辞儀をして礼を述べた。
『わかりました。』
『ありがとうございます。
最後にデビルガンダムさんに会えてよかったです。』
ティナは最後の瞬間、にっこりと笑顔で微笑みながら、ほんの僅かに目に涙を浮かばせてその姿は消えてなくった。
それが彼女の命の終わったのであることを告げる瞬間であった。
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デビルガンダムから話された内容に隆司は仮面をつけつつもその仮面の奥では涙を流していた。
「ティナ・・・。」
だが、そうなるとあの時ティナは生きていたこととなる。
しかし、あの時デビルガンダムは言葉を喋ってはいなかったが首を振っていた。
「それじゃあ、あの時ティナは!」
「はい、本当のことを申し上げると彼女は僅ながらですが生きてはいました。ですが彼女は自らの意思で体を私へと譲りました。
これは紛れもない事実です。」
デビルガンダムが嘘をついているとは思えない。
そうなるといま喋ったことはすべて事実と言うことになる。
俺はデビルガンダムから伝えられた真実に驚きを隠せなかった。
彼女は俺なんかの為に自ら自分の体を捨ててデビルガンダムに譲ったのだった。
「デビルガンダム・・・。」
「なんでしょうか?」
「もう一度聞くけど、今の話に嘘、偽りはないんだよな?」
「はい。」
「そうか・・・。」
悲しみなのかに悲しい雰囲気を出している隆司。
しかし、少しばかり時が経つと先ほどとは違って悲しそうにはしていなかったが、
無理しているのはデビルガンダムから見ても分かっていた。
「それじゃあ、デビルガンダム・・・っていうのもなんかおかしいよな。
デビルガンダムとは別の体なんだし・・・。」
隆司は何か考えるてのか顎に手をあててじっくり考える。
「・・・ディナ」
「・・・?」
「名前だよ。
これから人間のときは名前があったほうが良いだろう?」
「なぜ"ディナ"なんでしょうか?」
「"ティナ"の頭文字から"デビルガンダム"の頭文字に入れ変えたんだけど。
・・・さすがに駄目だったか?」
「いえ、ではこれからはディナと名乗らせていただきます。」
「よかった。
それじゃあ、俺は疲れたから寝る。
後は自由に過ごしていいよ。」
「はい、ゆっくりお休みなさいませ。」
そしてディナは隆司が寝静まったのを確認した後、扉へと向かい部屋を出る。
「それで貴方はここで盗み聞きですか?」
「ふむ、まさか気が付かれるとはな。」
部屋の外に出ると扉の近くには東方不敗が立っていた。
「たとえ私が気づいてなくてもマスターはどうやら気づいていたようですのでそれは良いとしましょう。」
(部屋を
ティナの話をしてからはその余裕はなさそうでしたが。)
「さすがはジョーカー殿。
儂の気配にいち早く気が付くとは。」
東方不敗はジョーカーのことを褒め称えていると、東方不敗に向かって細い棒状のものが突き刺さらんとする勢いで迫っていた。
「むっ!?」
ディナのスカートからはガンダムヘッドの口から先端が鋭利状にとがったデビルガンダムが生やしている触手と同じものが東方不敗の首に刺さりそうな所で寸止めされていた。
「・・・これは一体どういうことかな?」
「一度しか言わないのでしっかりと聞くように。
あなたは味方なのですか?それとも・・・。」
ディナの瞳は先程とは違いハイライトがなくなっており東方不敗を刺さんとする触手は確実に殺しに来るのは明確だった。
「何を言う。
儂が敵とでもいうのか?」
「それが答えですか?」
「ああ、儂は味方じゃ。」
しかし、東方不敗はまっすぐディナを力強い目で見ていた。
それを見たディナは触手をスカートに引っ込め踵を返して部屋へと戻ろうとする。
「貴方がそう答えたから信じることにしましょう。」
「ですが
そういってディナは部屋の中へと帰っていった。
(ふぅ、さすがは機械、いやデビルガンダムというべきか。
殺気のレベルが違ったな。儂はいいとして並の人間ならあの殺気だけでも無事で済むかどうか。)
東方不敗は冷や汗をかきながらジョーカーの部屋を後にした。
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部屋に戻ったディナはベットで眠るジョーカーを見つめながら立っていた。
体がDG細胞で出来ておりさらには疲れを知らない為、何時間経とうと彼女に疲れはやってこないだろう。
そしてディナはあることを考えていた。
ディナは確かに"ティナ"に関しては全て話した。
しかし、ディナは2つだけ隆司に話していないことがあった。
それはティナの言葉を『隆司さん』から『あの人』に意図的に変えていたこと。
それからティナが消えたあとディナが何をしていたかということを・・・。
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ティナが消えたあとのデビルガンダムは暗い空間のなかで一人いた。
『・・・人間とは本当に愚かな生き物ですね。』
『欲望のためになら他人より自分を優先する生き物』
『・・・ですが人間のなかではほんの少しだけ貴方は好感が持てました。』
『・・・さようなら、にんげ・・・いえ、ティナ。』
『貴方の体、使い捨てではなく、最大限に使わせてもらいます。』
デビルガンダムはティナの体に触手を伸ばし体をDG細胞で侵蝕を始める。
『ただDG細胞にするだけでは勿体無いですね。
肉体は人間のままではすぐに壊れてしまうので皮膚細胞を硬化させ、筋肉は簡単に引きちぎれないようにしましょう。
あとは・・・コアの一部も埋め込みましょう』
そしてティナの体・・・もといディナの体ははっきり言って魔改造レベルで強化されており、多くの人が顔を真っ青にするレベルで改造されていた。
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「さて、マスターが起きるまでこのまま待つことにしましょう。」
ディナは、自分の主である隆司以外で唯一、人間の中で敬意を払った少女との約束を守るために、自分のすべてをもってして敵を排除しよう。
それをしっかり胸に刻み込むのであった。
あれ?
デビルガンダムがいい人に見えてきた?(錯覚)